2018年06月08日

【トヨタ物語−強さとは「自分で考え、動く現場」を育てることだ−】野地 秩嘉



プロローグ ケンタッキーの名物
第1章 自動車会社ができるまで
第2章 戦争中のトヨタ
第3章 敗戦からのスタート
第4章 改革の始まり
第5章 倒産寸前
第6章 かんばん
第7章 意識の改革
第8章 クラウン発売
第9章 7つのムダ
第10章 カローラの年
第11章 規制とショック
第12章 誤解と評価と
第13章 アメリカ進出
第14章 現地生産
第15章 リアリストたち
第16章 トラックに乗り込んだ男
第17章 21世紀のトヨタ生産方式
第18章 未来
エピローグ 誇り

トヨタ自動車は、誰もが知る日本を代表する自動車会社であり、「かんばん方式」「ジャスト・イン・タイム」などのトヨタ生産方式とともに数多くの本も書かれている。今更感もある中、それでも面白そうな予感を得て手に取った一冊である。

冒頭、トヨタのケンタッキー工場の様子が紹介される。アメリカは、フォード・システムを生んだ国。両者の違いがアメリカ人労働者ポールの説明に現れている。アメリカ人の担当者は、初めてトヨタに転職してきて、不具合が生じてラインを止めるよう指示された時、クビを覚悟したという。アメリカの生産方式では、ラインを止めることは害悪で、止めた者はクビになる。ところがトヨタでは、原因を究明するためには、一作業者であってもラインを止めることが許される(というか推奨される)。アメリカ人担当者の感動がそのまま伝わってくる。

そして、トヨタの歴史を遡る。トヨタ自動車の創業者は豊田喜一郎。自動織機を発明した豊田佐吉の息子である。豊田佐吉は自動織機を発明したが、その真髄は織機のスピードを上げたことではなく、不具合が起こった瞬間に機会を止める装置をつけたことだという。不良品を出さないために機械が止まる重要性を佐吉の機械から受け継いだのが、トヨタの生産システムの肝となる。「自働化とは機械に人間の知恵を付与すること」という考え方が、根底に流れる。

挙母工場が建設され、トヨタの歴史が語られる。それはそのまま日本の自動車産業の歴史。まだアメリカには足元にも及ばない。戦争で中断し、戦後しばらくまで主にトラックの生産が中心。まだ乗用車を作る技術も、またそれを買う消費者も揃っていない。初めて生産されたクラウンは、普通のサラリーマンが10年働いて買える価格だったという。

戦後、飛行機のエンジニアが流入したことが自動車産業にとっては良かったという。飛行機は、鉄道や船などと同様、「プロに向けて設計すればいい」もので、これに対し自動車は「素人が運転する」ものという部分はなるほどと思わされる。そして飛行機を作った経験がある国(欧米各国や日本)と、作ったことのない国(中国、韓国)の自動車は設計思想が違うという意見も考えてもみなかった意見である。

さらにアメリカと日本の労働者の違いも興味深い。アメリカの「ワーカー」は時間給で、考えずに作業し、時間が来れば仕事をやめる。時間を売っているからタダで残業はしない。仕事中も目が合えば「やぁ」と手を上げたりタバコを吸ったりするが、日本の労働者は何かやっている仕草をする。手を止めるのが害悪と考える日本人らしい。ただし、アメリカの労働者もエンジニアはキャリアアップのため、空いている時間に勉強したりしている。こうした描写が個人的には面白く感じた。

そしてやはり興味深いのは、大野耐一を中心とした「トヨタ生産方式」についての話。本のタイトルにもある通り、それは「考える人間を育てる」ことが中心にある。「トヨタ生産方式の本質とは、かんばんを使うことでもなく、アンドンを整備することでもない。常識とされていたことを疑い新しい方法を考えること」という説明が心に響く。これは何にでも当てはまることだろう。

トヨタ生産方式はトヨタにとどまらず、提携先にも及ぶが、その指導は上から目線で講義することではなく、人間と人間の間に信頼感を醸成することとする。トヨタ生産方式とは「意識改革」であり、以前からやっている仕事のやり方を見直すことだとする。その歴史から長々と語られるトヨタ生産方式は、まさに世界企業となったトヨタの原動力であり、力の源なのであろう。それは生産にとどまらず、流通にも適用されるが、考え方は何にでも応用できるものである。

働く人々の話も、アメリカでのリコール事件と公聴会の様子も、実に感動的な話が次々に出てくる。読み物としても、わが国を代表する企業の話としても興味深く面白い。厚い本であるが、実に読み応えのある一冊である・・・



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2018年06月06日

【幸運な男 伊藤智仁 悲運のエースの幸福な人生】長谷川晶一



序 章 偽りの引退
第1章 萌芽 − 1993年・ユマキャンプ
第2章 覚醒 − 強心臓ルーキーデビュー
第3章 脱皮 − 高速スライダーができるまで
第4章 飛躍 − バルセロナ五輪出場
第5章 酷使 − 6月の全694球
第6章 暗闘 − 長引くリハビリ
第7章 復活 − カムバック賞獲得
第8章 異変 − 再びの手術
第9章 岐路 − 1年間の執行猶予
第10章 転身 − 第二の人生の始まり 
第11章 奮闘 − それぞれの、それから
第12章 幸運 − 彼は本当に「悲運」なのか?
終 章 最後の一日

その昔、「野球小僧」だった頃は、プロ野球の情報は隅々まで目を通していたと思う。贔屓のジャイアンツや阪急ブレーブス以外の球団でも、ある程度の選手名は把握していたと思う。それがラグビーの世界に転じてから、たまに新聞に目を通す程度になってしまい、以来ジャイアンツを含めて、野球選手については疎くなってしまった。この本の主人公である伊藤智仁についても、この本を手にするまで知らない有様だった。

その伊藤智仁の物語は、いきなり現役引退の日から始まる。引退イベントに向かうも、実は心の中で復活の夢を描いていたという。彼は一体、どんな投手だったのか。1993年のユマキャンプからそれは始まる。その年、社会人野球からドラフト1位で入団した伊藤は、野村監督の度胆を抜く。野村監督は、今でも先発ピッチャーの歴代No. 1に伊藤智仁をあげているという。このキャンプで野村監督は、伊藤を絶賛する。

そしてシーズンが開幕。伊藤は初登板で見事勝利投手となる。伊藤の武器は、「高速スライダー」。その切れ味は、名捕手古田も「No. 1」と絶賛し、名選手立浪をして「打てない」と語らしめるもの。その高速スライダーは、甲子園の夢破れて高卒で入社した三菱自動車京都製作所で、同僚にたまたま習ったという。もともと肩関節の可動域の広い体質に長い腕といった特徴が、うまくはまったようである。

高速スライダーという大きな武器を手に、伊藤はバルセロナ五輪に選出され、それがスカウトの目に止まってドラフト1位でヤクルトの指名につながる。デビュー以来、順調に活躍していたが、7月の登板時、肘に異変が生じる。それが暗転のきっかけ。それから長いリハビリ生活が始まる。活躍したのはわずか2ヶ月半だったにも関わらず、松井秀喜を抑えてこの年の新人賞を取ったのだからやはりすごいと言える。

一旦、カムバックしたものの、活躍は長く続かず、再び怪我の再発。結局、伊藤のプロ野球人生は怪我との戦いだったようである。投手成績としては、37勝27敗25Sであるから、大したものではない。しかしながらこうして本に書かれるということは、俗にいう「記録より記憶に残る」ピッチャーだったからに他ならない。

その勇姿は、今でもYouTubeで見ることができる。篠塚との対戦など、本で書かれているシーンを映像で確かめられる現代は、実にありがたい。人間の真価は、苦境にあるときにこそ出るのかもしれない。実力世界のプロにあって、ボールを投げられないと言うもどかしさはさぞかしだったであろう。その中で、「異常の正常」と言う考え方は、似たような状況にある人には参考になるかもしれない。

著者は、スポーツライター。たまたま伊藤のデビュー戦をスタジアムで観戦し、引退試合もその場にいたと言う。ぜひ、自分の手で伊藤智仁の物語を書きたいと言う気持ちがあったのだろう。それが全編にわたって行間に溢れている。つくづく、現役時代に見てみたかったと思う。知らなかった名投手の野球人生。ファンでなくともじっくりと味わえる一冊である・・・




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2018年05月30日

【飲茶の「最強!」のニーチェ−幸福になる哲学−】飲茶



I. 哲学ってなに?
II. 人生に意味はないってホント?
III. 道徳なんて弱者のたわごと?
IV. 死にも未来にも意味はない?
V. それでも哲学を学べば生き方が変わる

変わったペンネームの著者は、哲学の入門書ばかりを10年近くにわたり書き続けてきたという哲学作家。哲学に興味はあるものの、代表的な哲学者の本を読んでは挫折してきた経緯から、入門書からやり直そうとしているが、それでもカントは難しい。ならばとニーチェに矛先を変えてみたのが、この本を手にした理由。表紙の優しげな様子に意を決してページをめくる。

ニーチェと言えば、『ツァラトゥストラはかく語りき』を読んだが、正直印象に残っていない。7年前に『超訳ニーチェの言葉』を読んだが、これはニーチェの哲学というのとはちょっと違う気がしていた。そんなイメージから始まったが、内容はアキホという女性が、先生に教えを請う展開で語られていく。それ故にか、内容はとてもわかりやすい。

まずはニーチェの哲学の位置付けから。哲学には物事の本質を考える「白哲学」と実存を考える「黒哲学」があって、ニーチェの哲学は黒哲学に当たる。黒哲学は、物事の本質についてばかり語る白哲学を批判するために生み出された反逆の学問だとする。「物事の本質について」考えることが好きな私からすると違和感がある。しかし、現実の我々は外部から押し付けられた社会的価値観である背後世界に縛られているという説明を聞いていくと、違和感はなくなっていく。「かくあるべし」という価値観にこの世の中は確かに覆われている。

そういう背後世界はただの空想であるから、現実存在(=実存)である我々はそれを自分に当てはめて落ち込んだりする必要はないとする。だからと言ってそれを否定するだけだとニヒリズムに陥って生の高揚を失ってしまう。毎日を忙しく働いて暇をつぶすだけの「末人」が増えてしまうという。そういう絶対的な価値観はいつか必ず壊れるとして、これをニーチェは有名な「神は死んだ」という言葉で表現する。

サブタイトルに「幸福になる哲学」とあるが、ニーチェの哲学がこういう内容のものだとは、遅まきながら初めて知った。永劫回帰は最強最悪なニヒリズムの世界で、これを乗り越えるにはそういう意志を持つ人間である超人になる必要がある。「今この瞬間を肯定して力強く生きよう」という主張が「力への意志」などの有名なキーワードとともに説明される。
「そうか、そうだったのか」と初めてニーチェの哲学がわかる。

著者は、実は若い頃吃音で随分と悩んだのだという。そんな悩みの日々の中、ニーチェの哲学を知り、そしてより優れたものを目指したいという力への意志を感じ取ったという。そういう背景もあるのだろうか、内容がわかりやすいだけでなく、「(自分を救ってくれた)ニーチェの哲学を伝えたい」という気持ちがヒシヒシと伝わってくる。薄いし、無知な女の子との対話形式だし、表紙は漫画だし、されど内容はとてつもなく重い。まさに「最強の」入門書である。

霧が晴れるようにニーチェの哲学が理解できたが、俄然著者にも興味を持った。これからこの人の哲学入門書を極めていきたいと思う。
「ならば、よしもう一度!」
改めて哲学を学ぼうと思わされた一冊である・・・



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2018年05月29日

【投資レジェンドが教えるヤバい会社】藤野 英人



第1章 会社の性格は社長で決まる!
第2章 ブラック企業はこう見抜け!
第3章 社内結婚が多い会社は儲かっている!
第4章 産卵後に死んでしまうサケではなく、メンドリを探せ!
第5章 会社を見分ける3つの基準

著者は投資信託会社の社長であり、「ひふみ投信」のファンドマネージャー。30年近くにわたり企業調査を続け、6,500人以上の社長に会い、成長企業を発掘してきた方だという。そんなファンドマネージヤーが明かす企業を見分ける法則というのが本書である。そんな法則の代表的なのが、「スリッパの法則」で、私もどこかで見聞きしたことがあるが、それは「社内でスリッパに履き替える会社は儲からない」というもの。こうした法則にそって会社の特徴が説明されて行く。

会社の本質は、社長の話し方はもちろんであるが、社長室の調度品の選び方や置き方など細かいところに表れるのだという。また、サラリーマン社長の会社は成長が期待できないとするが、それはサラリーマン社長は短期志向で会社を経営しがちで長期的な視野が欠落しているのだという。これはさもありなんと思うところである。

「ビジョンの浸透に尽力している会社は買い」− 夢を熱く語れる社長かどうかが投資の際に重要というのもよく理解できる。人の心を打ち、従業員がその会社で働くことにやりがいを感じられることが大切なのは言わずもがなであろう。
「過去の苦労話ばかりする会社は成長が止まる」というのも頷ける話である。上記の裏返しであり社長の向いている方向が大事なのは言われるまでもない。

「社長のネガティブ・シンキングは業績の良し悪しとは関係ない」ということは、ダイソーの矢野社長を例に語られる。
「大成功している社長は例外なく《ケチ》で《メモ魔》で《細かい》のだとか。これも分かる気がする。

「自社サイトの社長挨拶の主語が『私』『私たち』の会社は伸びる」−自社サイトに関する法則はいつくか目にした。「社員が多く写っている」「役員の写真が載っている」などであるが、我が社はどうかと考えてみたくなる。こうした法則は、絶対法則ではなく一般的な傾向を表すもの。絶対のものではなく、その理由が大切。

「スリッパの法則」も、スリッパを履くことに合理性があるかどうかが重要なのであり、単に「スリッパを履いているからだめ」というものではない。「晴れているのに傘立てに傘がいっぱいある会社は成長しない」のは、日常の整理整頓ができていないことが窺われる。同様に、「会議室の時計が5分以上ずれている会社に投資してはいけない」も社員が何事にもルーズなところの現れであるとする。

単純に法則を覚えれば良いというものでもなく、大事なのはその根底にある理由だろう。そうした会社の特徴から、後半は著者の主張する「ナオコの法則」なるものが説明される。これは、「ナカマ」「オコナイ」「ココロ」の頭文字を取ったもので、それらはまたそれぞれ、
「ナカマ」− ステークホルダー
「オコナイ」− コーポレートアクション
「ココロ」− ビジョン
のことだとする。さらに「お客様大切度」「従業員大切度」「家族大切度」「事業仲間大切度」「株主大切度」「地域社会大切度」「指導力大切度」に分類される。

よくよく考えてみれば、皆「その通りだろう」ということばかりなのであるが、こうして法則にまとめたのが面白いし、それこそ多くの会社を見てきた著者ならではなのだと思う。自分の会社は果たして良い法則の方に入っているか、チェックしてみるのも面白いと思う。そして当てはまらなければ、良い改善の機会かもしれない。

中小企業に努める身として、大いに参考にしたい一冊である・・・




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2018年05月27日

【ナポレオン時代−英雄は何を遺したか−】アリステア・ホーン



原題:The Age of Napoleon
序 章 ナポレオン時代
第1章 権力への意志
第2章 時代はいつも次代を夢見る
第3章 運は女性のようなもの
第4章 栄光を求めて
第5章 建築・施工主
第6章 帝政様式
第7章 帝国の娯楽
第8章 ロマン主義の表象
第9章 没落
第10章 ラシーヌ通りにコサック兵が
終 章 一つの時代の終焉

ナポレオンと言えば、知らぬ者がいないほどの歴史上の有名人。そんなナポレオンの名前のついた本であるが、「ナポレオン時代」とあるように、この本はナポレオン個人に焦点を合わせたというよりも、ナポレオンを中心に動いていた時代の本というべき一冊。特にここで扱われるのは、1795年から1820年までの25年間である。

1795年の秋、パリに滞在していたナポレオンは、反革命王党派の反乱をパリの街中で大砲を使用するという大胆な作戦でわずか1日で鎮圧し、イタリア方面軍司令官に任じられる。コルシカ島出身の貧しい工兵が大いに飛躍する。そして対仏大同盟という危機の中、有名なエジプト遠征を実行し、取って返したパリでクーデターにより任期10年の第一執政に就任する。そして婚姻制度の復権、カトリック教会との融和を進める。

ナポレオンの本であれば、名を馳せた軍事的成功の数々にスポットライトを当てると思うが、この本はあくまでも「ナポレオン時代」の本であるがゆえに、そうした軍事的な成功譚よりも、当時は結婚制度が緩んでいて、夫も妻も互いに相手を「コートを変えるように」変えていたなどという風潮を紹介している。カトリック教会との融和は、革命期に教会が革命勢力によって荒らされたという事実があるようである。

そうした当時の時代風景はやはり興味深い。ロベスピエールやその一派の堅苦しい道徳律から解放され、パリの女性の間では薄くて軽い生地のブラウスが着用されたそうであるが、これらは雨に濡れるとシースルーだったという描写がなされているのはとても興味深い。しかし、一方でパリは荒廃の地でもあり、ぬかるんだ地面は悪臭を放ち、下水道には蓋もなかったという。そんなパリをナポレオンは再建という野望を掲げる。セーヌ川河岸の整備、近代的上水道、美術館、凱旋門等々今に連なる礎をこの頃築いたようである。

ナポレオンは国民投票によって次々と改革を行う。著者によれば、「民衆は1789年の革命以来の無政府状態、悪政、腐敗そして破壊行為に背を向ける者ならなんでも賛成した」という状態でナポレオンを支持し、ナポレオンは有名な民法典を成立させ、教育制度の改革や文化育成等も行い、やがて皇帝に就任し戴冠式を行う。こうしたよく知られたエピソードも面白いが、やはり当時の社会の様子も興味深い。

失業率は低いレベルで抑えられていたものの、労働は過酷で労働時間は長かったという。建設労働者は午前6時から午後7時まで働かされ、1813年までは10歳以下の子供も働いていたという。さらにパン屋の寿命は50年に届かなかったという。それでも革命前よりは良い暮らしだったというから驚きである。

長引く戦争で、ナポレオンは常勝軍団を形成したが、実は脱走兵もかなり多かったという。さらに戦場は主に国外だったせいか、パリの暮らしには戦争の影響はほとんどなかったとか。こうしたことが諸々語られていく。それらはやはりナポレオンの名は冠しているが、メインは「時代」である。こういう視点の本も歴史好きとしては面白いと思う。

ナポレオン時代の特にパリを、いい面も悪い面も含めて伺い知ることのできるという意味で興味深い一冊である・・・




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2018年05月24日

【アキラとあきら】池井戸潤



第1章 工場と海
第2章 マドンナ
第3章 父と叔父たち
第4章 進路
第5章 就職戦線
第6章 バンカーの誕生
第7章 BUBBLE
第8章 ロザリオ
第9章 父の遺言
第10章 叔父たちの策略
第11章 後悔と疑惑
第12章 挑戦、そして挫折
第13章 内憂外患
第14章 お荷物ホテル
最終章 最終稟議

昨年、テレビドラマ化されていたのは知っていたが、普段テレビドラマを観ることもない私としては、例外なく観ることもなく終わっていたもの。池井戸潤の作品にはハズレが少ないし、改めて手に取った次第。

タイトルにある通り、物語の主人公は2人のあきら。1人は零細工場の息子・山崎瑛であり、もう1人は大手開運会社東海郵船の御曹司・海堂彬。同じ歳で同じあきらでありながら2人の育つ環境は対照的。山崎瑛は、父の工場が倒産し家族は夜逃げの憂き目にあう。そして一方の海堂瑛は、恵まれた環境で育つ。まったく対照的な家庭環境で育った2人が、紆余曲折をへて産業中央銀行へ入行する。

それぞれ対照的な環境で育った2人のライバルともいうべき男が主人公となると、なんとなくジェフリー・アーチャーの名作『ケインとアベル』を思い出してしまう。山崎瑛は父の工場を助けてくれなかった銀行にいつしか嫌悪感を覚えているが、高校3年時にある銀行員の行動で諦め掛けていた大学進学に道が開け、考えを改めさせられる。この経緯はちょっと感動的。相変わらず、池井戸作品は途中も熱い。

一方、御曹司の海堂彬も裕福な家庭とは言え、問題がないわけではない。幼い頃から父と比較されコンプレックスを持っていた叔父2人。相続でそれぞれ東海商会、東海観光と言うグループ企業の経営権を得るが、怪しげな人物と付き合い、言われるがままにスーパーに進出して失敗したりする。これには高校生の山崎瑛も淡い恋とともにそれと知らずに関係してくる。途中の伏線も絶妙だったりする。

やがて2人のあきらは、共に産業中央銀行に同期として入行する。産業中央銀行と言えば、池井戸作品ではおなじみの半沢直樹の所属している銀行である。ちょっと遊び心が効いている。2人はライバルとして対立関係になるのかと思ったら、さにあらず。研修でこそ相対峙したものの、それぞれ活躍し、そして最後にそれぞれの立場で大きな問題と向き合うことになる。

池井戸作品には、主人公の前に立ちはだかる人物が必ず出てきて物語を盛り上げる。この作品では、海堂彬の2人の叔父がその役を担っている。プライドは高いが経営者としては実務能力に欠け、謙虚さもない。この2人がキーマンとなって、東海郵船グループは存続の崖っぷちに立たされる。この手に汗握る展開が心地よい。最後もすっきりと綺麗に定点越えて着地する。見事なフィニッシュである。

他の池井戸作品と同様、この作品も一気に物語の世界に引きずり込んでくれるところがある。分厚い本だが、あっという間に読み終えてしまう感じである。「これぞエンターテイメント!」と言える池井戸潤の一冊である・・・




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2018年05月23日

【日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう「観戦力」が高まる本 もっと楽しく観るためにあなたが持つべき視点とは!?】斉藤健仁



CHAPTER 1 戦術・システムから見る日本ラグビーの現在地
CHAPTER 2 「観戦力」と「駆け引き」を極めるために持つべき視点
CHAPTER 3 世界最高の指揮官に学ぶラグビーの戦術・システム

個人的にラグビーをずっとやって来たこともあって、スポーツの中では間違いなく一番好きなのがラグビーである。しかしながら、私が現役時代だった頃から20年が経過し、ラグビーも随分変化して来た。昔の古い知識をアップデートしたくて手にした一冊。内容はと言えば、タイトルにある通り日本代表を手本にした現代のラグビーの戦術・システムの解説である。

日本代表と言えば、2015年のW杯で強豪南アを破り、史上最大の大番狂わせと言われ、予選では何と3勝を上げ、残念ながら決勝トーナメント進出はならなかったものの、それ以前の成績から比べると奇跡のような結果を出したのも記憶に新しい。その立役者であるエディー・ジョーンズヘッドコーチは日本代表を辞め、今はイングランドのヘッドコーチに転身している。新しいヘッドコーチはジェイミー・ジョセフ。著者による解説はジョセフHCについての説明から始まる。

ジョセフHCは、スーパーラグビーのハイランダーズを率いて優勝を成し遂げたプロコーチで、日本代表の戦術はハイランダーズも取り入れていた「キッキングラグビー」になるとする。キッキングラグビーは、世界のラグビーの動向の1つであり、体格に劣る日本代表には適しているとする。ニュージーランド流の「ポッド」と合わせることで、効率的に進められるとする。

この「ポッド」なるものも現代流の1つで、20年前には当然なかった考え方。「2-4-2」の「3ポッド」、「1-3-3-1」の「4ポッド」がある。これに「9シェイプ」とか「10シェイプ」とかのスタイルが加わるのであるが、用語からしてオロオロしてしまう私などからすると、丁寧な解説が有難い。さらには「T-システム」と呼ばれるアグレッシブに前に出るディフェンスシステムのことなど、目新しい概念の解説が有難い。

そうした基本概念の解説の後、日本代表の実際のゲームにおいてこれらが解説されていく。ゲームは2016年のテストマッチから昨年の対世界選抜、ワラビーズ、トンガ、フランスらとの試合が振り返られる。それらは昨年11月の試合もあり、事例が湯気が出るほど新しいのも有難い。さらに基本解説として、「トライの定義」から始まり、各プレーに渡る基礎講座もあるので、初心者にとっては「観戦手引き」にもなるかもしれない。

それらの基礎講座は素人向けではあるものの、我々のようなオールドタイマーにとっては、例えば「ブレイクダウン」「チョークタックル」などの新しい概念の説明もあるから、密かに学び直すのに持ってこいとも言える。昔は膝から下に行く「チョップタックル」と抱えて倒す「スマザータックル」しかなかったから、ターンオーバーを狙うチョークタックルなんてものは実に目新しい。昔はタックルと言えば、「チョップタックル」であったから、これも時代(というよりルール)の流れである。

最後に奇跡の大番狂わせの南ア戦が振り返られる。考えてみれば、エディーさんはやっぱり大したものだったんだと改めて思わされる。ラグビー初心者にもまた再学習者にも程よい内容の教科書である・・・





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2018年05月21日

【橋下徹の問題解決の授業  大炎上知事編】橋下 徹



第1講 舛添さん問題は最高の教科書だ
第2講 報道の自由こそが民主主義の根幹だ
第3講 ここがおかしい! 公務員の政治活動
第4講 メディアも間違えた 豊洲問題の本質
第5講 核心的問題点と周辺的問題点の整理
第6講 「現状への不満」をすくい上げよう
第7講 本当に政治上手!公明党とは何者か

元大阪府・市知事であり、弁護士でもある著者が「問題解決の授業」というタイトルの本を出せば、嫌が応にも興味を惹かれるというもの。これは実は著者が出している有料メールマガジンの連載を書籍化したものだという。「問題解決」という内容の本はいろいろな人が出しているが、この本の特徴は実際の政治の具体的ケースを題材にしているところであろう。「大炎上知事編」というサブタイトルがそれを物語っている。

はじめに出てくるのは、元東京都知事の舛添さん。公用車で毎週湯河原の別荘に通っていた問題で、豪勢な海外出張などとあわせて、公私混同が問題視されたのは記憶に新しい。舛添氏が「ルールに従っているから問題ない」という抗弁に対し、橋下氏は「おかしい」と断ずる。なぜならそのルールを作っているのは都知事であり、自分で作ったルールに従っているから問題ないという言い訳は通用しないと。言われれば「なるほど」である。ただ、それは公用車の使用規定は都知事が認可するという仕組みを知っていないと出てこない発想でもある。一般人にはちょっと難しい。その点を突っ込んでいる記者がいなかったとしているが、記者も勉強不足なようである。

それはそもそも東京都の公用車利用規制がデタラメだったという事情もあったらしい。その点、橋下氏は自らの知事時代に厳格に定めたらしい。舛添氏も毎週湯河原へ行くのは問題ではなく、私設秘書の車で行けばよかったのだと回答を示す。面白いのは豪華出張について、一部マスコミが理解を示していたことに対し、「自分たちもやっているのだろう」とコメントしていたことであるが、さもありなんである。

都知事選については、鳥越俊太郎氏が一時候補者として勢いがあったが、セクハラ問題で失速。それに対し、橋下氏は「報道の自由こそが民主主義の根幹」と当たり前のことを主張する。政治家経験者からすると、権力は乱用しようと思えばできるらしく、その監視の意味で必要だとする。ただ、ご本人は文春に出自を差別的に報じられて訴えた経緯もあり、文春は大嫌いだと語る。同じセクハラでも自分がやっていればもっと叩かれていたはずと、人権派の御都合主義を批判する。

現実のニュースを題材に問題解決の事業をするという建前ではあるが、現実には一般人にわかりにくいケースが多い。大阪での公務員労働組合の選挙活動はその最たるもの。本来禁止されているはずなのに、自分たちの給料・身分を守るために死に物狂いで選挙をやっていたらしい。橋下氏の対立候補を全力で応援し、それは市営地下鉄の運賃値下げにまで及んでいたというから驚きである(それでも勝てなかったわけではある)。

その他、築地市場の豊洲移転問題や原発問題にも話は及ぶ。ニュースでも散々取り上げられていた豊洲の問題は、突き詰めて行けば矛盾が含まれている。市場においての重要な環境基準は「市場建物内の大気基準」であるとする。地下の盛り土がどうのこうのというのは、結局「周辺的問題」だとし、大事なのは「核心的問題」を見つけ出すことだとする。有識者は「原発反対」のみで、病院等の停電対策が不十分な中では「反対」だけでは乗り切れないとする。このあたりのロジックはさすがである。

日常でも、ロジックが成り立っていなかったり、核心的問題と周辺的問題を取り違えていたりすることはよくあること。著者にかかれば山本太郎も「頭の悪い参議院議員」と切って捨てられるが、それもやむを得まい。著者の話のロジックはどこまでもスッキリしている。読んですぐ問題解決力がつくというものではないが、考え方はしっかり理解したいと思うところである。
そのほかの問題についても意見を聞いてみたいと思わされる一冊である・・・


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2018年05月16日

【朝鮮出身の帳場人が見た慰安婦の真実  −文化人類学者が読み解く『慰安所日記』−】崔 吉城



序 章 「慰安婦問題」とは何か
第1章 慰安所日記の概要
第2章 慰安婦たちはなぜ死んだのか
第3章 慰安所日記を読み解く
第4章 軍政と慰安所
第5章 慰安所日記から見えてくるもの
終 章 韓国は慰安婦問題を政治的なカードにすべきでない

いわゆる従軍慰安婦問題は、個人的には大変興味深いところである。こういうタイトルの本が出れば当然手が出る。これはもともと戦時下の日本軍慰安所で帳場人として働いていたある朝鮮人の日記なのだという。「従軍慰安婦問題を理解する上で最も価値あるもの」と考えた著者が、2年の月日をかけて読み解いたという。そんな著者は、東亜大学の教授である。

日記は、ハングル、漢字、平仮名、片仮名混じりで、同じ立場の著者としてはそれだけでも自分がやるべしと考えたようである。その根底には、軍と性の問題に対する関心もあるようである。というのも、自身の体験として朝鮮戦争下の故郷で、共産化から守ってくれるはずの国連軍が村の女性をレイプし、それを機にムラが国連軍の売春村と化したという経験があるようである。

従軍慰安婦問題が初めて報道されたのは、1991年12月2日。著者によれば韓国の反日感情は主に国内向けで、それを日本が過剰反応してメディアを使って増幅しているのだと言う。この微妙なニュアンスは、日本にだけいるとわからないと思う。そうした慰安婦問題に対する著者の考えが、前半部分を占める。個人的には、早く本題に入って欲しくてもどかしく思うところであった。

そして肝心の日記部分になるが、これは本当に朝何を食べたから始まり、何をして夕食はどうしたという普通の日記そのものである。自分の日々書いている日記と大差ない。著者はこの日記に対し、「反日・親日・親韓・嫌韓の立場を超えて、偏見なし、先入観なし、自他なし、敵味方なし」の公平な立場で読もうとしたとする。期間は1943年から1944年までの2年間である。

個人的に興味深かったのは、以下の事実。
1. (利用時に)軍人は管理人のところで札を買い、それを持って部屋に来た
2. 軍人はコンドームをつけることが原則
3. 1日10人から20人の軍人の相手をした
4. 軍事郵便貯金をして総額1,800円くらい貯金した

当時既にコンドームが使われていたというのは、大変参考になる事実。お金の価値は現在と異なるが、「1,000円あれば大邱に家が一軒買える」という表現があることからすると、総額1,800円の貯金というのはかなりの大金であることがわかる。今も昔も性風俗産業は稼ぎがいいのだということであろう。「強制連行された性奴隷」が果たしてこんなに稼げるものであろうかと思わなくもない。

酔って日本刀を抜いて斬りかかってきた下士官から刀を奪って刺してしまった慰安婦が、軍法会議で無罪になったという話も出てくる。その真義を疑う人もいるらしいが、そもそもありえない話なら噂にも出てこないであろう。もっともらしく語られるということは、すなわちそういうこともありうるということである。「強制連行された性奴隷」に正当防衛など認められるだろうか。

慰安所が軍の施設なのかただの関連施設なのか、日記からはわからないという。しかし、「移転せよ」という軍の命令に、「慰安婦たちが反対して行かなかった」という記述もあるという。著者も「強制連行の有無」については多大な関心を寄せて、日記を読み込んだというが、ついに決定的な証拠はなかったという。それを著者は、「関係者や慰安婦たちにとって関心事ではなかった」のではないかとする。

さらに当地では、日本人も朝鮮人もまとめて「邦人」と呼ばれていたという。慰安婦を連れて内地帰還の旅行証明願いを提出したという記述から、ある程度の移動の自由もあったと伺える。「強制連行」についての記述の有無も確かに大事かも知れないが、当時の知られざる事情をうかがい知るのも興味深い。直接的な表現はなくとも、十分なのではないかと思われる。
白黒をつけるものではないにせよ、興味深い内容であることは間違いのない一冊である・・・



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2018年05月15日

【世界最高の人生戦略書 孫子】守屋洋



第1章 戦わずして勝つ
第2章 戦況を見極める
第3章 知略で優位に立つ
第4章 逆転を狙う
第5章 将たる者の心得

最近、中国古典に興味を持っていて、論語や老子などを既に読んでいる。そしてこの本のタイトルを見つけ、迷わず手に取る。孫子と言えば、兵法。「彼(敵)を知り己を知れば百戦して殆うからず」はあまりにも有名である。そんな孫子は、2,500年前に孫武という人物によって書かれたのだという。著者は、中国文学者であり、中国古典に精通している第一人者とのこと。そんな著者が、孫子の中からキーワードとも言うべき名言を採り上げて著者なりの解説をつけたという一冊。

冒頭は、「敵を知り・・・」が採り上げられる。よく知りすぎている言葉であるが、では彼と己の一体何を知れば百戦百勝なのか。なかなか鋭い問いかけである。著者は「自分の勝てない相手を知る」ことだとする。つまり「相手を選べば良い」と。当たり前すぎるくらいだが、当たり前すぎるから真理だとも言える。

1. 戦勝攻取してその攻を修めざるは凶なり
 敵を攻め、城を奪取しても、戦争目的を達成できなければ失敗
2. 善く戦う者は勝ち易きに勝つ者なり。故に善く戦う者の勝つや智名なく勇功なし
 戦上手は無理なく自然に勝つので、勝っても知将は目立たない
3. 虞を以って不虞を待つ者は勝つ
 万全の体制を固めて、相手の不備につけ込む者は勝つ
4. 百戦百勝は善の善なるものに非ず、戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり
戦わずして勝つのが理想。
どれもこれも当たり前すぎる感じがするが、2,500年前に既にこのことが説かれていたという事実がすごい気がする。と言うか、真理はいつの時代も変わらないのだろう。

しかし、これは何と言っても兵法。戦いのための金言である。ビジネスに通じるものもあるとは言え、戦い目線のものは、応用しようにもできない。
「智将は努めて敵に食む」
これは、智将は現地で食料を調達するということらしいが、旧帝国陸軍はそれをインパールでやろうとして大失敗している。当時とは状況が違うところもあるのだろう。

「その来らざるを恃むなく、吾の以って待つあるを恃むなり」
敵の来襲がないのを期待するのではなく、的に来襲を断念させるような備えを頼みとすべしということらしい。希望的観測によるのではなく、自ら備えよという言葉はビジネスにも通じる。
「智者の慮は必ず利害を雜(まじ)う、利に雜えて努め信ぶべきなり、害に雜えて患い解くべきなり」
利益と損失の両面から考えるという意味らしいが、これもビジネスに通じる。

リーダーとしての心得も出てくる。
1. 先に暴にして後にその衆を畏るるは不精の至なり
   部下を怒鳴り散らしておいて後で離反を気遣うのは将として失格
2. 進んで名を求めず、退いて罪を避けず
   成功しても名誉を求めず、失敗しても責任を回避しない
3. 卒を視ること嬰児の如し 故にこれを深谿に赴くべし
   兵士を大事にすれば、どこまでも行動を共にしてくれる

流石に厳選されたものだけあって、どれもこれも真理だと思うものばかりであるが、やはり個人的にビジネスに通じる言葉に興味は止まる。あれこれ迷った時に、原理原則としてよりどころにできるかも知れない言葉がいろいろとある。考え方の基本として、持っておきたいところである。そんな参考にしたい一冊である・・・



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