2019年11月01日

【孤絶 家族内事件】読売新聞社会部 読書日記1089



目次
第1部 介護の果て
第2部 親の苦悩
第3部 幼い犠牲
第4部 気づかれぬ死
第5部 海外の現場から

 普段、読売新聞を取っていないから知る由もなかったが、これは「読売新聞社会部」著とあるように、読売新聞で連載されていたものが書籍化されたものである。テーマは家庭内での事件。最近は子供の虐待がニュースを賑わせることが多い。社会で一番密接な社会単位であるはずの家族でなぜと思わなくもないが、それらの事件を1つ1つ取り上げた内容である。

 「介護の果て」は、文字通り老々介護をめぐる悲劇。冒頭から認知症の妻と7年暮らした男性が無理心中をしようとして自分は生き残ったケースが紹介される。81歳と80歳という年齢は、両親の年齢とほぼ同じであり、人ごとではない気がする。執行猶予付きの有罪判決を受けた男性を訪ねて話を聞いたものを紹介しているが、なかなか大変な取材だと思わされる。

 「親の苦悩」は、精神障害や病気、ひきこもりなどに悩んだ末に我が子に手をかけたケース。就職までは順調にいったのに、精神障害を引き起こしたケース。大変だろうけども何もなければいいのかもしれないが、暴力が伴うと穏やかではいられない。息子だけではなく、娘が暴力を振るうケースもある。 ひきこもりなどどうやったら防げるのかまるでわからず、我が身に起こったらと思うとゾッとする。

 「幼い犠牲」は、児童虐待。最近でも痛ましいケースが報じられている。事件が起これば児童相談所の対応のまずさが槍玉に上がることが多いが、限界もあるだろうし、なかなか難しいと思う。1つの事件だけを取り上げて対応が悪いと批判するのは簡単だが、実は似たようなケースで事件になっていないのも数多くあるのだという。どれが事件化するかなどわからないし、児童相談所の対応にも限界はあるだろう。それにしても、やはり子供が犠牲になるケースはやりきれない気持ちになる。

 「気づかれぬ死」は、孤独死。事件性がないという点では、まだマシと言えるが、誰にでも起こりうる問題であると思う。今家族がいるからといって大丈夫とは言い切れない。読んでいてやりきれなくなるということはないが、自分の親は大丈夫か、自分の場合はどうするかなど考えさせられるところである。

 最後に海外の事例が紹介されている。こういう問題に国境はないが、まぁいろいろとあるのだなと思わせてくれる。興味本位で手に取った本であるが、世の中のこと、自分のことをそれぞれ考えさせてくれる。無関心でいるわけにはいかないし、考える材料としてはこういう本も大事だと思わせてくれる一冊である・・・




posted by HH at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | ドキュメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする