2016年05月16日

【ベテラン弁護士の「争わない生き方」が道を拓く】西中 務 読書日記657



著者はタイトルにもある通り御年74歳になられるベテラン弁護士。その大ベテランの弁護士先生が、自身の弁護士としての活動を通じて得た境地についた語った一冊。

弁護士といえば、争いごとで登場する職業といえる。そんな職業の方が、「争って勝利を手にするよりも、争わない方がずっと幸せだ」と語る。争いを職業とする人が「争うな」と説くのは「罪滅ぼし」だと著者は言うが、数多くの争いごとを見てきたからこその境地なのであろう。

この方の依頼者の中には、何度も同じような争いを起こす人がいたという。その原因は、その人の生き方、考え方にあるという。つまりそういう生き方、考え方を変えない限り何度も争いが起こるということである。
・法律では人の争いをなくすことはできない
・「法律さえ守れば何をやってもいい」という考え方が争いの原因
・幸せになるためのルールは、法律では定められていない
実に当たり前のことである。

・他人の悪いところが目についたら、それは自分の中にもあるという証拠
・満場一致の判決は危うい
・一切の悩みは、人と比較をすることから生じる
・人間の価値は、地位ではなく、どんな生き方をしたかで決まる
なかなか深い内容の項目が続く。

「争わない人は、相手を責めずに自分の気持ちを伝える」という考え方は新鮮である。他人の行動で悩んでいる時、普通の人はなんとかその行動をやめさせようとする。方法は様々であるが、だいたい「圧力をかけて止めさせる」というものではないかと思う。だが、そうではなくて、自分が相手の行動で困っているから助けて欲しいと伝えるのだという。実際に効果があるのかどうかはわからないが、今度試してみたいと思う。

・生きていることは借りを作るということ
・人様への感謝ができる人から、幸せになっていく
・見返りを期待しない人間関係が、よき友を作る
・人にやさしくするには勇気が必要
・おいしい饅頭は、一人で食べてはいけない
そうだよなぁと一々納得するが、では実践できているか、できるかと問われると答えに窮する。

・完璧な人ほど相手に劣等感を与え、抜けている人ほど愛される
・トップを目指すのではなく、トップに押し上げられる人になる
・不満やグチの多い人は、トラブルに見舞われやすい
・すぐに効果の現れないことでも、大海の一滴である
・逃げずに向き合うことで、運命は切り拓かれる
一つ一つの言葉が重みを持っている。

どれもこれもその通りだと思う。されど明日から実践しようと思ってもなかなか難しいものもある。それはすなわち自分自身に問題を抱えていることだということだし、まだまだ修行の余地があるということでもある。「華やかな人生を歩んでも、どのように死を迎えるかが大切」という。まだ残りの人生も長いし、ゆっくりと着実に修行していきたいものである。
折に触れ、人生の先輩のこういう言葉に触れるのも大事なことだと思わせられる一冊である・・・
   
   
posted by HH at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 人生論・哲学・生き方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする