2014年09月30日

【ルールを変える思考法】川上量生



第1章 いちばんリアルなゲームは「現実世界」で見つかる
第2章 ビジネスというゲームで大切なこと
第3章 人を惹きつけるコンテンツのつくり方
第4章 マネジメントで大切なことはゲームが教えてくれた
第5章 「特別鼎談」ゲームがうまい人間は頭がいいのか
第6章 ネットの発達は人間をこう変えていく
第7章 「できるかもしれない」と思うことからすべては始まる

著者は、潟hワンゴの創業者であり、現会長。
名のある企業の創業者の本となると、それだけで読んでみたいという気にさせられる。
この本もそんな興味から手に取った次第である。

潟hワンゴと言えば、漠然と「ニコニコ動画の会社」というイメージがあったが、もともとはPC通信用の対戦ゲームのシステムを開発する会社として設立されたものらしい。
ニコニコ動画も本体ではなく、子会社でやっているらしい。
いずれにせよ“わかりにくい”ネット企業の1社である。

TVゲームならともかく、最近若者達がやっているようなネット用のゲームとなると、皆目わからないし、興味もない。
そんな自分だからだろうか、内容に今一つついていかれない本であったというのが正直なところ。
『ブラウザ三国志』と言われて知らないし、「オンラインゲームの中で、『同盟』や『ギルド』を率いる能力は、現実社会で組織を束ねていく能力とそれほど変わるものではありません」と言われても、イメージができない。

ドワンゴ創業前のパソコン通信時代の話にしても、知らない単語が並ぶ。
「アスキーネット」、「junk.test」、「ブルースター」、「Bio100%」
そもそも一番有名なニコニコ動画でさえ、「コメントがダラダラ流れて煩わしい」と思っており、積極的に見たいとは思わないくらいである。

最近、「ブロマガ」なるものを始めたらしいが、当然それも良く知らない。
それを元に「正しいビジネスの順番」を語られてもそういうものなのかと思うだけで、ピンとくるものはない。
極めつけは、「特別鼎談」と称した著者とゲーマー社員との対談である。
「あの頃はこうだった」などという話がダラダラ続くだけで、ゲームに興味のない人間からすると、読むのも苦痛である。

要はスポーツの世界でも「日本人は真面目にルール内で一生懸命勝とうとし、欧米人は自分達が不利なら有利なようにルールを変えてしまう」ということをゲームに置き換えたタイトルであり、あとはゲームの内輪話がほとんどである。
譬えれば、ふらりと入った飲み屋で常連ばかりで居心地の悪さを感じるようなものであろうか。

本にするなら、その世界に精通していなくても何か参考になるような事が書かれているのが理想的だ。
同じネット企業の代表者でも、DeNA(『不格好経営』)と比べると、参考になるかどうかという点では、天と地ほどの違いがある。
残念ながら得るモノのなかった一冊である・・・
   
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2014年09月29日

【色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅】村上春樹



村上春樹の小説は、『1Q84』以来、2冊目である。
『1Q84』のテイストが気に入っており、またベストセラーともなっていた事から、この本にも手を伸ばした次第である。
随分変わったタイトルだなというのが、第一印象。
一見して内容が想像できないタイトルというのも村上春樹の作品の特徴である。

主人公はタイトルにある多崎つくる。
36歳で独身のつくるは、大学の時に名古屋から上京。
大学を卒業後、鉄道会社に就職し、子供の頃からの夢だった駅を“つくる”仕事をしている。

そんな多崎つくるは、大学2年の時、死ぬ事ばかりを考えていた。
高校時代から仲の良かった5人組のメンバーになっていたが、高校卒業後、他の4人から突然交友を断たれたのである。
理由もわからず途方に暮れ、空虚な時間を過ごし、何とか死の淵で踏みとどまる。
以来、彼の中で何かが変わる。

5人組の他のメンバーは、クロ、アカ、アオ、シロというニックネームを持ち、つくるだけ“色”がなかった。
大学の時、唯一交友のあった灰田も、やはり“色”を持っていた。
2歳年上の恋人沙羅から、過去と折り合いをつけるように勧められたつくるは、16年振りに4人に会うことを決意する・・・

折に触れ背景に流れるのは、リストの『ル・マル・デュペイ』。
『巡礼の年』と題する曲集に納められている曲らしい。
小説だから実際に聞くことはできないが、読んでいるうちに聞いているような気になってくる。
そして現代では、実際に聞こうと思えばYoutubeで簡単に聞くことができる。
こうして読み進むうちに、謎だったタイトルの意味がわかってくる。
過去に向き合うために旧友を訪ねるつくるの巡礼の旅に、読む者も同行することになる。

読み終えて思うのは、「これはストーリーを追う映画ではない」という事。
ストーリーは、面白いと言えば面白いが、それが本筋ではないだろう。
かといって、小池真理子のように美しい表現を楽しむというものでもない。
つくるとピッタリと寄り添い、彼の思考を通して何かを感じるというものだろう。

つくるの性格は自分とはかなり異なる。
だから共感はできないが、ただ彼の身に起こる事を見て感じることはできる。
それがこの小説の味わいだと思う。
ストーリーはある火曜日で終わる。
読んでいると、どうしても次の日のことが気になってしまう。
それもまた味わいなのかもしれない。

ゆっくりと続きを想像してみたい小説である・・・

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2014年09月24日

【ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく】堀江貴文



第0章 それでも僕は働きたい
第1章 働きなさい、と母は言った−仕事との出会い
第2章 仕事を選び、自分を選ぶ−迷い、そして選択
第3章 カネのために働くのか?−「もらう」から「稼ぐ」へ
第4章 自立のある先にあるつながり−孤独と向き合う強さ
第5章 自分が働く本当の理由−未来には希望しかない

著者は元ライブドアのホリエモン。
自らの半生を振り返りつつ、自分の考えを語った一冊である。
ホリエモンには実はもう著書が50冊近くあるようである。
そう言えば以前、『稼ぐが勝ちゼロから100億、ボクのやり方』といういかにも著者らしいタイトルの本があったのを覚えているだけで、これが初めて読むホリエモンの本という事になる。

ライブドア事件で懲役刑となり、長野刑務所に収監されたホリエモン。
東京拘置所では面会が許されず、孤独のあまり警務官のちょっとした優しさに触れて号泣したエピソードが書かれている。
このあたりは、世間を騒がせた騒動から一転しての知られざる事実であり、興味深く読む。

すべてを失ったホリエモンであるが、“ゼロ”の状態に戻ったが「意外に清々しい」と語る。
「失敗してもゼロというスタートラインに戻るだけ、人生にマイナスなんて存在しない」と言うが、このあたりの考え方には納得できる。
人を殺せば別だが、ホリエモンの場合はそう言っても問題はないだろう。

「自分を変え、周囲を動かし、自由を手に入れる唯一の手段、それは“働くこと”なのだ」と語る言葉に、大いに惹きつけられる。
これまで抱いていた『稼ぐが勝ちゼロから100億、ボクのやり方』のイメージとだいぶ違う。

両親はちょっと変わった人だったらしく、福岡から東京へたった一度の家族旅行のエピソードからそれは伺える。
もともと集中力は凄く、興味を持ったコンピュータの世界には、中学生の頃に既にハマったという。
経営者としてのイメージが強いホリエモンであるが、実はかなりのプログラマーらしい。

そして田舎を抜け出したくて、親を説得するには東大に行くと言うしかないと東大を受験し、そして合格してしまう。
学校での成績は、202人中199番だったというから、驚くべきは“やる時”のエネルギーの凄まじさだろう。

そんなホリエモンにも苦手はあって、男子校にしか通っていなかったため、大学では女の子とまともに話せなかったと言う。
慣れていれば“何でもないこと”もホリエモンには相当ハードルが高かったらしいが、それは独立を躊躇するサラリーマンと同じだという喩えは面白い。
結局、それは「自信」の問題で、自信を形成するための経験が圧倒的に不足しているのだという説明には大いに説得力がある。

ヒッチハイクで全国を旅し、「その経験から人の一生は小さな選択の積み重ねによって決まってくる」と言う。
「チャンスは誰の前にも平等に流れてくるが、躊躇なく飛びつくことができるか、が問題」
よく言われる事だが、確かにそうなのであろう。
「チャンスを見極める目なんて関係ない」
多くの人がそう考える事ができず、だから考えられる人が成功するのだろう。
「すべては“ノリの良さ”から始まる」のだと。

あなたは何のために働くのか。
ホリエモンは「今も昔もお金が欲しくて働いているわけではない」と言う。
「お金を“もらう”だけの仕事を、お金を“稼ぐ”仕事に変えていこう」
刑務所での単純作業でさえ、ホリエモンは工夫をこらしていく。
「仮説を立て、実践し、試行錯誤を繰り返す。そんな能動的なプロセスの中で、与えられた仕事は“つくり出す仕事”に変わっていく」

仕事は好きになる事が大事だが、それには没頭すること。
仕事に没頭するからその仕事が好きになると言うが、確かにその通りなのだろう。
刑務所で1,000冊の本を読み、孤独と向き合い、“諸行無常”を悟る。
働くことは自由へのパスポートであり、世の中の空気を変えたいとの言葉は熱い。

ライブドアは結局、何の会社かよくわからないところがあったが、「自分の本質なんて決める必要もない」という考え方から、それは来ていたようである。
今はロケット開発もやっているらしい。
「スピードと実行力」が何よりも重要だと語る。

ライブドア事件では裏切りもあったらしい。
しかし、そうした恨み事は一切出てこない。
「人生にマイナスなんてない」と言うのは、そういうところからもあるのかもしれない。
ホリエモンは、非常に頭が良いのだろうが、それだけではない。
考え方そのものが重要であり、そうした考え方がある限り、何度ゼロに戻ってもあっと言う間に人を追い越していけるのだろうと思う。

起業家でなくてもサラリーマンであっても、ホリエモンの考え方には大いに学びになるところがある。
自らを奮い立たせたい人には、一読の価値がある。
「働こう」と素直に思える一冊である。

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2014年09月18日

【申し訳ない、御社を潰したのは私です。】カレン・フェラン



原題:I’m sorry, I broke your company

イントロダクション  大手ファームは無意味なことばかりさせている
第1章 「戦略計画」は何の役にも立たない
第2章 「最適化プロセス」は机上の空論
第3章 「数値目標」が組織を振り回す
第4章 「業績管理システム」で士気はガタ落ち
第5章 「マネジメントモデル」なんていらない
第6章 「人材開発プログラム」には絶対に参加するな
第7章 「リーダーシップ開発」で食べている人たち
第8章 「ベストプラクティス」は“奇跡”のダイエット食品

著者は、この道30年のベテラン経営コンサルタント。
経営コンサルタントと言えば、企業を発展に導くプロで、大金を稼いでいるというイメージであるが、そんな経営コンサルタントによる何とも刺激的なタイトルの本である。
タイトルだけ見て読んでみようと思わされた。

企業に雇われたコンサルタントは、しばしば戦略計画を立案する。
しかし、それは「何の役にも立たない」といきなり断言。
理論は正しくとも、それで成功するとは限らず、チャンスを逃がす事もある。
分析をグラフにするだけで感心されたりするし、数字で管理できるのは数字だけだったりする。
事実、かつてポーターが手本として挙げた企業の半数は凋落している。

そして戦略計画は、そもそも解決策ではなく、実は計画を立てる過程で様々な分析をして把握する事が重要なのだと言う。
コンサルタントにやらせて、出来上がったものをもらうだけではダメだと言う事らしい。
コンサルタントは、しばしば様々なツールを生み出し使用する。
ボトルネック分析やJIT、MRPUなどである。
そうしたツールよりも著者はしばしば泥臭いブレーン・ストーミングで効果を上げる。
現場の人間は問題の所在をわかっており、地道に聞き出す事によって解決策が見えたという。

数値目標は、数値に捕らわれる事により、それが障害となる事もある。
売上目標とそれに連動したインセンティブ報酬制度を導入した自動車修理チェーンで、売上を追及するあまり顧客の同意を得ない修理を行う事例が発生する。
こうした例は今でもあちこちで見られる。
それを著者は、「指標スコアカードは自動車のダッシュボードと同じ。ダッシュボードだけ見て道路を見なければ衝突してしまう」と表現する。

そうした事例を、「業績管理システム」「マネジメント・モデル」「人材開発プログラム」等々と解説していく。
いずれもコンサルタントが問題解決手法として提示するものである。
著者はそれぞれの欠点を次々に列挙。
時にわかっていても、組織の中で従わざるを得なかったこともあったらしい。

ではコンサルタントはダメな存在かと言うと、そうではなく、大事なのは“対話”であり、すべて任せっぱなしにするのではなく、「考えるのは自分たちで、コンサルタントはそれを助ける存在」というスタンスで接することが重要であるようである。

サブタイトルに「コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする」とあるが、「コンサルタントに丸投げして盲信するとそうなる」というのが、正しい理解のようである。
コンサルタントのやる事を正しく理解し、そして正しく利用すればぐちゃぐちゃになる事はないのだろう。

当たり前のようであるが、そうした事実を改めて理解するのに役立つ一冊である。


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2014年09月17日

【武田信玄 風の巻】新田次郎



有名な戦国武将を描いた全4巻のシリーズの第1巻である。
これも有名な旗印“風林火山”に合わせ、第1巻は「風の巻」となっている。
この本が世に出たのは昭和44年頃らしいから、もうかなり古い本と言えるが、読んでみると古臭さはまったく感じない。

主人公は当然のことながら武田信玄なのであるが、ここではまだ“武田晴信”である。
世はまだ父武田信虎の時代。
晴信19歳の時から、物語は始まる。
既に政略結婚によって京都の三条左大臣公頼の娘三条氏と結婚している。

しかしこの三条氏、晴信より3歳年上で公家出身を鼻にかけ、考え方も晴信とは隔たりがあり、夫婦仲はあまり良くない。
それもあってか、晴信は三条氏の侍女として来ていたおここを側室とする。
晴信はおここに夢中になるが、おここは三条氏の不興を買って毒殺されてしまう。

一方、父信虎からは臆病者と低く見られていた晴信。
信虎は晴信を追い出し、次男の信繁を跡継ぎにしようと計画する。
それに対し、信虎の残忍性を嫌い、これを追い出して晴信を主にしようという動きが進行する。
晴信も信虎も、ともに相手を今川義元に預けようとするところが興味深い。下剋上の戦国乱世ではあるが、そこは親子だからか、相手を殺すと言う発想はなかったようである。

今川義元は、桶狭間の前でまだ健在。
武田家とは政略結婚で姻戚関係となっている。
ここでは武田家の本拠地甲府から見て、西の有力大名として登場する。

結局、この親子間の争いは人心を集めた晴信が勝ち、信虎は今川義元の下へと送られる。
実権を握り、“お館様”となった晴信は、今の長野県へと勢力を伸ばしていく。
三条氏との仲は相変わらずだが、諏訪家から湖衣姫、そして禰津城主禰津元直の娘里美をそれぞれ側室として迎える。

側室二人はともに美女として描かれており、実際にどうであったのかは定かではないが、物語の中ではともに美女である以上、羨ましい限りである。
湖衣姫は勝頼という男子を生む。
正室三条氏にも男子が生まれるが、歴史としては信玄の跡継ぎは勝頼であるだけに、今後の展開に楽しみが及ぶ。

若き晴信は、今の諏訪、松本、小諸、上田と勢力を伸ばしていく。
今川義元からは、山本勘助が送られてきて、晴信のために働く事となる。
晴信は、若くて戦上手なところを見せるも、時に失敗し板垣信方等重臣を失う失態を犯す。
小笠原長時、村上義清という反対勢力を制圧していくが、その背後に長尾景虎(上杉謙信)の姿が見え隠れする。
川中島の戦いはまだ先のお楽しみである。

特に何の考えもなく手に取った本であるが、意外に引き込まれてしまった。
続く「林の巻」も是非読んでみる事にしよう。
古い本も掘り出し物があるかもしれない。
これからも幅広く目を向けていきたいと思わせられた一冊である。

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2014年09月11日

【イーロン・マスクの野望】竹内一正



第1章 降臨−南アフリカから来た男
第2章 難航−人生最悪の時
第3章 前進−未来を見る
第4章 信念−宇宙への道
第5章 独創−PCの電池で車を走らせる
第6章 異端−ロケット作りの革命
第7章 野望−人類を火星に送り込む
第8章 運命−地球を救え

初めてタイトルを見た時、何か子供向けのヒーロー物語なのかと思ってしまったが、これは大人向けのヒーロー物語である。
イーロン・マスクとは、この本を読むまで知らなかったが、南アフリカ出身のアメリカ在住の起業家である。名前は知らなかったが、電気自動車のテスラ・モーターズは知っているが、なんとそのテスラ・モーターズのオーナーである。
と言ってもそれに留まらず、人類を火星に送り込むためのロケットの開発もやっているらしい。

イーロン・マスクは1971年に南アフリカで生まれる。
10歳の時にはこずかいを貯めてパソコンを買う。
17歳でカナダに渡り、やがてペンシルベニア大学に編入、24歳の時にソフト製作会社を設立する。
その会社はコンパックに3億ドルで売却し、次に「Xドットコム」を設立してインターネット決済業務に進出。これがペイパルとなり、後にイーベイに買収されて、イーロンは1億7千万ドルを手にする。

ここまでで十分驚きである。
そしてマーティン・エバーハードという人物が設立していたテスラ・モーターズから出資を要請され、出資するとともに会長に就任。
全米の投資家相手に資金調達を図る役割を引き受ける。
合わせてスペースX社を設立してロケット開発に乗り出す。

電気自動車のアイディアは昔からあったそうだが、実現には至っていなかった。
その理由をイーロンは、「アイディアを実行することは、アイディアを思いつくより難しいから」と答えているが、イーロンはまさに実行の人のようである。
既にテスラ・モーターズではイーロンが実権を握り、ロードスターという高級車を開発、会社も上場している。今後大衆車に進出すると言う。

ロケットはNASA方式だと莫大な資金がかかり、よってアメリカの宇宙開発も元気がなくなっている。
しかし、イーロンのスペースX社は民間ならではの方法で、何とNASAの1/10の価格でロケットを作ってしまう。
実験成功までは胃の痛い思いをしたようであるが、それも報われている。

起業家と言えども、自らの儲けのために事業をしているのではなく、電気自動車は地球環境の為、そしていずれ人口増加で地球に人が溢れた時、火星へ移住できるようにとのロケット開発だというから、スケールがデカイ。
まさに「野望」である。
こんな人物の事を今まで知らなかったなんて、ちょっと視野が狭いと反省させられる。

これからどんな活躍をされるのであろうか。
ちょっとその動向を気にしていたいと思わせられる人物である。
    
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2014年09月09日

【パワー・クエスチョン】アンドリュー・ソーベル / ジェロルド・パナス



原題:POWER QUESTIONS

サブタイトルに「空気を一変させ、相手を動かす質問の技術」とあるが、この本はまさにそんな質問を「パワー・クエスチョン」として紹介する本である。
著者は30年以上にわたりシティ・バンク、ゼロックスなど有名企業トップに対するコンサルティングの経験を有している方らしい。

以前、「質問力」という事がキーワードとして流行ったことがあった。
「良い質問は相手から良い答えを引き出す」といった内容で、大前研一(『質問する力』)などの著書が多数出版された。
この本も要はその一種である。

冒頭に、「いい質問は答えよりはるかに効果がある場合が多い」と紹介される。
著者のコンサルティング経験からも、「質問が契機となってもっと学び、新たな発見をしたいという気になる。
優れた質問は、人生で何が一番大切かを思い出させてくれる」と言えるらしい。

内容としては、著者の経験から「これがパワー・クエスチョンだ」と言える事例の紹介となる。
始めに紹介されるのは、「御社のことを教えて下さい」と言われたときに、「弊社のどういうところに興味をお持ちですか?」と問い返すことである。
この質問によって相手の関心がわかり、議論が活発になったのだと言う。
会社でなくても、個人にも応用は効くと言う。

およそ人は話を聞いてもらった方が満足するとのこと。
相手が話を聞いてもらっていると感じられるようにすると、堰を切ったように情報が入ってくる。
「あなたはどう思いますか?」という質問が、そのきっかけとなる。

営業の人が、売り込みがうまくいかないと感じていたら、「相手は買う条件が整っているだろうか」と自問自答する。
以下の4つの条件が整っていないと、売り込みは難しい。
@ 相手側に解消すべき問題があるか?
A 相手は問題を自分のことと捕えているか?
B 相手は現在提供されているもの、あるいはその改善率に健全な不満を抱いているか?
C 相手はあなたを最善の選択肢として信頼してくれるか?

その他、目についたのは以下の通り。
「これはあなたにできるベストですか?」
「イエスですか、ノーですか?」
「今日自分の死亡記事を書くとしたら、どんな略歴を書きたいですか?」
「逆の立場だったらどうしてもらいたいですか?」
「なぜそうしたいのですか?」
「問題は何ですか?」
「あなたはどんな人間として人々の記憶に残りたいですか?」

こんなパワー・クエスチョンが400個近く紹介されている。
その趣旨には賛同するが、個人的には全部覚えられないし、1つ1つ覚えるよりも、いかにその場で適切なパワー・クエスチョンができるかということが大事。
そのあたりのコツなりヒントなりがあれば、尚良かったと思うところである。

少なくとも目についたいくつかのパワー・クエスチョンだけは覚えておこうと思うところである・・・

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2014年09月05日

【虚ろな十字架】東野圭吾



次々に出版される東野圭吾の新作。
他にも読む本があって、なかなか追いつかないが、遅ればせながら読了。
例によって単なる事件の謎解きだけでなく、深い人間ドラマが味わえるストーリーである。

プロローグはある二人の中学生男女の淡い恋の物語。
このプロローグをよく覚えておくと、後で読みながら盛り上がるかもしれない。

そして主人公の中原道正が登場する。
その中原のもとに一人の刑事佐山が訪ねてくる。
佐山は中原に、中原の別れた妻小夜子が殺された事を伝える。
中原と小夜子は、かつて最愛の娘を殺されるという悲劇に遭遇しており、佐山はその時の担当刑事であった。

事件はやがて町村作造と名乗る一人の老人が自首してきた事で解決に向かうかと思われる。
一方、娘を殺され離婚して以後の小夜子を知らない中原は、小夜子がフリーライターの仕事をしていた事を知る。
そして取材記事を読み、密かに書き溜めていた原稿を目にする。
それは、死刑廃止論に反対し、死刑を支持する内容であった。

物語は被害者側と加害者側とを交互に描く形で進んでいく。
被害者側は、中原が小夜子が追っていたある人物とその物語を追う形で、そして加害者側は、町村作造とその娘夫婦を追う形で問題を問う。
小夜子はその原稿で、そして小夜子の両親はそれとは別に、「人を殺した者は死刑になるべし」と主張する。
読む者もその是非を問われる事になる。

一見、何の関係もなさそうで、通り魔事件のように思われた事件が、隠されていた姿を現してくる。
その過程はやっぱり東野圭吾的で、実に見事である。
探偵も名刑事も物理学者も登場しないが、素人の中原が辿り着く真実はなかなかである。

死刑の是非を問い掛ける部分もあるが、それは軽いジャブ的なもの。
本格的に問うならば、映画『悪人』のような犯罪者にもやむにやまれぬ事情や背景があった方が、迫力がある。
だが、ここではそこまでは問い掛けてこないし、その必要もないのだろう。

考えてみれば、一人の高校生がコンドームを買う勇気を持てていたら、後にいくつもの事件は起こらなかったものであり、フィクションではあるものの、そんな事を思わず考えてしまった。
若者には正しく導ける大人が必要であり、子を持つ親の立場としては、我が子を正しく導いてやりたいと思う。

例によって深い人間ドラマと、そして読んで楽しんで終わりではなく、付随していろいろと考えさせてくれる。
一味違うドラマをこれからも味わいたいと思う東野圭吾作品である。
  
    
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2014年09月02日

【桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか】鳩山 玲人



第1章 桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか
第2章 不安をうまく利用するから、結果が出せる
第3章 人間関係をおろそかにするとどんな努力も無駄になる
第4章 今の時間の使い方が、3ヵ月後の仕事の実績を左右する
第5章 現状に満足した瞬間、成長はストップする
第6章 私が新人の頃から徹底してきた仕事の基本

著者は、潟Tンリオの常務取締役。
三菱商事に入社し、エイベックスやローソンなどに出向して仕事をし、ハーバードビジネススクールを経て、現在に至るとの事。
1974年生まれの40歳という事であり、「桁外れの結果を出す人」というのも頷ける。

冒頭で、「関心があるのは会社員として与えられた環境下で、いかに人々の期待を越え、求められる以上の結果を出し続けるか」との言葉が出てくる。
共感するとともに、その先の内容に興味が湧く。
ハーバードビジネススクール留学などのキャリアを見れば、恵まれたキャリアも幸運なのかと思わなくもないが、そうでもないようである。

・「時間があるときに調べよう」はダメ、今すぐやる。
・最高のパフォーマンスをするために、できる限り情報収集をやっておく。
・思い通りに行動するために、わからないことを放置しない。
・チャンスが来てから準備を始めるのでは遅すぎる。
・チャンスを掴むために誰もやりたがらない事を手掛ける。
など、第1章から目を引かれる言葉が並ぶ。

「どうやって少しでも不安を軽減し、前に進んでいくかを考える事が大事」という指摘には、思い当たる事があるだけにすっと入ってくる。
「遠慮していると機会はどんどん逃げていってしまうもの」
「成長する機会を掴むには、図々しく人を頼る心の強さも必要」
これもともすれば、遠慮がちな自分にはよい刺激である。

人との関係については、
・お付き合いのある会社の近くまで行くときは、用がなくても立ち寄る
・ぎくしゃくした人間関係をそのままにする事は避ける
・苦手な人にも意識的に話しかける努力をする
・身近な人から手厳しい指摘を受けた時は、反発する気持ちをぐっと飲み込み意見を冷静に聞く

コミュニケーションでは、「ふだん思っている以上に言葉や態度で示さなければ、本当の気持ちはなかなか伝わらないもの」との指摘はなるほどと思う。
人との関係については、個人的には参考になった。
困難にあっては、「『できない』、『無理だ』と思った時点で工夫や努力を放棄してしまう」と語る。
派手なキャリアの陰で多くの困難に当たっているのだろう、「克服する」という強い意志も重要だろう。

著者は新人の頃から、「数値で目標を設定する」ことを意識し、雑務の中にもチャンスがあると心得え、対応してきたようである。
「相手の期待を常に上回る」という意識は、たとえコピーのような雑務でもそうだろう。
「1週間でどんな人に会ったかをリストにして、偏りをなくす」というような事は、なるほどと思わせられる。

結局のところ若い頃から高い意識をもって仕事をしていたことがわかる。
“結果”には然るべき理由があるのである。
「もう遅い」と思うことなく、一つでも取り入れて自分のものにしたいものである。
大いに参考になった一冊である。
   
   
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