2017年11月29日

【君と会えたから・・・】喜多川 泰 読書日記864



画廊
八月六日
長い一週間
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第一講 自分の欲しいものを知る
第二講 夢を実現させる方法を知る
第三講 経済的成功の真実を知る
第四講 魅力溢れる人になる
第五講 手段を目的にするな
第六講 できないという先入観を捨てる
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電話
助言
ハルカの部屋
手記
扉の向こうの真実
最後の講義
勝利の女神
手紙

著者は自己啓発の作家であり、これまでに『賢者の書』から始まって、『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』『書斎の鍵-父が遺した「人生の奇跡」』『株式会社タイムカプセル社-十年前からやってきた使者-』『きみが来た場所 Where are you from? Where are you going?』と読んできていて、いずれもそのテイストが気に入って愛読している。さらにまた一冊と手にしたのが本書。

冒頭、会社を経営し、海外へも仕事で忙しく飛び回るかたわら、著作の打ち合わせもしている「私」の作品を展示している画廊から物語は始まる。なんだか「私」はとんでもないマルチスーパーマンのような人物である。その画廊に1人の老女がやってきて一枚の絵をずっと眺めて帰っていく。幼い娘からその老女の名前を聞き、「私」の記憶は17歳の夏へと遡る・・・

もともと「私」の実家は本屋を経営していたが、夏休みのある日、「私」が店番を言いつけられて店にいると、1人の美しい少女がやってくる。しかし探している本が見当たらず、やむなくその本を予約して帰っていく。やがて予約した本が届くが、「私」は少女のことが気になり、その本を読むことにする。内容は多分自己啓発系だったのだろう、それまでろくに本を読んだことがなかった「私」はその内容に大いなる衝撃を受ける。

やがて少女がやってきて、予約した本を受け取る。すでに読破していた「私」は、その話題でその少女ハルカと仲良くなる。そしてそれから「私」とハルカの奇妙なデートが始まる。ハルカは父に教えられたと言って人生で大事なことを「私」に教えていく。
・自分が人生において欲しいもの、実現したいもののリスト(ライフリスト)を作る
・人生において他人にやって上げたいことのリスト(2枚目のライフリスト)を作る
・お金を払う行為は、欲しいものを手に入れるために、それに携わった人に「ありがとう」を届ける行為
・自分の内側に明かりを灯せば、コンプレックスなどの傷もその人の魅力となる
・職業は夢ではなく、夢を実現するための一つの手段
・昨日までできなかった事実が、今日もできないという理由にはならない

やがて物語はハルカの「事情」を明らかにする。この展開はどうも安っぽいドラマのよう。だが、著者の書く本の魅力はストーリーそのものよりそこから訴えてくるものといえる。この物語も「人生において約束されていることなど何もない。だからこそ自分の行動次第でどんなに素晴らしい成功だって手に入れることができる」というメッセージを伝えてくれる。これは子供に読ませてみたいと強く思う。

自分自身もそうであるが、子供にも読ませてみたいという点で、著者の本はこれからも外せないと思うのである・・・





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【百円の男ダイソー矢野博丈】大下英治 読書日記863



第1章 仕入れは貧乏と格闘技
第2章 夫婦で一番売るトラック売店
第3章 百円の高級品
第4章 矢野式人材の育て方
第5章 破竹の海外進出
第6章 入社二年目のバイヤー
第7章 九九パーセントが自社開発商品
第8章 新しい風、生き残るために

個人的に創業社長の「創業伝」は結構好きである。目につくと無条件で手に取ってしまうと言っても過言ではない。ましてやそれが誰もが知る企業であればなおさらである。これはそんなメジャーな企業である「百均」のダイソーの創業者の自伝。

矢野は戦時中に天津で生まれ、引き揚げ船で帰国する。もともと祖父は広島の地主だったらしいが、農地解放で没落。父は医者であったが、当時の医者は貧しく、少年時代は貧乏暮らしであったという。田舎者と馬鹿にされたことがきっかけで、ボクシングを始めて熱中する。一時は東京オリンピックの強化選手に選ばれたらしいが、プロのグローブの薄さに驚いてプロは断念する。

勉強は嫌いで、なんとか大学の二部に合格して上京するも、勉強より体を動かして働くことを選ぶ。青果市場でアルバイトを始めると、これに熱中。働き者で有名になるほどであったと言う。働くのはいいがその代わり勉強はせず、「創意工夫」で単位をもらって卒業する。女性には奥手だったらしい(なんとなく表紙の写真から想像できる)が、なんと学生結婚する。その理由も「家は貧乏だから学生なら金をかけなくても結婚式ができる」というもの。そんな理由でよく結婚するなと思うが、親孝行でもある。

そして「商売に良さそうだから」という理由で妻の姓を名乗る。このあたりの感覚はすごい。妻の実家の商売を継ぐも、赤字で借金がかさみ、親兄弟から借りてくれと義父に頼まれ、これを見限って東京へ夜逃げする。この時から「いつ潰れるか」という心配を常に口癖のようにして生きてきたようである。

チリ紙交換を始めて成功し、一時は金持ちの養子になるがそれを解消し、たまたま目にした移動販売を始める。時代もあるのだろうが、とにかくあちこち目を光らせてこれとなったらすぐ飛びついて必死にやるというイメージである。馬鹿正直に商売し、それが評判を呼び物が売れていく。あまりに売れるので、面倒臭くなり商品を全部100円で売ることにする。これが「百均」の原点となる。

移動販売では売り逃げができる。しかし、著者は定期的に巡回しリピーターを増やしていく。売り逃げなら暴利を得られるが、それではリピーターがつかない。原価率を上げ、「いいものを安く」したからリピーターがつく。このことを体感した著者は自分の利益を後回しにする。勉強嫌いの著者に成功理論はないが、この体感がモノを言う。のちに百均は大手に真似されるが、利益を確保したそれは著者の商品とは格段の差があり、顧客の支持を受けて成長していく。

それでも社員の造反などがあり、倒産の危機とは背中合わせ。こうした思いから、「大きくしよう、儲けようと大それたことは考えず、お客様第一主義で倒産しなければいい」と考えるようになる。そんな考えや人柄は、大企業となった今でも失っていないようである。成功の要因を一つあげるとすれば、やはり「利益を考えなかった」と言うことになると思う。その考えに至る経緯は、この自伝を読んでいるとよくわかる。自伝にはそういう効果があるとつくづく思う。

中小企業に身を置いていて、自分たちは何をすべきかとよく考える。我々は小売業ではないが、客商売である以上、共通するものはあるはず。そんな目で読んでいくと、いろいろとヒントが散りばめられている。この本では、「利益は後からついてくる」というところだろうか。社員に対するスタンスも見習いたいところである。
読み物としても面白いし、お手本としても面白い。苦労人の創業者の自伝には学ぶところが多いと改めて思わされる一冊である・・・


posted by HH at 00:00| Comment(0) | ビジネス/自伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする