2020年01月14日

【1兆ドルコーチ−シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え−】エリック・シュミット/ジョナサン・ローゼンバーグ/アラン・イーグル 読書日記1111



原題:TRILLION DOLLAR COACH THE LEADERSHIP PLAYBOOK OF SILICON VALLY’S BILL CAMPBELL
《目次》
1 ビルならどうするか?―シリコンバレーを築いた「コーチ」の教え
2 マネジャーは肩書きがつくる。リーダーは人がつくる―「人がすべて」という原則
3 「信頼」の非凡な影響力―「心理的安全性」が潜在能力を引き出す
4 チーム・ファースト―チームを最適化すれば問題は解決する
5 パワー・オブ・ラブ―ビジネスに愛を持ち込め
6 ものさし―成功を測る尺度は何か?

 この本は、アメフトのコーチ出身でありながら、優秀なプロ経営者であり、スティーブ・ジョブズの師であり、グーグルの創業者たちをゼロから育て上げたというビル・キャンベルという人物を紹介したもの。残念ながらご本人は既にお亡くなりになっているそうだが、3人のライターが取材を通じて、そのコーチングを追ったものである。

 そのビル・キャンベルであるが、生前は毎週日曜日にスティーブ・ジョブズと散歩に行き、そこでいろいろと相談に乗っていたという。そんな関係になったのも、1985年にスティーブ・ジョブズがアップルから追放された時、それに抵抗した数少ない同社幹部の1人だったということにあるのかもしれない。そのあたりの経緯はとても興味があるが、この本では触れられていない。

 やっぱり元アメフトのコーチらしく、個人よりはチームを重視していたようである。それは、「企業の成功にとって重要な要素は、会社のためになることに個人としても集団としても全力で取り組むコミュニティとして機能するチーム」という考え方があったようである。そしてそのチームにおいては、まずマネジャーの役割が大事なようである。
 1. リーダーは部下がつくる
 2. 人がすべて
 3. マネジャーの最優先課題は、部下の幸せと成功
そんな考え方が紹介されるが、部下の立場ならそんなチームで働きたいだろう。

 マネジャーにとってコミュニケーションが大事で、それが会社の命運を握るとも言える。そのための最重要ツールは「1 on 1」を正しくやることだとする。これが、部下が実力を発揮し成長できるよう手助けできる最良の手段だという。この時、相手に神経を集中させ、じっくり耳を傾け、相手が言いそうなことを先回りして考えず、質問を通して問題の核心に迫ることが必要らしい。質問を通じたソクラテス方式の対話である。

 人はありのままの自分でいられる時、そして全人格をかけて仕事をするとき最も良い仕事ができるという。そのためにはチームとして「正しく勝利する」ことがすべてであるとする。正しく勝利するとは、「倫理的に正しく」という意味で、勝てば何をやってもいいということではない。このあたりは、スポーツであろうとビジネスであろうと、およそチームで何かを成し遂げようとする場合は必要なことだろうと思う。

 そんなチームにおいては、個人も求められるものがある。「知性」「勤勉」「誠実」そして「グリット」。チームファーストの姿勢が大事であり、物事がうまくいかない時には「誠意」「献身」「決断力」がリーダーには求められる。チームを良い状態に持っていけば、必ず問題をうまく解決することができる。人々が絆で結ばれる時、集団は強くなれる。まったくその通りでないかと思う。

 繰り返すようだが、スポーツもビジネスも「チームで成し遂げる」という点では同じである。元アメフトコーチであるビル・キャンベルが成功したのは、そういう意味で当然なのかも知れない。残念ながら本人は故人であり、直接その考えを知ることはできない。そういう意味では、本人の考えをもっと知りたかったと思う。それでも多くの人を取材して故人の成し遂げたことを再現したこの本でもそのエッセンスは感じ取れる。

 今、自分の所属している中小企業でも「チーム」の考え方は当てはまると思うし、それを重視したビル・キャンベルの考え方を是非とも実践していきたいと思う。どんな人だったのか。もっと早くにその考えに触れてみたかったと思う一冊である・・・

posted by HH at 00:00| 東京 🌁| Comment(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする