1 常識という神話
2 考えるということを考える
3 群衆の知恵(と狂気)
4 特別な人々
5 気まぐれな教師としての歴史
6 予測という夢
7 よく練られた計画
8 万物の尺度
9 公正と正義
10 人間の正しい研究課題
最近は「○○の科学」と題する本が目につく。
「選択の科学」しかり、 「錯覚の科学」しかり、である。
まだ読んでいないが、「お金の科学」という本もある。
それなりに肩書きをもった人が書いていて、面白い内容が多い。
この本の著者もコロンビア大学の社会学部教授である。
本の謳い文句に、「この世界は私たちの直感や常識が示すようには回っていない。人間の思考プロセスにとって最大の盲点である『偶然』の仕組みを知れば、より賢い意思決定が可能になる」とある。
ここに邦題の理由がある。
「人間に未来予測はできない。リアルタイムで偶然に対処せよ」ともあるが、ここではいかに偶然が物事を左右するか、が説明される。
「モナリザ」は世界一の名画とされるが、レオナルド・ダ・ヴィンチによって描かれた当初からそう評価されてきたわけではない。
むしろそれ以外にも有名な絵はあり、それどころか「モナリザ」が有名になったのは20世紀に入ってから、一件の盗難事件をきっかけにしたものだという。
「モナリザ」は他の絵画にはない何か特別な要因を持っているわけでもなく、それは爆発的に人気を博した「ハリー・ポッター」シリーズやフェイスブックにも当てはまる。
大きな事故が起これば、その原因追究が徹底してなされるが、その同じ原因が同じように起こったとしても、同じような事故が起こるとは限らない。
過去と未来とはまったくの別物で、過去に有効であった常識を未来に当てはめようと思っても無理がある。
まさに 「ブラック・スワン」の世界であるが、結局のところ未来予測などサイコロを振る確立と大して違わない。
そんな理屈をきっちりと検証して解説してくれるところは、さすが教授なのだろう。
しっかり読みこんでついていかないと、何が言いたいのかわからなくなるところがあるが、しっかり頭を働かせて読みたい人には面白い本かもしれない。
まあたまにはこういう本と正面から格闘してみるのも、いい頭の体操になると思う。
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