2014年02月27日

【じゃ、やってみれば】阿部秀司



SCENE 1  「強い意志」「素早い行動」「ちょっとしたチャンス」で道は開く
SCENE 2  「ヒットの方程式」はないが、限りなく近づけることはできる
SCENE 3  ものづくりは、すべてディテールからはじまる
SCENE 4  思いは最善の手段によって、伝わる・広まる
SCENE 5  「才能を見抜く」「人を育てる」正解はないが、基本はある
SCENE 6  クリエイティブとビジネスの最大公約数を求める

著者は映画プロデューサー。
「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズを製作した株式会社ロボットの創業者である。
そんな著者の想いが綴られた一冊。

学生時代のバイトが高じて広告代理店に入る。
クリエイティブな仕事がしたかったのに、営業に回された1年目。
直談判しに行った取締役に諭されて、営業の仕事を続ける。
「どうすればいいのか?」と自問し続けて、認められてクリエイティブ部門への配属を勝ち取る。

やがて、組織にも慣れたが、独立してROBOTを創業する。
CM制作を行っていたが、会社をブランドにしたいと思い、そのためには映画を作りたいと決意する。
周囲にずっと意思表示をし続けていたら、クリエイターの岩井俊二と出会い『Love Letter』を制作する事になる。

そんな自伝的な部分に、映画界についての意見が重なる。
昭和33年をピークに下がり続ける日本の映画人口。
それでも国内だけのマーケットで食べていけてしまう。
初めから国内だけでは食べていけないから、アジアや世界を意識して作られる韓国映画。

予算がつぎ込んでも10億円までの邦画に対し、ハリウッド映画は100〜200億円が投じられる。
お金がすべてではないが、クオリティにはお金がモノを言う。
専門家からのそんな意見には、なるほどと思わせられる。

また、邦画は、「リスクを回避するために売れると思う要素を詰め込んだだけの映画」が増え、「真にオリジナリティのある新しい映画」に挑戦する事が少なくなってきていると指摘する。
それは素人の私でも感じるところ。
安易なドラマの映画化や、ヒット小説家の作品の映画化がやたら多い。

そんな著者だからだろうか、それまでまったくなかった昭和レトロの映画を作りたいと思い立ち、「ALWAYS三丁目の夕日」を実現させていく。
山崎監督との二人三脚の話は、映画通にはなかなか興味深い。
その他、ROBOTが携わった映画の数々。
それと知らずに観ていた映画が多い。

「Returnerリターナー」
「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」
「SPACE BATTLE SHIP ヤマト」
「ワイルド7」
「踊る大捜査線」シリーズ
横文字のタイトルがお気に入りの様子。
今度タイトルとエンドクレジットには注意してみようと思う。

映画の話、そして世の中に広く当てはまりそうな話。
一人のクリエイターの心に響く話が、心地良い一冊である・・・


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2014年02月20日

【俺のイタリアン俺のフレンチ】坂本孝



第1章 空前の繁盛店、「俺のイタリアン」誕生
第2章 2勝10敗の事業家人生
第3章 ブックオフが1企業になれた理由
第4章 稲盛和夫氏の教えと、私の学び
第5章 「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」は進化する
第6章 「物心両面の幸福を追求する」決意表明
第7章 業界トップとなり、革新し続ける

「行きたい、行きたい」と思っているものの、ついつい都合の合うメンバーがいないのと、行列必須という状況から行かないままになっている「俺のイタリアン」。
その創業者の著作という事で、手に取った本である。

著者はブックオフの創業者としても有名。
されど自ら手掛けたブックオフから、信じられないような不祥事で退任する。
そこから一転して飲食業界に進み、またまた大成功を収めてしまうところは、凄いとしか言いようがない。

「俺のイタリアン」のビジネスモデルは、実にシンプル。
20坪の狭い店内は立ち食い形式で、その代わり三ツ星レストランで腕を振るったシェフによる本格的な料理を安い料金で堪能できるというもの。

良い食材を使えば値段を上げないと採算は合わない。
しかし、これを「回転率を上げる」事で採算を確保する。
何と原価率88%でも利益を出せるのだという。
ゆっくり座って食べられないという点を除けば、有名レストランで高いお金を払わないといけない料理がリーズナブルな価格で食べられるという魅力がある。

なんとなく、有名店のシェフが立ち食いレストランになんか“都落ち”してくるのかと思いきや、自由裁量が制限されている有名店より、自ら思う存分自由に腕を振るえる方が、料理人の心を満たすらしい。
それに苦労人の著者だからだろうか、事業を大成功させた奢りのようなものが感じられない。
自らの手柄を誇るよりも、従業員の満足を高め、そしてそれによってお客様の満足を高める事を最優先して考えている。
稲盛塾の利他の行為を実践している姿に、「こんなところで働きたい」と思わされる。

ユニクロの柳井さんは、「1勝9敗」だそうだが、著者は「2勝10敗」だという。
事業とはそれだけ難しいのだろうが、10敗の苦労も(語られてはいないが)、大変だったのだろうと思う。
読んでますます「俺のイタリアン」に行ってみたくなった一冊である・・・
    
   
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2014年02月11日

【「経営」が見える魔法のメガネ】坂根正弘



1時間目 「ダントツ経営」への道 「ないと困る」会社を目指せ
2時間目 「見える化」が強くする 本質を見極める力を養え
3時間目 為替に負けない生産 日本の強みをフル活用
4時間目 世代を重ねて進化する 有言実行が強さを生む

コマツと言えば、ブルドーザーというイメージがあるが、建機メーカーとして今や世界的にも代表的な存在である。
著者は、そのコマツの元社長・会長、現相談役である。

著者が社長に就任した2001年、コマツは存亡の危機にあった。
著者は「見える化」と称する『客観的に数字を見て、問題がどこにあるかを突き止め、解決するための手立てを考える事』を行う。
「本質が見えれば、問題の半分は解決したようなもの」だからだが、意外とこれは簡単そうだができていないところは多そうな気がする。

生き残っていくため、世界1のキャタピラーに対抗していくため、著者が目指したのは「ダントツ経営」。
コマツは製造業ゆえに、基本は技術と商品。
すなわち、ライバルの追随を許さない圧倒的に強い商品を作る事を目指す事がその内容。
対象をブルドーザー3種に絞り、2年でキャタピラーに負けない商品を作り上げてしまう。

いくら商品が優れていても、やがてそれは追いつかれてしまう。
次に求めたのは、「なくては困る」会社。
「見える化」でもあるが、コマツのブルドーザーには、「コムトラックス」というGPSがついていて、世界中のブルードーザーの管理が出来るようになっている。
これは単に位置情報だけでなく、盗難を防ぎ、燃料など個々の車輛の状況もすべて把握できるというシロモノ。
これによって限りない利便性を提供している。

製品以外にも、著者の考え方は大いなるヒントを与えてくれれる。
非正規雇用社員の存在が、日本企業に大いなる力を与える事。
雇用調整が容易なアメリカの雇用制度だが、その流動性の高さがいかに結果として雇用を高める事に役だっているか。
共産党あたりが大好きな“守る”雇用形態が、逆に全体の雇用にマイナスに働くという説明には、なるほどと思わせられる。

TPPも守るだけでは、農業で日本は勝てないと喝破する。
「もしコマツが農業を任されたら、ICT(情報通信技術)を駆使し、仕事の負荷を下げつつ生産性を向上させ、高い品質を武器にアジア市場に攻め込む」と言う。
おそらく、可能に違いない。
こうした発想は、農協を中心とした“守る”思想からは出てこない。
そうした“守る”思想こそが、我が国が直面している問題ではないかと思わせられる。

薄い本であるものの、中味の濃い、いろいろなヒントに溢れた一冊である・・・
   
   
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2014年02月10日

【新幹線お掃除の天使たち】遠藤功



プロローグ:なぜ新幹線の車両清掃会社がこれほど私たちの胸を打つのか?
第1部 「新幹線劇場」で本当にあった心温まるストーリー
第2部 「新幹線劇場」はどのように生まれたのか?

JR東日本のグループ会社である鉄道整備株式会社、通称テッセイ。
その会社を採りあげた一冊。

掃除の効果は、あらゆるところで語られている。
元祖とも言うべき、イエローハット創業者の鍵山秀三郎氏の 「掃除道」を始めとして、 「なぜ『そうじ』をすると人生が変わるのか?」や新宿での清掃活動の顛末を語った 「半ケツとゴミ拾い」なども掃除の効果を語っている。
この本では、掃除そのものというよりも、むしろ「掃除をする人たち」に焦点を当てている。

東京駅などで新幹線が入ってきても、すぐには乗りこめない。
乗っていた乗客が降りた後、短い時間で車内清掃が行われる。
普段、当然だと思って深く考えもしなかった。
しかし、テッセイの「エンジェル」達は、礼に始り礼に終わるを実践し、短い時間でスピーディに清掃をこなす。

そんな会社も初めからそうだったわけではなく、矢部専務がJR東日本から転勤となり、そこから一つ一つ改善していったという。
「テッセイをトータルサービスの会社にしたい」という思いから、まずは「コメットさん」と呼ばれるホーム・コンコース内の案内・清掃係を作る。
中には反発する人もいたが、特にやる気のある二人を育て上げる。

それまで見向きもされなかった“働く環境”を整備し、内部組織を統合する事で一体感を高め、人事制度を変更して正社員への門戸を開放し、やがて組織は変わっていく。
現場でのエピソードを集めた「エンジェル・リポート」を集めた第1部は、心温まるエピソードで溢れかえる。

たかが掃除。
されど掃除。
ここまでその効果を見せつけられると、完全に感服してしまう。
掃除だけを説いた本ではないが、今度新幹線に乗る時は、ちょっと車内清掃の様子を注意して見てみたいと思わせられる一冊である・・・

   
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2014年02月09日

【模倣の殺意】中町信



第1部 事件
第2部 追求
第3部 展開
第4部 真相

最近、読書に凝っている我が父。
そんな父が読み終えた文庫本を実家で見つけ、借りてきたのがこの本。
帯にはデカデカと、表に「これはすごい!」、裏に「騙されずに見破れますか?」と書かれている。
そんな謳い文句に、興味深々で手に取ったミステリー。

物語は、作家の坂本正夫が自殺するところから始る。
編集者で、作家の瀬川恒太郎を父に持ち、坂本の婚約者でもあった中田秋子がその死に疑問を持つ。
そして密かに死の真相を探り始める。
一方、ルポライターの津久見伸助もまた坂本の死の真相が気になり、独自に調査を始める。

物語は、中田秋子と津久見伸助の動きを交互に追う形で展開されていく。
几帳面に起承転結の形で段落分けされ、二人の動きが丹念に描かれる。
時折、違和感を覚えるのが時代設定。
パソコンを使わず、あらゆるところで煙草をくゆらせ、挙句に「国電」という言葉が出てくる。
解説を読んで初めて昭和46年の作品だとわかる。

古いミステリーだから色褪せているというつもりはまったくない。
しかし、主人公の二人が坂本正夫を他殺と決めつけ、いきなり赤の他人を犯人呼ばわりする展開は、どうもすんなり受け入れられない。
自然な展開とはとても言い難い。
瑣末な点を挙げて文句を言うのはつまらないが、ミステリーにおいて(一般の小説でもそうだが)自然な展開というのが、何よりもストーリーを盛り上げる要素だと思う。

さらには、もったいぶって最後に描かれる結末には、確かに「これはすごい!」と唸らされる。
しかし、その「凄さ」というのは、つまらないという意味でだ。
この程度の結末の何が凄いのかと思ってしまう。
帯を書いた人が本気でそう思っているのなら感性を疑うところだが、それなりの人なのだろうからたぶん身内でかばい合っているのだろう。
いずれにしても呆れてしまう。

野球に例えて言うなら、大打者との対決にあたり、自信満々のピッチャーが「絶対打てない魔球を投げる」と豪語した上で、投げたボールがとんでもない暴投!
とでも言えるだろうか。
確かに、打てない。
しかし、それですごいという人がいるだろうか。
ある意味すごいし、誰にも予想できないという意味では、このミステリーもそうである。

東野圭吾のような洗練されたミステリーをお望みの方には、はっきり言って駄作だが、ゲテモノ好きには堪らないかもしれない。
そんな人にはオススメの一冊である・・・
    
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2014年02月06日

【世界一わかりやすい在庫削減の授業】若井吉樹



1限目 くさった在庫は捨てよう
2限目 売れているものと売れていないものを分けよう
3限目 売れる商品には手間をかけよう
4限目 売れ筋以外は手間をかけずにいこう
5限目 トラブルに強い在庫削減の方法
6限目 入荷条件の「当たり前」を見直す
7限目 本当の売れ行きをつかもう
8限目 今までと違った形で在庫を持とう
9限目 身近なコンビニに見る在庫削減

昨年、 「世界一わかりやすいコスト削減の授業」という本を読んだ。
これは、その同じ著者による同系統の本。
ちょうど在庫削減について、いろいろと考えていたので、何か参考になりはしないかと手に取った次第である。

「世界一わかりやすいコスト削減の授業」もその名の通りわかりやすい本であったが、それはこの本も同じ。
ストーリーは、大量の在庫を抱えてしまったヤマヅミ商事が、コスト削減によって5,000万円の利益を捻出しようとするもの。
具体的な例に従って、授業が進んでいく。

まず「在庫は日数で考える」とある。
さんまを例にして、同じ150匹の在庫も、一日100匹売れる店と20匹しか売れない店では意味合いが大きく異なる。
このあたりは、基礎的なセオリーである。

在庫は抱えているだけでコストがかかる。
倉庫代、金利、人件費などである。
したがって、廃棄する事も負担軽減になる。
そしてそれをコントロールするには、まず「入り」から。
そして発注方法へと移るのであるが、従来の教科書的な方式を
@予測方式(定期発注方式)=生協の宅配
Aボーダーライン方式=お米の買い方
Bツーボックス方式=煙草のまとめ買い
C満タン方式=ガソリンの補充
Dかんばん方式=本に挟んである注文カード
E後払い方式=富山の置き薬
とわかりやすい喩えとともに説明している。

どの方式を使うかは、扱うモノの内容による。
例えば、
@毎日平均して売れる
A注文する商品はどこでも扱われている
B毎日必要なだけの注文数に応じてもらえる
C毎日注文してから毎日配達してもらえる
D注文から入荷までの日数が短い
という条件を満たすものであれば、かんばん方式が良いといった具合に解説される。

在庫は必ずしも自社内だけというものではない。
「津波のように遅れてやってくる情報」として、流通在庫の事が説明されている。
店頭で売れ行きが鈍っても、その情報は流通をすぐに伝わらず、したがって製造元に伝わる頃には、流通在庫が溜まってしまっいるという具合。
このあたりは、なるほどと思いながら読み進める。

「今までと違った形を持つ」では、半製品の形で持つ事により、色違いの在庫を抱えるリスクを回避する。
コンビニの在庫削減の例は、身近なところの良いお手本である。
内容的には、基本的な事であるが、考えてみれば在庫削減などは基本的なものをいかに基本通りにやるかだから、こういう内容になるかもしれない。

ヤマヅミ商事は家電の卸問屋であったが、ここでの在庫は「生きている」在庫。
もう市場では売れない在庫ではどうにもならない。
それこそ破棄してコストを削減するしかない。
著者の本はこれで2冊読んだが、読みやすくわかりやすい。
難しい事をやさしく説明するのに、良い例であると言える。
基礎的な本であるが、学びの大きい一冊である・・・



    
    
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2014年02月02日

【GILT】アレクシス・メイバンク/アレクサンドラ・ウィルキス・ウィルソン



第1章 キャリアと友情
第2章 アイデアを練り上げる
第3章 ビジネスパートナーを選ぶ
第4章 タイミングを計る
第5章 ネットワークをつくる
第6章 eコマースの売場を改装する
第7章 資金調達はアートだ
第8章 バイラル・マーケティングで顧客獲得
第9章 草の根作戦
第10章 優秀な人材を集める
第11章 危機をバネにする
第12章 私たちらしいリーダーシップのスタイル
第13章 超成長の反動をどう乗り切るか?
第14章 これからのギルト・グループ これからのファッションeコマース

ハーバード出身の二人の女性、アレクシスとアレクサンドラが創業したインターネット・ビジネスの成功物語。

アレクシスとアレクサンドラは大学院時代からの親友同士。
女性らしくファッションに興味があり、招待客だけに限定されるブランド品在庫処分セール『サンプルセール』を共通の趣味としていた。
彼女たちに3人が加わり、共同創業者として、インターネットで『サンプルセール』を行うギルトを立ち上げる。

当時すでにフランスでは中間層向けブランドを扱う事業者が存在しており、アレクシスは自らのアイディアに自信を持っていた。
エンジニアのケビンとアイディアについて話し合い、チームを作っていく。
この時、アレクシスがアドバイスを求めた父親の回答が参考になる。
10のチェックリストと称したその一部。

1 コンセプトを信じているか
2 創業チームを信頼しているか
3 チームの中であなたにしかない能力を発揮できるか
6 失敗したときの心構えはできているか
7 パートナー(配偶者)は支えてくれるか
9 得るものはあるか

さらに、ビジネス・パートナー選びのチェックリストも参考になる。
1 逆境にある時のパートナーを見たことがあるか
2 会社に求めるものが共通しているか
3 会社に注ぐエネルギーと倫理観に差はないか
4 喧嘩できるか
5 相手に不安を感じたり、関係に黄信号がともったりしていないか
6 性格的に互いにないものを補いあえるか
7 楽観主義者か、それとも悲観主義者か

事業がうまくいくかどうか、そのチェックリストも重要。
1 親友にコンセプトを一文で説明できるか(聞かされた親友はそのコンセプトを反復できるか)
2 コンセプトはすでに市場で何らかの形で存在しているか
3 ターゲットとする市場はアイデアを受け入れる準備が整っているか
4 過剰投資の前に、アイデアをテストして確認できるか
5 このアイデアを実行するのにもっともふさわしい人物は誰か

ギルトのアイデアが形になり、最初のセールが成功裏に終わる。
しかし、スタートアップはそれで終わりではない。
すぐに、「次」が求められる。
規模が拡大すれば、資金が必要になる。
保管には倉庫が必要だし、オーダーを受けてスピーディかつ正確に発送する必要がある。
返品にも対応できないといけない。
さらに規模が拡大すれば、せっかく築きあげたものが機能するためにはもう一段のランクアップが必要となる。
1,000人の会員に商品を供給するのと50万人の会員相手ではまったく異なってくる。

こうした成長をトレースできるという意味では、この本は面白い物語であり、起業の参考書でもあると言える。
ファッションには疎く、ギルトの事はまったく知らなかったが、ギルト・ジャパンもオープンしているようであり、今度会員になって覗いてみようかという気になる。

誰でも一度は起業という事を考えるだろう。
そんな時、起業にはどんなリスクや壁が立ちはだかるのか、どんな事が成功要因になるのか疑問に思うだろう。
この本はそんな疑問に対する参考になる。
この本を読んで一つだけ成功要因を挙げろと言われたら、「仲間」という事になるのだろう。
大いに学びとなり、刺激となる一冊である・・・

    
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2014年02月01日

【中国人にエアコンを売れ!】高橋基人



第1章 ダイキン成功の秘訣
第2章 中国ビジネスの落とし穴
第3章 ニセモノ商品を撲滅せよ
第4章 中国人とのつきあい方

著者は元ダイキンの初代中国部長。
中国でのダイキンの販路を築いた体験談をまとめたのがこの本。
初版が2005年とちょっと古いが、本質的な部分は変わらないだろうから、中国ビジネスとはという事を知る一つの参考になる。

ダイキンはライバルよりも遅れて市場に参入する。
しかし最先端の機器を持ち込む事によってライバルと差別化を図る。
そして通信・学校・病院などの有望市場を果敢に攻略。
これらの市場でシェアトップへと躍り出る。
さり気なく語られているが、著者はかなり創意工夫のできるビジネスマンだと思う。

中国と一口に言うが、実は中国は一つではない。
ヨーロッパ全土よりも国土は広く、省が変われば別の国と思ったほうがいいとされる。
そんな中で成功するための秘訣も語られる。
契約書は厳密に、「工会」(組合)と「地域対策」は慎重に、情けは無用・・・

後半はダイキン成功の秘訣のような内容ではなく、中国の解説、中国でビジネスをするにあたっての注意点の説明となっていく。
成長著しいハイアールの事、日系企業の中国人求職者に不人気な訳、安いレイバーコストの裏に潜むもの。
人治国家と言われる所以、ノウハウではなくノウフー等々。

いろいろと詳しく書かれているが、行間から漂ってくるのは著者の熱意。
それゆえに、中国人の中に飛びこんで行って掴み取ってきたものの大きさを感じさせられる。
ただ中国に行って仕事をこなすだけではなかったのだろう。
どこの世界でも、結局は人対人という事なのかもしれない。
単なるノウハウだけではないものを感じる。
中国ビジネスを簡単に理解するだけの本と捕えてしまうのは、惜しい本だと思うのである・・・
    
posted by HH at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ドキュメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする