2018年08月29日

【BCGが読む経営の論点 2018】ボストンコンサルティンググループ/編 読書日記950



Chapter.1 デジタル化が変える競争戦略
 1. デジタルトランスフォーメーション、「日本企業ならでは」の成功手法とは
 2. 真の「デジタル・マーケティング」へ
 3. AI
 4. 破壊的技術、ブロックチェーンにどう備えるか
Chapter.2 人手不足・少子高齢化時代を生き残る
 5. 世界で進む少子高齢化
 6. アジャイルによる働き方改革
 7. バリューベース・ヘルスケアの衝撃
 8. 競争戦略としてのダイバーシティ
Chapter. 3 ディスラプト(断絶)後の勝者の条件
 9. 新ステージに入ったグローバリゼーション
 10.「つながる時代」のビジネスモデル・イノベーション
 11.「M&Aレベル3」の時代へ
 12.シェアリング・エコノミー
 13.「値上げは悪」からの脱却

 ボストンコンサルティンググループ(BCG)と言えば、日本ではマッキンゼーと並んで外資系トップのコンサルティング会社として認知されている。そんなBCGが「経営の論点」と称して13のテーマについて挙げているとなれば、興味はそそられるというもの。そんな興味から手にした一冊。

 まず始めに語られるのが、「デジタルトランスフォーメーション」。2017年は世界的に「デジタル元年」とされたそうであるが、デジタルトランスフォーメーションとは、要は事業モデルや意思決定プロセスすべてをデジタル化することを目指す構造改革のことであるという。それは例えば、キャタピラー社がソーシャルメディアの活用を通じて顧客の声を集め、自社製品に対するフィードバックをエンジニアリング部門に直接伝える仕組みを構築した例を持って語られる。

 何でもかんでもデジタル化できるのか、する必要があるのか、それはまだわからないが、こういう動きが出てきているという意味ではひとつ勉強になるところである。そういう観点からこの本を捉えるのがいいと思わされる。ただ、気になるのはやたらカタカナ言葉が多いこと。商社やコンサルタントの人たちの特徴でもあると思うが、このあたりは慣れないと引っかかる。もちろん、まだ日本語としてはっきりと表せる言葉がないものは仕方ないが、「消費のオケージョンごとに」なんてただの「消費の機会」で十分だと思うが、英語が喋れない者のやっかみかもしれない。

 AIについては、すっかり最近の流行語である。ただし、何でもかんでもというわけではなく、AIには3つの得意分野があるという。それは「分類」、「識別」、「予測」である。そしてAIを賢く使うためのポイントとして、
 1. AIがうまく解ける形に課題を因数分解する
 2. 無意識の作業を形式知化して置き換える
 3. 単機能で組み合わせる
とする。こういうところはなかなか勉強になる。

 少子高齢化もおなじみのキーワードであるが、日本は同質な社会とされていたが、これが少子高齢化によって崩れていくという。やがてそれがセグメンテーションが必要となり、そのさきのパーソナライゼーションが重要になってくるという考え方は興味深かった。
よくわからなかったのが、「アジャイルな働き方改革」。「アジャイル」という言葉も分かりにくいが、「スタンドアップ」「スプリント」「レトロスペクティブ」なんて言葉が怒涛のように登場してわけがわからない。「スタンドアップ」とは「立ってやる朝礼のようにもの」らしいが、「スタンドアップ」と「立ってやる朝礼」の違いがよくわからない。

 今ひとつ興味深かったのが、「つながる世界」の話。今やスマートフォンやタブレットが世界中に行き渡り、様々な機械・装置がネットワークにつながり始めており、これらをモノやサービス提供の高度化・効率化に活用する動きが強まっているというもの。それらを「顧客接点・基盤」「ネットワーク」「プラットフォーム(認証・ID、決済、ポイント)」「サービス」の4つの階層構造のなかでエコシステムが構築されている様子が説明される。こういう見方はとても勉強になる。

 この手の本が総じて「概論的」になるのはある程度仕方ないのかもしれない。個人的にはもっと具体的な例とともに知りたかったが、それはこの本の目指すところとは違うのであろう。概論的にでも知るのだけでも十分意味はあると思う。現代の経営の先端を走っている人たちの意見であり、大いに参考にしたいと思わされる一冊である・・・



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2018年08月28日

【落合博満バッティングの理屈−三冠王が考え抜いた「野球の基本」−】落合 博満 読書日記949



第1章 野球は理屈で考えよう
第2章 目とバッティング
第3章 軸足の使い方
第4章 下半身のメカニズム
第5章 上半身のメカニズム
第6章 スタンスについて考える
第7章 大きく速いスイングを身に付けよう
第7章 大きく速いスイングを身に付けよう
第9章 野球選手のためのトレーニングとは
第10章 いくつかの“どうすればいいか”を解決する
第11章 写真で確認する正しい技術と動き
第12章 腕とバッティング
第13章 バッティング技術が向上する練習法
第14章 相手バッテリーを丸裸にする
第15章 机の上でも野球をやろう
第16章 技術も上達させる野球の考え方
第17章 選手と指導者は二人三脚でレベルアップを目指そう

 何の分野であれ、成功者には学ぶべき点がいろいろあると考えているが、特に野球選手の本は得るものが多いと感じている。野村監督の本はその最たるものであるし、落合の本もしかり。そしてこの本は、その落合が書いたガチガチのバッティングの本であるが、別に今から野球が上手くなりたいと思うわけではないが、何か得るところがありそうな気がして手にしたものである。場合によっては、野球をやっている中学1年の息子に読ませてもいいかと考えたのである。そしてやっぱり一読してその考えは間違っていなかったと実感したのである。

 はじめに「野球は理屈で考えよう」とくる。何でもそうであるが、「考えてやる」ことはとても重要であると考えている。「考えてやる」とはすなわち「理屈通りにやる」ことに他ならない。最初にこの言葉が来る時点で、さすがだと思う。そして「バッティングの基本はセンター返し」なのだそうである。これは、「ボールを打つ時は両肩を結んだ線と平行に打ち返すことがもっとも理に適っている」というもの。ノックを例に説明されるとわかりやすい。

1. 両目でボールを捉え、正しいコンパクトなスイングで打とう
2. ティーバッティングや素振りも実戦に即して行う
3. バッティング練習とは、ボールを打つことではなくひたすらバットを振り込むこと
4. いいバッティング評論家を目指そう
5. スランプになったら基本に戻る。基本とは食事と睡眠
すべて技術的なことではあるが、難しいことは何1つない。私はラグビーをやっているが、技術に関しては相通じるものがあると感じる。

 「肘を抜く」なんてちょっと意味のよくわからない言葉も出て来るが、意外な考え方を知ることも多い。例えばカーブの打ち方は、特別なものはなく、ただカーブを「ストレートよりも遅い球」として「ストレートを待ってスピードの遅いボールを打つ」としている。その前提として、「どんなスピードのボールに対しても自分のミートポイントで打つ」という基本があるのだが、こういう考え方は自分にとっては初めてである。

 さらに大魔神佐々木のボールをどうしたら打てるかと聞かれ、落合の答えも目から鱗。それは「どうせ打てないならフォークはすべて見逃す。それで3球続けてフォークを投げられたらごめんなさい。ストレートだけを狙ってそれを確実に打つことを考える。」なるほどであるが、私だったらどうやったらフォークを打てるのかだけを考えてしまう。

 一貫して感じるのは、「野球に対してストイックである」ということ。徹底的に、それこそ本が一冊書けるくらい考えて工夫し、バッティングについて極めている。だからこそあれだけの実績が残せたのであろう。このスタンスはビジネスでも応用できるものである。「野球人生は常にオン。本当のオフはユニフォームを脱いだ後に一生味わえる」という言葉も深いと思う。自分も自分の生きていきたい分野において、かくありたいと思う。

 純粋にバッティングの本なのに、バッティング以外にも学びの多い一冊である・・・




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2018年08月24日

【ネイティブに笑われないクールイングリッシュ ―日本人の9割はダサい英語を話している】サマー・レイン 読書日記948



 中学の時から英語の勉強を始め、受験時代はみっちり勉強し、社会人になってからもそこそこ関心を持ってきた英語であるが、一向に会話力には程遠い。その最大の原因は「使わないこと」に他ならないが、それでも諦めたわけではなく、機会があれば話せるようになる努力はしたいと思う。そんな折に目についたのがこの一冊。「一冊」と言っていいかどうかは、Kindle限定版なので微妙ではある。

 「日本人の9割はダサい英語を話している」というサブタイトルはなかなか刺激的である。「ダサい」の意味は、「意味は通じるけれども聞いた人が違和感を持つ」ということだろう。冒頭に「ダサい度チェック」がある。「3つ以上あったらアウト」とされているが、やってみたら見事に3つあった。ちなみにその3つは以下の通り。
 1. 聞き取れない時、“I beg your pardon?”、“Pardon?”と聞く
 2. ゆっくり話してほしい時、“Please speak slowly”と言う
 3. 相手の話に興味を持っている事を示す時、“Really?”と言う
ちなみに上記の場合は、
 1. One more please
 2. (聞き取れない時) Excuse me
となるらしい。

 ここで「ダサくない」とされるのは、スラングや若い人が使う言葉や流行っていると言う意味のcoolな英語という意味ではなく、「適切で一般的な言い方」、「洗練されたフレーズ」という意味だそうである。対象としているのは初中級者、中級者という事であるが、その通りに内容は難しくない。飛行機の中で知り合った日本人の田中ヨシヒロとアメリカ人女性サマーの会話という形で進んでいく。構成は以下の通り。
 1. Dasai Dialogue
 2. サマー先生のコメント
 3. 文法解説
 4. 自然な対話“Cool Dialogue”
 5. 振り返り“Review”
 6. DASAI PRONUNCIATION ALERT

 実践に即した会話の形になっており、解説も丁寧。例えばネイティブは、普通知らない人に“Hello”と話しかけることはないそうで、日本人的には「えっ?」と思うが、どうもそう話しかけると「何この人、あやし〜」って思ってしまうらしい。普通は前置きなしにフレンドリーに会話を始めるのが普通らしい。
“Amazing view,isn’t it? Is this your first time to the Tokyo Tower?”
となるらしい。何だかこちらの方が違和感を感じてしまう。

 “Nice to meet you”は馴染み深いフレーズであるが、これはこれでいいのだという。しかし、フオーマルになると、“It’s nice to meet you”となり、もっとフォーマルで教養あるように言いたいなら、“It’s please to meet you”となるらしい。このあたりの感覚はネイティブでないとわからない世界だと思う。

 また、中学では最初の頃に、
 “How are you?”
 “I’m fine thank you.And you?”
と習ったものであるが、ネイティブはfineという言葉は使わないらしい。fineからは元気という感じはしないらしい。この場合は、“I’m good(great)!”と言うらしい。

 こんな感じでいろいろな言葉を学べる。教科書英語とは違う生きた英会話である。苦もなく手軽に読めるし、拙いながらも自分の英会話力を多少なりともブラッシュアップできる。やっぱり英語は使わないとダメだと思うが、使うにしても最低限「笑われない程度」の英語は使いたいと思う。そういう気持ちのある人は、読むべき価値のある「一冊」である・・・



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2018年08月23日

【遺伝子 親密なる人類史】シッダールタ・ムカジー 読書日記947



原題:THE GENE:AN INTIMATE HISTORY
プロローグ 家族
第1部 「遺伝といういまだ存在しない科学」
第2部 「部分の総和の中には部分しかない」
第3部 「遺伝学者の夢」
第4部 「人間の正しい研究題目は人間である」
第5部 「鏡の国」
第6部 ポストゲノム
エピローグ ブへッダ、アブへッダ

著者は、インド生まれの医師でありがん研究者。ピューリッツァー賞受賞歴もある方で、そんな人物が遺伝子にまつわる全史としてまとめたのが本書。この手の本が好きということもあって手にしたが、上下巻に分かれていて、かなり読み応えがある一冊である。

遺伝子とは「自分たちの仕様書」。物理学の原子と対比させて、著者は「遺伝子は近代生物学の原理的な体系を提供し、人間の身体と運命を支配できる未来が来るかもしれないという可能性を突きつけた」と語る。これが本書のテーマであるが、のんびりとしたイントロと比べ、後半の現代社会における問題はかなりの難問である。

全史であると言っても、遺伝子の歴史は浅い。遡ればアリストテレスも登場するが、本格的にはダーウィンである。有名な『種の起源』でダーウィンは、突然変異による種の変化を説いた。一方、同じ頃、整備された実験を通じて近代遺伝子学の基礎データを提供したのはメンデル。エンドウマメの実験は、高校の生物の授業を思い出す。残念ながら両者の間に接点はなく、メンデルの実験の成果を知れば、ダーウィンの進化論ももう少し進んでいたかも知れないようである。

やがてトマス・モーガンがショウジョウバエを用いた研究を行う。そしてアメリカでは、確たる科学的根拠もない中で、「断種法」が制定され不妊手術に利用されるようになる。例として知的障害を負った女性の娘が成長し、里親にレイプされたあと、世間体を恐れた里親が知的障害を訴えて裁判所に不妊手術を認めさせるというケースが取り上げられる。こうなると恐ろしい。

1920年代初頭になると、DNAとRNAが4つの塩基からできていることがわかってくる。A、C、G、Tという生物の授業で習った記憶のあるヤツである。「生物物理学」という分野が生まれ、DNAの構造を解明する試みが本格化する。そして二本の螺旋状の構造が明らかになる。こうなってくると、「組み換え」という問題が生じてくる。遺伝子を操作するという「神の領域」に入ってくる。そしてこれを懸念したアシロマ会議が開催される。

遺伝子操作は、ナチスのような優生学は問題外であるが、あらかじめ羊水分析検査をして胎児がダウン症であることが判明して中絶した例が挙げられると、一概に否定するのも難しい。このような出生前診断と選択的中絶を「消極的優生学」というが、ある種の遺伝性疾患を持つ子供を生み出さないようにすることはある程度はやむを得ない気がする。ただ「消極」と「積極」の線引きは微妙かも知れない。

現代ではヒトゲノムはおよそ32億文字で、23対の染色体と20,687個の遺伝子とから成り立つことがわかってきている。素人にはその違いも難しい。ただ、人間の細胞内のミトコンドリアは女性だけに受け継がれるらしく、これを辿ると人類の年齢は20万年で、アフリカにいた1人の女性「ミトコンドリア・イヴ」に辿り着くという。こういう話になると、個人的には大好きであり、研究もどんどんやるべきだと思う。考えてみれば、『サピエンス全史』で説明されていた人類の起源は、このようなDNAの解析が中心になっているのだろうと思う。

さらに現代では、ジェンダー・アイデンティティの問題も遺伝子と結びつくか研究が進んでいるという。自分の性に違和感を感じるということは、私自身にとってあまり想像もできないが、「性の決定はSR遺伝子のオンとオフによって決まっている」と聞くと、「そこまで関係するのか」という驚きが出てくる。アンジェリーナ・ジョリーががん予防のために健康な乳房を切除したとニュースでやっていたことがあるが、それもこうした遺伝子診断に基づいている訳である。

今後、この分野がどうなっていくのか。遺伝子組み換え農作物の問題もよく耳にすることであり、必然的に関心を持っていたいと思うが、そのための基礎知識としては本書は最適だと思う。これからの問題を考える教養として、一読をお勧めしたい一冊である・・・





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2018年08月17日

【運は人柄−誰もが気付いている人生好転のコツ−】鍋島 雅治 読書日記946



第1章 運は呼び込むもの
第2章 「運は人柄」と気づくまで
第3章 人柄を「上げる」メソッド
第4章 運のよい漫画家たち
第5章 漫画のコツは生きるコツ

著者は漫画原作者だという。と言っても、最近はほとんど漫画を読まないから知る由もない。ただ、代表作が映画化もされた『築地魚河岸三代目』だとのこと。かろうじてこれだけは知っている。そんな漫画原作者の著者が、成功者が備えていると思われるのは「運」だと語る。「才能1:努力2:運7」だというから、「運」がかなりを占めている。そしてその「運」とはズバリ「人柄」だとするが、そんな考えを語った一冊。

「運」とはズバリ「人柄」であり、「運を高める」=「コミュニケーション・スキルを高めること」だとする。私のようにコミュニケーションが苦手な者の立場としては、否定したくなるが、その一方でそれは事実だと感じる心もある。そんな「運=人柄」を高める方法・コツ・生き方を人間関係で悩んでいる人や「自分は運が悪い」と感じている人に伝えてみたいというのが本書の狙いだそうで、自分も期待してしまう。

運を高める=人柄を高める=コミュニケーション・スキルを高めるにはどうしたら良いのか。著者は「一日一善」も大事であり、さらには「人に受けた恩を下に流す」ことも大事だとする。これはしっくりと腹に落ちる。また、嘘でもいいから人を頼ったり、自分は運がいいと思い込むことも大切であるとする。機嫌良くいることも大事だとする。特に機嫌については、
「才能があり仕事が“でき過ぎる”人は、自分が優秀な分、周囲のできなさが目につきイライラしがちで、結果として機嫌が悪くなる」
としていて、ドキリとさせられる。
 
粘り強くやることは、結果として運を呼び込む機会を広げるという。なるほどである。運を遠ざけるのは「〜のに」というネガティブワードだというのもよく理解できる。確かに、「してあげたのに」という言葉は、否定的・批判的な雰囲気を纏う。先の『築地魚河岸三代目』も、漫画担当のはしもとみつおは、編集部の人に「チャンスをあげたい」「ヒット作を出して欲しい」と思ってもらえていたのだとか。そう考えると、運は偶然舞い込むだけのものではないことがわかる。

人柄をよくする具体的なコツは以下の通り。
1. 毎日を笑顔で過ごす
2. 1日20人と話をしてみる
3. 挨拶はした者勝ち
4. 会話は素直に話す
5. 人から誘いを受けた時は基本的に断らずに乗る
6. 考えるよりも動いてみる
どれも難しいことではなく、誰でも今日からでもできることばかりである。

具体的な漫画家のことや業界の例も書かれていて、これはこれで興味深い。ただ、やっぱり主題である「運は人柄」の直接的な話の方が、個人的には気に入ったところである。
・人生の8〜9割は辛いこと
・あえて茨の道を選ぶことが人柄をよくすることに繋がる
という指摘はもっともだと思う。苦手意識を抑え、ちょっとずつ実行していこうかな。
そんなことを思わせてくれる一冊である・・・




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2018年08月15日

【ラグビーをひもとく】李 スンイル 読書日記945



序 章 フットボールとレフリーをひもとく
第1章 オフサイドをひもとく
第2章 スクラムをひもとく
第3章 ラック、モールをひもとく
第4章 タックルをひもとく
第5章 ラインアウトをひもとく
終 章 「ラグビー憲章」をひもとく

若い頃、ラグビーをやっていて、最近シニアチームで再びラグビーをやるようになって感じていることは、「ラグビーは進化している」ということ。それゆえに、「もう十分わかっている」とは思わずに、積極的に本を読んだりして知識のアップデートをしているが、そんな矢先に紹介されたのが本書。著者は、自身ラグビー経験もあり、今は関東ラグビーフットボール協会の公認レフリーでもあるライター。読んでみて目から鱗の一冊である。

ここに書かれているのは、知っていそうで知らない事、よくわかっていない事の諸々。まずはラグビーの発祥伝説にスポットライトを当てる。それはよく知られた「エリス少年伝説」。曰く、「エリス少年が、サッカーの試合中に興奮してボールを持って走ってしまったことによって始まった」というもの。ラグビーをやる者であれば誰もが知っているエピソードであるが、実は事実は少々異なるらしい。

そもそも、原型の「フットボール」は村の祭りとして村全体の敷地を利用して行われていたものらしい。それが、祭りからゲームとして各地で行われるようになり、そうするとルール整備の必要が出てきて、それがサッカーになり、ラグビーへと進化したのだという。どうやらサッカーとラグビーは「親子」ではなく、「兄弟」関係が正解のようである。そんな「へええ」が続く。

ラグビーのルールはわかりにくいとはよく言われる。そのルールであるが、実は「ルール=規則」ではなくて、「ロー=法律」なのだという。事実、競技規則の英語版は「Laws of the Game」となっているという。そしてイギリスのLawは慣習法。すなわち慣習によって上書き保存されていく方式である。みんながラグビーというゲームをしながら不都合や新しいアイデアに際し、協議して変えていくもので、だからこそ毎年のように変わるのだとか。

ラグビーの審判がなぜ、アンパイアではなくてレフリーなのか。アンパイアは、白か黒かを判断するのが役目で、レフリーのそれは「仲裁」。だから白か黒かの判断ではない。ラグビーでも白か黒かを判断する役割もあって、それを担うのが「タッチジャッジ」。最近は「アシスタントレフリー」が登場しているが、外からメインレフリーが見えなかった反則を指摘したりしているのはそういうわけだと知る。だからラグビーには「アドバンテージ」があり、反則があったかなかったかを判断(ジャッジ)するアンパイアが裁くのではないのである。これも「へえぇ」である。

「オフサイド」はわかりにくい反則の1つ。ラグビーにおける「サイド」の意味から始まり、そこから派生して、なぜ得点を取ることを「トライ」というのかが解説される。それにはやっぱり「へえぇ」な理由があって、だからトライ後のゴールは「コンバージョン=転換」ゴールと呼ばれているのだとわかる。スクラムには5本のオフサイドラインがあるなんて、言われてみればなるほどであるが、意識しているプレーヤーは少ないと思う。

こんな調子で、スクラムやモール・ラック、ラインアウトが紐解かれて語られていく。わかっているつもりでわかっていなかったことがボロボロと出てくる。なぜラインアウトはラインから「投げ入れる」のに「アウト」なのか。言われてみればの世界が続く。ラグビー経験者でも知らない人がほとんどではないかと思う。

読んでわかるのは、ルール(ロー)に秘められたラグビーの精神。それは素人が読むより経験者が読むべき内容。理解することによって一層プレーが楽しめ、また観戦も楽しめる。「もう十分知っている」とは言わずに、経験者こそ読むべき必読の一冊である・・・



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2018年08月13日

【スーさんの「ガリガリ君」ヒット術】鈴木 政次 読書日記944



第1章 自分らしく働く
第2章 ヒット商品の本質
第3章 仕事を楽しくする極意
第4章 どんな時も折れない心の持ち方
第5章 真のリーダーといわれるための心構え

著者は、「ガリガリ君」で有名な赤城乳業(株)の監査役。1970年に入社以来、同社一筋。そして「ガリガリ君」を生み出したご本人だと言う。そんな著者が、長い経験から悟った「仕事の本質」「ヒット商品の本質」などを語った一冊である。

その言葉は、叩き上げだからこそだと感じられるものが多い。
1. 理不尽な評価はいちいち気にしない
2. 笑顔でYES心でBUT
3. 愚痴はどんどんこぼしていい。頭が切り替わり新しいアイデアが湧いてくる
4. 「時間」と「約束」は守る
なるほどと思う反面、「いちいち気にしない」でいられたのも、最終的には評価されているからだという気もしなくもない。

「社会で求められるのは問題発見能力と問題解決能力」というのはよく理解できる。自分自身意識していたいと思うことと一致する。さらにヒット商品の本質のところでは、「企画を通したい時に相手に伝えるべき6つのポイント」が語られる。
1. なぜその商品を作ったのか。その理由と背景。
2. その商品の特徴
3. どんなお客様をイメージしているのか
4. 原料はどんな点にこだわっているのか
5. デザインのポイントはどこか
6. セールスポイントはどこか
ちょうど新しいサービスを研究している時だからこそ、参考になる。

そのほかにもなるほどと思える言葉が続く。
1. 失敗しても前向きに明るく進む
2. 大切なのは思い
3. 情報が集まる人になるには「何かあった?」と耳を傾ける
4. 毎日1つでいいから仕事から何かを学ぼうとすること(クレームからも何かを学べる)
5. 相手に関心を持つこと
6. 失敗した時に自分で自分をかばう

「みんなの合意で商品開発をすると100%失敗する」ということは真実だと思う。こういう頷けることも多い。「部下を育てる時の任せるポイント」にも大いに共感できる。
1. 任せる幅を「すべて」にする
2. 選択権・決定権は部下に委ねる
3. 結果責任を上司が取る
4. ポジションを与える
5. 経営する仕組みを作っておく
特に3と5は個人的にも大事だと常日頃考えているところである。

「人前で自分の夢を語れる上司が会社の成長を早める」というのはその通りだと思う。それなりに実績を残した人の言葉は実績の裏打ちがあるだけに力強い。大いに参考にしたいと思わされる一冊である・・・





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2018年08月09日

【素敵な日本人 東野圭吾短編集】東野圭吾 読書日記943



正月の決意
十年目のバレンタイン
今夜は一人で雛祭り
君の瞳に乾杯
レンタルベビー
壊れた時計
サファイアの奇跡
クリスマスミステリ
水晶の数珠

いつものは長編が多い東野圭吾の短編集である。
「正月の決意」は、ある夫婦が初詣に行き、神社の境内で町長が下着姿で倒れているのを発見する。警察が駆けつけて来て捜査を開始するが、妻が推理を働かせて意外な真相が明らかになる。ちょっとヒネったラストが面白い。
「十年目のバレンタイン」は、昔の彼女から突然会いたいと連絡を受けた作家が、レストランで女と会う。男なら誰でも期待してしまうが、意外な結末に思わずニヤリとさせられる。

「今夜は一人で雛祭り」は、妻亡き後、一人娘を育て上げた男にとうとう娘が結婚したいと男を連れてくる。しかし、その姑の態度に嫁いだ後の娘の苦労を思い浮かべる。自分の妻が苦労したのと同じ苦労を娘にはさせたくない。しかし、意外な真相を男は知ることになる。
「君の瞳に乾杯」は、場外馬券売り場で旧友に会い合コンに誘われた主人公。行った先でアニメ好きの女性と親しくなり、付き合い始める。しかし、どうもなかなか関係が進展しない。とうとう業を煮やした主人公の前で、女はメイクを落とす・・・

「レンタルベビー」は、ちょっと進んだ近未来社会。母親を疑似体験できるロボットベビーが開発される。何から何まで本物の赤ん坊そっくりのベビーで、女は子育てを始める・・・
「壊れた時計」は、金のために怪しげな仕事を引き受けた男。指定されたマンションの一室に入るが、突然知らない男が部屋に入ってくる。そしてアクシデントで相手を死なせてしまった男は、死んだ男の腕時計が壊れていることを知って考える・・・

「サファイアの奇跡」は、毛色がブルーという珍しいペルシャ猫のサファイアをめぐる話。一儲けしようと何人もの人間がブルーの毛色の子猫を生ませようとするが、なかなか上手くいかない。しかし、そこにある少女が現れる・・・
「クリスマスミステリ」は、女性脚本家と付き合っていた俳優が相手と別れたいと望むがウンと言ってもらえそうもなく、一計を案じて相手を殺そうとする。計画は失敗してしまうが、男の知らないところで女は死亡する。ほっと胸をなでおろした男の下に刑事がやって来る・・・

「水晶の数珠」は、父親に勘当されアメリカで役者になることを夢見る男に、実の姉から電話がかかってくる。仲違いしていた父親が癌で余命幾ばくもなく、誕生日パーティーに帰国しろと。気の進まないままに帰国すると、空港に着いた途端、父親から電話がある。そして再び喧嘩となり男はアメリカに帰ってしまうが、やがて父の訃報が届き、男は一族に伝わる水晶を受け取ることになる・・・

どれもこれも短い話の最後に意外なオチがつく。これがなんとも言えずにキラリと光るヒネリが効いている。読み終えて唸らされること、しばしばである。個人的には、「水晶の数珠」がいろいろと考えさせてくれる内容であった。1日だけ過去に戻れる力を持った不思議な水晶。祖父はその力で富を築き、父もそうだったのだろうと思っていたら、主人公はあることに気がついて愕然とする。事業をどういう気持ちでやって来たのか。そこを考えると、ストーリーとは外れたところで考えさせられる。なかなかいい話だと思う。

やはり面白い長編を次々に生み出す作家は、短編であっても変わらないと言える。
名手の妙技に思わず唸らされてしまう一冊である・・・





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