2017年11月02日

【HIGH OUTPUT MANAGEMENT−人を育て、成果を最大にするマネジメント−】アンドリュー・S.グローブ 読書日記853



原題:HIGH OUTPUT MANAGEMENT
第1部  朝食工場−生産管理の基本原理
 第1章 生産の基本
 第2章 朝食工場を動かす
第2部 経営管理はチームゲームである
 第3章 経営管理者のテコ作用
 第4章 ミーティング−マネジャーにとっての大事な手段
 第5章 決断、決断、また決断
 第6章 計画化−明日のアウトプットへの今日の行動
第3部 チームの中のチーム
 第7章 朝食工場の全国展開へ
 第8章 ハイブリッド組織 
 第9章 二重所属制度
 第10章 コントロール方式
第4部 選手たち
 第11章 スポーツとの対比 
 第12章 タスク習熟度
 第13章 人事考課−裁判官兼陪審員としてのマネジャー
 第14章 2つのむずかしい仕事
 第15章 タスク関連フィードバックとしての報酬
 第16章 なぜ教育訓練が上司の仕事なのか

著者は元インテルのCEO。ご本人は既に故人となっている。この本は新しく出版されたものだが、もともとは1983年に書かれたものらしい。内容が良いと言うことで、装い新たに出版されたと言うことのようである。

内容はと言うと、マネジャーかくあるべしという一言に尽きる。こういうことは、内容が良いとそれが拡散され、似たようなことを言う人も出てきて、時代を経ていつのまにか当たり前の原理みたいになっていることがある。そんな既視感を感じるところも随所にある。また、インテルは製造メーカーということもあり、生産管理などメーカー的な考えの部分もある。まぁ、リーダーは業種に関わらず、それほど変わらないので、おかしなところがあるわけではない。

冒頭に出てくるのは、朝食工場の例。トーストとコーヒーとゆで卵というメニュー構成の店で、それをどのように効率よく提供するかがわかりやすく説明される。一番時間がかかるのはゆで卵であり、ここが最も重要なステップであるとしてここを中心に流れを計画する。別にメーカーでなくてもこの考え方はいろいろと応用できる。

「マネジャーはチームのパフォーマンスとアウトプットのみによって評価される」という考え方はもっともである。ここでいう「アウトプット」とは、「自分の組織のアウトプット+自分の影響が及ぶ隣接組織のアウトプット」だとする。「自分の組織のアウトプット」はもちろんだが、「自分の影響の及ぶ隣接組織のアウトプット」という考え方は、なるほどである。これは意識したいと思う。

そしてマネジャーのやるべきことは部下の教育とモチベーションの向上だとするが、やっぱりそうなのだろうと思う。「仕事はチームでやるべきもの」という考えは言われるまでもないが、マネジャーは自分が最高のプレーヤーである必要はなく、いかにチームのアウトプットが高くなるかを考えれば、部下が最高のプレーをしてくれればそれで良いわけである。「自分の部門のアウトプットを最高にあげると思われる活動に自分のエネルギーを注ぐ」のである。

それを「経営活動のテコ作用」という別の表現でも説明している。中にはネガティブなものもあって注意しないといけないが、マネジャーはやはり部下に影響力を及ぼすことができるわけで、それによって部下の大きな力を引き出すわけである。その方法の一つに「権限移譲」をあげている。それはそうだと改めて思うが、ただ任せっきりにするのは良くなく、仕事のモニタリングは必要で、その完了には当然責任があるのである。

また、ミーティングに関しては、著者は好意的に捉えている。ミーティングは最近では効率が悪く、長時間労働の一因とされることもあるが、著者は「マネジャーの仕事はミーティングを通じてのみ遂行できる」とする。また、五月雨式に部下の相談を受けていると、常に自分の仕事が中断され非効率となりがちなので、相談を受ける時間を決めておくと良いとする。

ミーティングのやり方も組織のあり方もいろいろと書かれていて、なるほど冒頭でこの本に影響を受けたというベンチャーキャピタリストが賛辞を送っているのがよくわかる。いろいろとヒントを求めている人には、得るところは大きいかもしれない。
マネジャーのあるべき原則論として、参考になる一冊である・・・



posted by HH at 00:00| Comment(0) | ビジネス/経営者の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする