2018年09月04日

【クラシック天才たちの到達点】百田 尚樹 読書日記952



第1部 天才たちの青年期・壮年期
 第1曲 ショパン「ピアノ協奏曲第一番」
 第2曲 ベートーヴェン「第七交響曲」
 第3曲 モーツァルト「フィガロの結婚」
 第4曲 リヒャルト・シュトラウス「ツァラトゥストラはかく語りき」
 第5曲 メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」
 第6曲 ドヴォルジャーク「新世界より」
 第7曲 ヨハン・シュトラウス二世「美しき青きドナウ」
 第8曲 バッハ「無伴奏チェロ組曲」
 第9曲 プッチーニ「ラ・ボエーム」
 第10曲 ストラヴィンスキー「春の祭典」
 第11曲 フォーレ「レクイエム」
 第12曲 ベートーヴェン「第八交響曲」
 第13曲 リヒャルト・シュトラウス「サロメ」
 第14曲 ベートーヴェン「ピアノ協奏曲“皇帝”」        
第2部 天才たちの到達点
 第15曲 モーツァルト「三大交響曲」
 第16曲 ベートーヴェン「ピアノソナタ第三二番」
 第17曲 ブラームス「クラリネット五重奏曲」
 第18曲 スメタナ「モルダウ」
 第19曲 モーツァルト「ピアノ協奏曲第二七番」
 第20曲 ベートーヴェン「ディアベリ変奏曲」
 第21曲 シューベルト「ピアノソナタ第十九〜二十一番(遺作)」
 第22曲 モーツァルト「レクイエム」
 第23曲 ベートーヴェン「後期弦楽四十奏曲」
 第24曲 バッハ「フーガの技法」
 第25曲 リヒャルト・シュトラウス「四つの最後の歌」

 様々な小説を読ませて楽しませてくれ、ツイッターでは政治的発言で反対派を刺激している百田尚樹のクラシック音楽を扱った一冊。意外な気もするが、実はご本人は十代の頃にその魅力にとりつかれて以来、40年以上も耽溺しているクラシックファンなのだという。これはそんなクラシック音楽に対する思いを爆発させたような本。はっきり言って、クラシック音楽に興味のない人には面白くもない本だと思う。

 ここで採り上げられているのは、百田尚樹が厳選したのであろう全25曲。それぞれについて、曲にまつわる簡単なエピソードや著者のその曲に対する思いなどが綴られていく。元ネタを聞かないと解説だけ読んで想像するのも難しいが、それを見越してなのか巻末には全25曲のさわりを収録したCDが添付されている。聴きながら、というわけにはいかなかったが、気になる曲はすぐ確認できるのがありがたい。

 個人的にクラシックは嫌いではないし、現にバッハやモーツァルトやブラームス、スメタナなどのCDは個人的に所有している。そんな背景もあって、この本を手にしたという経緯がある。それでもただ聴くだけではなく、独自の解説がなされていたりすると、また違って聞こえるような気もする。例えば、最初のショパンの「ピアノ協奏曲第一番」については、「ショパンの代表作であり、恋人と破局した直後に作曲しもの」。著者も「大人になって鑑賞し直すと深い感動を与えられた」と語るとなると、イメージが変わってくる。

 それぞれの曲に対する著者の解説も興味をそそられるものである。
1. ベートーヴェン「第七交響曲」− ロック好きな友人が夢中になった!
2. モーツァルト「フィガロの結婚」− もっともモーツァルトらしさが詰まっている、台本と音楽の齟齬は微塵もない!
3. ヨハン・シュトラウス二世「美しき青きドナウ」− (父と子のワルツ戦争のエピソードが面白い)
4. バッハ「無伴奏チェロ組曲」− (バッハの妻アンナの物語が新鮮であった)
5. ストラヴィンスキー「春の祭典」− 才能を爆発させた若き天才の最高傑作!
6. リヒャルト・シュトラウス「サロメ」− 恋に狂った女の狂気を音で表現!
7. ベートーヴェン「ピアノソナタ第三二番」− 人類が残した最も偉大な曲!

 こうした解説を読めばどの曲も聴いてみたくなる。また、自分のよく知っている曲であれば、何気なく聴いていたあの曲にこんな背景があったのかと思わせてくれるものがある。25曲の内訳は、ベートーヴェンが最多の5曲であり、以降モーツァルト4曲、リヒャルト・ストラウス3曲、バッハ2曲となる。著者の好みがわかるようで興味深い。

 考えてみれば、音楽を言葉で表現するのは難しい。言葉は読めば誰でも理解できるが、音楽は黙って聴くと感じ方は人それぞれだからである。それでも、言葉で表現された音楽を聴くというのもまた新しい感じ方になるのかもしれない。
 ここに出てくる曲だけでなく、改めてクラシック音楽をじっくりと聴いてみたいと思わせてくれる一冊である・・・




posted by HH at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | 百田尚樹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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