2020年01月07日

【「開成×灘式」思春期男子を伸ばすコツ】柳沢 幸雄/和田 孫博 読書日記1109




《目次》
第1章 学校
第2章 勉強
第3章 人間関係
第4章 大学受験
第5章 家庭生活
第6章〈対談〉ギフト(天賦の才)を伸ばす教育とは?

 世の親の常であるように、私も子どもの教育には関心を持っていて、この手の本のタイトルを見れば一読してみようという気になるというもの。開成と灘という東西の名門高校の校長先生に25の質問をしてそれぞれについて回答してもらおうというもの。なかなか面白い試みであると思う。開成も灘も「戦前からの伝統校」「私立中高一貫男子校」「校風が自由」「東大に毎年多数の合格者を輩出」という共通点がある。両校の校風を知るという興味も持てる本である。

 東京大学に毎年多数の合格者を輩出していると言っても、何か特別のものがあるのでもないようである(謙遜なのか本当のところはわからない)。特にガリ勉ばかりというわけでもなく、開成は「自立と自律」を備えた大人へと育つ学校だとしている。灘はあえて放任主義をとっていて、制服もない。制服がないとなると、毎日何を着て行くか考えるのが面倒な気がする。しかし、服選びは子どもにさせるべしとする。全部親が用意すると、それは制服があるのと同じだとする。なるほどである。

 中高一貫校ってどうなのかと個人的には思う。受験という試練が自分にはいい経験だっただけに、疑問に思うところである。しかし、担任団が6年間持ち上がりで受け持つため、特定の担任と生徒が一対一の関係になりにくく、相性が悪くて苦労することがないとする。そのあたりは「そういうこともある」という程度だろうか。それでも高校入試が一応あって、「外の空気」が入る仕組みもあるらしい。

 流石に校長先生だけあって、教育について大いに頷かせられる考え方が随所にある。
 1. 成績が悪いからと部活をやめさせたところで、空いた時間を勉強に使うわけがない
 2. 社会にセクハラ、パワハラがあるように、学校にもいじめがあるという前提で考える
 3. 部活なしで中高の青春時代を何に使うのか
 4. 親の想像力の中で子どもの幸せを縛らず、自由に選ばせる
 5. 親の夢、親の意向もあるだろうけれど、親は結局、諦めざるを得ない
 6. 英語は情報交換の道具、大事なのは論理の構造
 7. 母親にとって保護者同伴時代からの卒業の時、手本を見せて生活力を養う
 8. 保護者は名脇役、時には斬られ役・敵役
 9. 精力善用・自他共栄

 携帯電話やパソコンなど新しい情報ツールとの付き合い方については、闇雲に否定するのではなく、付き合い方を教えるというところは面白い。あるネット中傷被害を受けた芸能人の手記を授業でテキストとして使うことをしたらしい。もっともいけないのは「制限する」ことだと思うので、この試みはさすがだと思わされる。我が家の子供たちに対する指導という点で参考にしたいと思う。

 開成でも東大よりハーバード大を志望したりする生徒が出てきているらしい。これからの時代、こういう考え方も出てくるのだろう。そういう動きに対応しながらもそれがすべてでないという柔軟性も大事なのだろう。2人の校長先生の回答を読みながら、我が子に対してどういう対応を取るべきか、いろいろと考えるヒントとさせていただいた。特に母親に対して、男の子から子離れするべしという意見には大いに賛同した。妻にも是非とも読ませたい一冊である・・・


posted by HH at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする