2012年07月29日

【じゃんけんはパーを出せ!−ビジネス解決力が身につく「ゲーム理論」−】若菜力人




Part1 それでも株価は上がる
Part2 合コン!会計男とイケメンはどちらが得をするのか?
Part3 なぜ、オタク男は子孫を残せるのか?
Part4 ラクして儲ける方法教えます!
Part5 普通の女性がセレブになる方法

ちょっと変わったタイトルのこの本、実はゲーム理論の本である。
ゲーム理論というと、「囚人のジレンマ」が有名だが、そんな例を身近なモノの中から見出して解説してくれている。
なかなか面白い本である。

タイトルにある「じゃんけんはパーを出せ」とは、じゃんけんはどれを出しても勝つ確率は1/3だと思っていたら、実は確率は違うというお話。
じゃんけんをした場合、最初に出すのはグーが微妙に多いそうである。
カナダにある世界じゃんけん協会も、素人はひたすらパーを出す事をすすめているらしい。
ちなみに、アイコとなった場合も考えると、パー、グー、チョキの順に出すと勝つ確率は高まるらしいが、解説は本書と致したい。

以降はゲーム理論の実践例。
ブルー・レイディスクとHD−DVDの競争で、HD−DVDを進めていた東芝が早々と撤退宣言。
にも関わらず、株価は上昇。
かつてのビデオで、ベータ方式とVHS方式との長い競争を彷彿とさせるこの例もゲーム理論で解説してくれる。
何気ないような例であるが、東芝の決断と株式市場の反応がよくわかる。

ちょっと柔らかい例では、合コンでまめまめしく会計を引き受ける男と、参加するだけでおいしいところをさらっていくイケメンとの比較。
この両者の立場と戦略的な見地からの解説も、なかなか面白い。
ゲーム理論というと難しく感じるが、合コンでの例となると難しいものではないと改めて認識させてくれる。

個人的に興味を惹かれたのは、ゲーム理論というよりもゲームに対する欧米人の考え方だ。
冬季オリンピックラージヒルで、長野オリンピックでメダルラッシュに沸いた日本勢。
ところが次の大会から無残な結果。
実はルール変更で、身長の低い日本人には不利になってしまったのだという。
勝つためには、ルールそのものを変えてしまうという欧米流。
日本人はやっぱり生き馬の目を抜く国際社会では、おっとりしていると改めて実感させられる。

ごくごく身近な例からの解説で、実にわかりやすくて面白い。
簡単に一読できてしまうし、サブタイトルにもあるように、ビジネス解決力が身につきそうな気がする一冊である。
     
     
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2012年07月26日

【小商いのすすめ】平川克美




第1章 経済に蚕食された社会
第2章 街角のフォークロア
第3章 ちいさいことの意味
第4章 「経済成長」から「縮小均衡」の時代へ−東日本大震災以後
第5章 小商いのすすめ

「小商い」というと、小規模な営業のイメージがする。
スーパーなどとは対極のものだ。
しかしながらここでの「小商い」とは、単に営業形態の事ではなく、「縮小均衡時代の生き方そのもの」であると著者は説く。

本書の構成は、前半部分に現代のさまざまな状況が解説されている。
一見、「小商い」とは何の関係もなさそうである。
豊かさとは何か、そして拡大均衡経済の中で、豊かさを追求してきた我々の両親の世代。
そこには貧しいながらの豊かさというものもあった。
そして経済成長。
現代の日本はその成長しきった姿。
海外へ販路を求めても、いずれ地球上はどこかで拡大均衡の限界に達する。

とは言え、拡大均衡そのものは悪ではない。
かつてはその拡大均衡の中で貧富の差や都市と農村の格差が縮まっていった。
世界の国がどこでもそうではなく、それは日本の発展の優れたところ。
それは、諸々の理由が考えられるが、日本人の国民性にもよると言う。

そんな長い前置きのあとで、小商いのすすめが語られる。
ソニーの設立趣意書でも井深大は、「経営規模としてはむしろ小なるを望む」と謳った。
小商いとは「いま・ここ」にある自分に関して責任を持つ生き方。
拡大均衡から縮小均衡へ。
人口も減少する中、より多くを求めるのではなく、バランスを求める。
そんな生き方が、実際に求められているのかもしれない。

タイトルとは裏腹に、哲学的な香りもする一冊。
たまにはこうした本に触れて、日々の生活を見直してみるのもいいかもしれない。
そんな思いにさせてくれる一冊である。


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2012年07月24日

【ずるい考え方】木村尚義




第1章 ようこそ!ラテラルシンキングの世界へ
第2章 ラテラルシンキングに必要な3つの力
第3章 最小の力で最大の効果を出す
第4章 相手の力を利用する
第5章 異質なもの同士を組み合わせる
第6章 先の先を読む
第7章 ムダなものを捨てない
第8章 マイナスをプラスに変える
第9章 ラテラルシンキング力を試してみよう

タイトルに惹かれて手に取った一冊だが、サブタイトルに「ゼロから始めるラテラルシンキング入門」とある通り、これはラテラルシンキングについての本である。
ラテラルシンキングとは、物事を順序立てて論理的に考えるロジカルシンキングに相対する概念で、言ってみれば「飛躍的発想法」とでもいうような考え方だ。

早い馬車を求めて、足の速い馬を何頭も繋ぐのがロジカル的だとすれば、自動車を発明するのがラテラル的だと言うことらしい。
コロンブスの卵もラテラルシンキングと言えるのだと思うが、そうした物事の枠にとらわれない考え方というのは、時として重要であり新しいアイディアを生みだす時などには必要となる考え方だろう。
そうしたラテラルシンキングについて説かれている。

ラテラルシンキングには、3つの要素が必要とされる。
「疑う力」
「抽象化する力」
「セレンディピティ」
「セレンディピティ」とは、偶然の発見を見逃さない力である。
同じ物事を見ていても、ある人は連想が働き、ある人は働かない。
連想が働くには感性のレーダーを張っておくことで、何を聞いても「そんなのは知っているよ」という態度はダメらしい。

タイトルに「ずるい考え方」とある通り、ラテラルシンキングは時として、「いかに楽をするか」を考えたりすることにもつながり、それが場合によっては「ずるい」となるものだと言う事らしい。
コバンザメのように強者のおこぼれにあずかる作戦に出たり、便乗したりとする事もある。

一方でカップを返却してくれなくて困ったアイス屋さんがコーンを考えついたような発想もある。
最後には練習問題もついていて、文字通り入門編としてわかりやすい。
自分では頭が固いと思っている人。
あるいは鋭いと思っていても、実際にはそうでなかったりする人も一度読んでみると面白い本である。

本を閉じた後、自分でも実践してみようかなと思わせられる一冊である。


      
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2012年07月22日

【プーチン最後の聖戦】北野幸伯


      

第1章 神への道
第2章 米ロ新冷戦
第3章 休戦
第4章 最終決戦

著者はモスクワ在住の国際関係アナリスト。
普段新聞やテレビのニュースをきちんと見ていても、国際情勢などわかるはずもない。
そんな不足分を補うのには、この人の意見はなかなか面白いかもしれない。
既に何冊も本を出版されているが、これはその最新作。

タイトルにある通り、この本の主役はロシアの大統領プーチン。
と言っても自伝というほどのものでもない。
大統領になるまでの簡単な略歴は紹介されているものの、主眼はあくまで大統領になってからの活動。
そしてそれこそが、我々も注目しなければならない事である。

冷戦がソ連の事実上の敗北で終結し、ロシア連邦が成立。
しかしエリツィンに力はなく、アメリカが世界で唯一のスーパーパワーとして「一極世界」が到来する。
プーチンはKGBから新興財閥に引き上げられて大統領に就任する。
そして国内で新興財閥を抑え権力を固める。
そのあとは反米にシフト。
アメリカとの対峙に向かう。

アメリカはわが世の春を謳歌。
しかしその源である「ドル基軸通貨体制」に反旗を翻す勢力が現れる。
まずイラクが石油の決済をドルからユーロへと替え、アメリカの逆鱗に触れる。
アメリカは、「大量破壊兵器」「アルカイダ支援」という口実を設け、ロシア・フランス・中国の反対を押し切って開戦。
イラクを崩壊させ、石油決済をドルに戻す。

ユコス事件でプーチンはアメリカの野望を挫き、アメリカは報復としてバラ革命でロシア周辺国に民主革命を起こす。
グルジア戦争も米ロの代理戦争。
さらにロシアはアメリカ打倒のため犬猿の仲であった中国と手を結び、上海協力機構を設立する。

漫然と新聞を読んでいてもわからない国際情勢の裏事情。
しかし決してガセネタではなく、事実を丁寧にニュースなどで補っている。
つまり正しいメガネをかけてニュースを見ていれば、きちんと裏事情もわかるというものらしい。
とは言え素人にはなかなか難しい。
せめてこういう本で勉強する必要がある。

ロシアばかりでなく、アメリカの行動もその理由が見えてくる。
そしてそのアメリカは次のターゲットとしてイランを虎視眈々と狙う。
緊迫を増すシリア情勢も、この本を読んだ後に眺めてみれば、中露の行動の理由が新聞の行間から透けて見えてくる。
この本はそういう目を養ってくれる。

第二次大戦における敗戦も、結局のところこうした国際情勢下での情報戦での敗北という意味合いが大きい事がわかってくる。
我々日本人はなんてナイーブなんだろうと思えてくる。
これからの時代、しっかりとした目を持つためにも、読んでおくべき一冊だと言えるだろう・・・

     
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2012年07月20日

【脱サラ農業で年商110億円!】鈴木誠



第1章 日本中に畑を増やし、農業を元気にする!
第2章 儲かる農業の可能性と限界の悩み
第3章 起業までの道
第4章 経営者としての信条
第5章 農業革命に懸ける!

サブタイトルに「元銀行マンの挑戦」とあるが、著者は元東洋信託銀行に勤めていた銀行員。
約10年務めた後退職し、ビジネススクールに2年間通い、起業したという経歴の人物。
今でこそ農業に進む人も増えているが、今から10年前にという事は随分と先見の明があったのだと思う。
ただし、戦略的に選んだというよりも、人との出会いの中から進んでいったようである。

第1章では今現在著者が携わっている事の簡単な紹介。
ただ畑で作物を育てているだけではなく、再生のような事もやっているらしい。
農家の問題点なども含めて著者の基本的な考え方がわかる部分である。

第2章は農業そのものの問題点。
特に価格交渉力を持たず、結果として零細な農家が多く、後継者も流出し先細りの危機を説く。
しかしながらやり方次第で何とかなるものとの説明もあり、また農協についても語られる。
意外な事に、著者は農協自体を否定していない。
是々非々で判断するという事のようである。

第3章は起業までの道。
ある意味この本で一番読みたかった部分でもある。
銀行員の立場からどういう経緯でまったく“畑違い”のビジネスに向かって行ったのかは、興味のあるところ。
結局のところ、そこは志という一言に収斂されていく。
それはそれで大いに参考になる所である。

初めのイメージとしては、どんな風にビジネスを展開しているのかという話が多いのかと思っていたが、意外にもそうではない。
農業についての全体的な話もかなりある。
それはそれで参考になるのだが、個人的な趣味からすると、具体的な日々の仕事振りに近い方が良かったと思う。

よく企業は「ヒト・モノ・カネ」と言われるが、著者はそのうち9割9分が「ヒト」であると言う。
人との出会いこそが、著者の今日を支えているようである。
それはある意味どの世界でも通じる原理なのかもしれない。

今後の日本の農業の将来を語る上で、規制緩和は必要だとの事。
特に法人の参入を阻む規制緩和を主張している。
傍から見ていても「農家を守って農業を守らない」ところが今の農業行政にはある。
現場の人が言うのだから、やっぱりそうなのだろう。

自伝的というよりも、農業について語った一冊と言える内容の本である・・・

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2012年07月14日

【お金の科学】ジェームス・スキナー



第1章 始めよう〜誰でも大金持ちになれる
第2章 引き寄せの法則〜お金持ちのマインド〜
第3章 受け取りの法則〜お金持ちの行動〜
第4章 人生の法則〜お金持ちの生き方〜
第5章 応用の法則〜あなたにもできる〜

最近はやりの「○○の科学」にあやかったタイトルだろう、そんな安易なネーミングに伸ばした手も引っ込みがちになるのだが、それでもあえて好奇心が勝り手に取った一冊。
「お金の科学」とあるが、これはお金の事を哲学的に語ったものではなく、すばり金持ちになる方法。
「お金にはルールがあって、そのルールに従えば誰でもお金持ちになれる」
やはり胡散くささが来てしまうが、あえて読み進める。

お金持ちになるにはまずマインドから。
世の中には無限の可能性が満ち溢れている。
求めよ、されば与えられん。
「二人の男がいて、一人は1億円を持っていた。
もう一人が家を建て、1億円で一人に家を売った。
富の合計はいくらか。
答えは2億円。
一人は1億円の現金を、もう一人は1億円の家を持っている。」
こうした考え方は、なるほど頷ける。

「ある会社の社長は、毎日のように従業員やマネージャーが『問題がある』と言って押しかけてくるのに辟易していた。
売上が落ちた、有能な社員が辞めた、クレームが来た・・・
ある時、ある発見をし、一つだけルールを作った。
『問題』という言葉を使うなというルールだった。
社員は反発し、では何と言えばいいのかと社長に尋ねた。
社長は答えた。
『仕事』と呼べ。」
プラスの言葉の効果という事だが、こういう挿話が理解の助けとなる。
思いは力となるという。

「運とは準備が機会に出会ったときに起こる現象」
「仕事をせよ。それはさらなる自由への門戸である。富に向けた道において、仕事をする一歩一歩が天地宇宙のあなたに対する借りを増やす。収穫の法則が必ず成就する。快く仕事せよ。信仰を持って仕事せよ。自分の生得権である富を受けるための経路を開ける意思を持って仕事せよ。そうすれば、すべてがあなたに与えられるに違いない。」

書いてある事は極めてまともで、トンデモ系・怪しげな金儲け系の欠片などどこにもない。
また、起業すれば大金持ちになれるという安易な説明でもない。
「どのような環境におかれても簡単に仕事に就く事のできる7つの原則」は誰にでも当てはまる。

1. 身の装いを大切にせよ。清潔感を保ち、自分の服装を正し、言葉遣いに注意せよ。
2. サービスの姿勢を常に心得て、もらう価値以上の価値を人に与える決意を示そう。
3. ほかの人の嫌がる仕事を快く引き受けよう。
4. 大きいことを任されたいと言う前に、小さいことを優秀にこなそう。
5. 常に新しいスキルを身につけるように努力し、自分の安心領域を超えた事柄に挑戦せよ。
6. 忠誠心の原則を実行せよ。ほかの人を脅したり、あなたとの関係を持ったがために損したというイメージを絶対に与えてはならない。
7. 自分の雇用のリスクを自分で負うことにより、雇用主の不安を解消せよ。業績ベースの報酬をいつでも歓迎せよ。

さらにアイディア一つなら誰にでも出せるし、それが実は意外な結果をもたらす事もあると続く。
「あるインターネットマーケターは、オウムに話し方を教える方法を説明する教材で大金持ちになった」などという例がわんさと紹介される。
アメリカでよくあるバイトの芝刈りも、工夫次第で同じ人より何倍も稼ぐことができるとその例を紹介する。

お金を稼ぐ具体的な方法だけに限らず、考え方も参考になる。
ネーミングなどはその好例で、「オーストラリアのへんぴな田舎のビーチが名前だけで一大ビーチリゾート『ゴールドコースト』に変わった」など、これも多数紹介されている。
やり方次第、考え方次第、そしてそれは誰でも可能な事だと、読み進めるうちに思えてくる。

「お金の科学」とあるが、大事なのは志。
どんな気持ちで日々の仕事に励み、どんな創意工夫をするか。
そんな当たり前の事に気付かせられる。
自分はまだまだだと深く反省させられる。
単なる金もうけ系とはまったく違う「お金の科学」。
一読の価値ある一冊である。

      
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2012年07月12日

【銀の匙】中勘助




先日読んだ 「灘中 奇跡の国語教室」で、取り上げられていたのがこの本。
この本を題材にして国語の授業が行われていたという事だが、果たしてどんな本なのかと思って手に取った次第である。
解説によればあの夏目漱石が「未曾有の秀作として絶賛」したとあるから、ますます興味が湧いてしまった。

「夏目漱石が絶賛」というくらいだから、この本は歴史も古い。
前篇と後篇に分かれているが、前篇が明治44年、後篇が大正2年というシロモノだ。
それゆえに文体も現代のものとは違い、多少の違和感を感じる。

物語はある少年の子供の頃の思い出だ。
ストーリーだけを追っていくと、他愛もない事が延々と続く。
肝はやっぱり文章なのだろうか。
違和感を感じる正体の一つは句点が少ないところだ。
当時の文章では自然だったのだろうか。

『伯母さんは「木の実どち」をして遊ばせるといって白玉椿の実を落としてくれたが目が悪いのと力がないのとでねらいをはずして枝葉ばかりたたき落とした。』
なんて感じなのである。
「木の実どち」って一体どんな遊びなんだと普通は思う。
それは『椿の種子のある決められた形のもののうちからいくつかをえらんでめいめいが同じ数だけ出しあい、それをいっしょにしてひとりずつかわるがわる両手のなかでふってから畳のうえにあけてみて、白い芽の痕が多く上に出たものを勝ちとして種子のとりっこをする』一種のゲームらしい。
なるほど、大正時代の素朴な香りが漂ってくる。

近所に越してきた女の子と出会うシーン。
お互い自己紹介をするのだが、そこで聞くのは干支。
『あたしも酉の歳だから仲良くしましょう』となる。
こんなシーンは思いっきり時代を感じさせるシーンだ。

今は失われてしまった日本の原風景の中で過ごす子供たち。
『こんだなにして遊びましょう』なんてセリフも、読み進むうちに味わい深くなってくる。
『かーごめ かごめ をしましょう』なんてセリフから、あの有名な子供の遊びはこの時代すでにあったのだとわかる。
夏目漱石が絶賛する理由は、はっきりとはわからないが、薄らぼんやりと感じられる気がする。

この本から発展させた国語の授業ってどんな感じだったのだろう。
改めて思った次第である・・・
     
    
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2012年07月08日

【熱意力闘】潮田健次郎




第T部 私の履歴書
第U部 潮田健次郎、経営を語る
第V部 父、潮田健次郎を語る

サブタイトルに「私の履歴書」とある通り、この本は住生活グループ創業者の潮田健次郎氏が日経新聞の「私の履歴書」に掲載したものを書籍化したものである。
残念な事に氏は昨年お亡くなりになっており、書籍化に当たっては本文の他に日記や子息などの思い出話を付け加えて一冊のページ数を稼ぐ形をとっている。
とはいえ、「私の履歴書」はもともとそれだけでも十分面白いので、満足感は高い。
創業者の創業ストーリーというのは、やっぱり血沸き肉踊るものがある。

人間何が幸いするかわからない。
幼少時に、当時死の病と言われていた結核に感染。
小学校6年から20歳近くまでサナトリウムで過ごす。
結果、小学校しか卒業できなかったが、しかしそのおかげで徴兵は免れ、戦後も健康に気を使いながらの生活を送る元となる。
それが後々経営者としての生活に生きてくる。

戦後の混乱期、家業の建具屋を手伝う。
やがて父の経営手法に限界を感じ、自らの才覚で商売を広げていく。
小学校しか出ていないという劣等感は、向学心の元となり本を読んでは謙虚に学ぶべきところを学んでいく。

決して恵まれた環境ではなかったと思うが、やはり成功者というものは目の付けどころ・感性といったところが普通の人とは違う。
融通手形で資金繰りを凌いだなどという話は、銀行の人間としては顔をしかめてしまうが、うまく乗り切っていく運も持ち合わせているのではないかと思う。

創業時代の苦労はだいぶ続いたようで、常に崖っぷちの様子が伝わってくる。
それでも必死の毎日を過ごし、片手間の勉強も欠かさない。
ドラッカーの本を読み、セミナーに通う。
こうしたスタンスは、見習うべきところがある。

会社はトーヨーサッシとして大きくなって行くが、奢ることなく経営に邁進。
宴席なども断っていたという。
それでも危機は次々と訪れ、それを創意工夫と現場重視の考え方と、学んだ事を活かして乗り切っていく。

上場、M&Aと会社が大きくなっていく成功物語は、読む方にも熱いものが伝わってくる。
タイトルにある「熱意力闘」そのままである。
情熱を持って何かに没頭した時、その思いは成就するものなのだろう。
自分はそんな思いで日々を過ごしているのだろうかと考えると、大いに反省させられる。
氏のような大人物にはなれずとも、スタンスだけは見習いたいと思わせられる一冊である。

    
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2012年07月06日

【坂の上の坂−55歳までにやっておきたい55のこと−】藤原和博



第1章 世の中を信じる
第2章 幸せは自分の中にある
第3章 “いい子”は、もうやめる
第4章 会社を利用し尽くす
第5章 消費の作法
第6章 コミュニティをシフトする
第7章 パートナーと向き合う
第8章 死とお金を考える
第9章 本当に必要な備えをする

著者は初の民間出身の公立学校校長として名を馳せた人物。
そう言えば、その後どうしていたのだろうと興味を抱いた。
どうやら校長を辞めた後も、大阪の橋下さんに協力したり、本を書いたりと健在であったようである。

タイトルは有名な司馬遼太郎の「坂の上の雲」から来ている。
あの時代、坂を登れば見上げる雲があった。
しかし今はそこにまた次の坂がある。
そんな時代を生き抜く人たちへのメッセージ集である。

サブタイトルにある通り、中味は55のメッセージにまとめられている。
「生きた証は会社ではなく、家族に記憶される」
まあ当たり前なのだが、会社は自分を記憶してくれないというのは改めて認識させられる事実だ。
そして続けて、「サラリーマンの最大のリスクは上司だ」という部分は実に含蓄に富んでいる。

「外国人にも理解できるよう、履歴書を書いてみる」
これは多少の経験がないと気づかない事だろう。
「何ができるのか」
「何が目的か」
ただ履歴書を書くだけではなく、こういう視点は新鮮だ。

「会社以外のコミュニティを早めに探しておく」
「まずは名刺を出さない練習から」
55歳からとあるように、このあたりは定年予備軍向けのアドバイスだが、まだ予備軍に至っていなくても心得ていたいところだ。

「『二人主義』の準備を、早めに始める」
定年後は奥様との関係が重要だ。
定年になったらなどと言っていると、その時には奥様はもうすっかり準備していておいていかれてしまうという指摘は鋭い。

そして最後は死を意識する。
生命保険などもう不要。
車さえも見直しの対象だという。
このあたりはヨーロッパで生活した経験が生きているようだ。

いろいろとバラエティに富んだ人生から得られたモノがベースとしてあるのだろうが、さすがに耳を傾けるだけの価値はある。
ベストセラーにはきちんと理由があるのだとわかる。
いずれやってくる時に備えて一読の価値はあると思う。
やっぱり準備が大切だと思わせられる一冊である・・・
    
posted by HH at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス/人生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする