2014年01月12日

【ソロモンの偽証 第U部 決意】宮部みゆき 読書日記395



『ソロモンの偽証 第I部 事件』に続く第U部。
前回は事件のイントロ。城東第3中学校の屋上から一人の生徒柏木卓也が飛び降りて死んだ事に端を発し、物語が進展する。ついにはもう一人の同級生浅井松子が事故死するに至り、主人公藤野涼子はある決意をする。

時に1991年夏。
3年生の卒業課題として、自分たちの学校で起こった事件の疑惑を晴らすべく、藤野涼子は学校内裁判を提唱する。果たして柏木卓也は、自殺なのかそれとも大出俊次に殺されたのか。中学生の裁判に、何の拘束力もないのは事実ではあるが、自分達で疑惑を晴らそうというもの。

始めは、誰も嫌われ者の大出俊次の弁護などやりたがらないだろうと、涼子自らが弁護人を希望する。しかし、そこに柏木卓也と同じ塾に通っていたという神原和彦が現れ、弁護人となる。先生たちの反対を押し切り、裁判は実現に向けて動き出す。夏休み中の5日間、学校の体育館で開かれる学校内裁判。第U部は、そこに向けた生徒たちの動きが綴られていく・・・

なかなか面白い発想のストーリー。気がつけば715ページを一気に読んでしまっていた。この手の小説を読む場合、普通は主人公に感情移入し、あたかも自分が主人公になったかの如くストーリーを追いかけるものなのかもしれないが、さすがに中学生が主人公となるとそうもいかない。「大人の目」で物語を追いかけてしまう。

そうすると、必然的に気になってしまう。みんな中学生なのに、やけに実際の裁判の事に詳しいな、と。あたかも実際の裁判官や検事や弁護人の如き言動。自分のような49歳のおじさんだって言えないような言動が出てくると、どうも中学生という設定に違和感を覚えてしまう。

そこは「頑張って」気にしないように努めて読み進めていく。物語には当然大人たちも登場する。藤野涼子の両親。父親は警察官である。津崎校長、担任の森内先生。ジャーナリストに大出俊次の両親に弁護士。そして重要参考人となる三宅樹里の両親。大人たちの言動は、感情移入とは別に、「よく理解できる」。さすが大人同士。

いつのまにか、子供たちの学校裁判を見守る立場で読んでいる事に気づく。順調に進むかに思われた裁判だが、何だか思わぬ方向に進んでいきそうな気配が漂う。この先はまた続く。引き続き、第V部に期待したいと思う一冊である・・・








posted by HH at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする