2019年11月08日

【ビジネスの限界はアートで超えろ!−「ゼロ→イチ」の思考法「アートシンキング」入門−】増村 岳史 読書日記1091



《目次》
はじめに
第1章 ビジネスとアートの意外なつながり
第2章 アートの位置付け ――その意味と役割
第3章 アート・デザイン・クリエイティビティ ―それぞれの関係
第4章 アートのベースにはロジックがある
第5章 アートに見るイノベーションの要素
第6章 アートシンキング
第7章 実践! デッサンで思考をアップデート
おわりに

 ビジネスとアートとは、一見、なんの関係もなさそうであるが、実は最近アートを取り入れるリーディングカンパニーが増えているという。そこにはビジネスとアートの意外な繋がりがあり、著者はそんなビジネスとアートを結びつける事業を展開している人物。それはビジネスパーソンを対象にデッサンを教える事業だという。

 実は、絵(デッサン)を描くことによって、「右脳と左脳のバランスを活かした全体的な思考能力」と「新しいものを発想して行く能力」、「ものごとを俯瞰して捉え、調和のとれた思考能力を高める」のだという。そういう講座を著者は主催しているらしい。

 絵を描くことには、感性や感覚をつかさどる右脳と論理をつかさどる左脳を統合した調和のとれた能力が必要とされるらしい。今、MBAよりもMFA(美術学修士:Master of Fine Arts)がもてはやされているという。不景気になってもモノだけはあふれ続ける世の中で、魅力的な商品を生み出せるか、商品を開拓させられるかは、デザイン性・アート性が鍵となるという。MFAは右脳と左脳を統合してバランスよくものごとを考えることが可能とする。

 世の中では、全体を直感的に捉えることのできる感性、課題を独自の視点で発見し、創造的に解決する力の重要性が日増しに高まってきているという。テクノロジーはアートとの融合で鋭さを増し、データ可視化の基礎にデッサン力がある。トップ間の商談の際のアイスブレイクで芸術に関する話題が高い確率で出てくる。アートを学ぶことによって、経営者としての新たな知覚と気づきを手に入れるため、経営者はアートを嗜むらしい。

 昨今、デザイン・シンキングなど、「デザイン」も注目を浴びているが、デザインとアートはどう違うのかとふと思う。その答えも解説されている。すなわち、デザインはまず課題ありき。課題解決のための思考がデザインでありテクノロジーである。これに対し、アートやサイエンスは世の中に問題提起をするもの。深層的な思考であり、自己表出、新たな価値の創造、ゼロイチの思考だとする。なるほど、である。

 ゼロからイチを生み出す思考法、それがアートであるらしい。芸術と聞くと、ついつい自分には関係ないと思ってしまう身としては、どうにも辛いものがある。ロジックと感性との絶妙なバランスによって新たな価値を生み出す。センスを呼び覚まし、アートシンキングを実践して行く具体的方法が、「絵を観ること、絵を描くこと」だとする。ゆえに著者はそのための講座を主催している。

 著者が強調したいアートシンキングについてはよく理解できる。そのために基礎たるべきデッサンを学べという主張もなるほどである。だが、苦手意識を拭えない自分としては、思わず唸ってしまう。アートに即効性を求めてはいけないというが、なんとなく自分には「今からやっても」という感覚を覚えてしまう。この本で著者が説明したいことはよく理解できた。ただ、そこから先のハードルは高い。

 とりあえず、「アートシンキングとは」という入門編として、理解することはできた。まずそこから、として少しずつ意識していきたいと思わせてくれる一冊である・・・







posted by HH at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | ビジネス/自説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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