2020年06月19日

【ブスのマーケティング戦略】田村 麻美 読書日記1161



《目次》
第1章 自分を商品と考える
第2章 性欲をエネルギーに変えて商品力を高める
第3章 神童からただのブスへ
第4章 ブスが処女を捨てるとき
第5章 100回の合コンで学ぶ
第6章 ブスにとっての肩書きの重要性
第7章 ブス自身も顧客であった
第8章 ブスの結婚
第9章 ブスの起業
第10章 ブスの成功すごろくと美人の経年劣化

 著者は足立区で税理士をしているという方。ブスを自認し、それを悲観するどころか、いかにブスでも人生を楽しく過ごすか。それを実践して来た経緯を踏まえ、ブスの人生戦略の書としたのが本書。ちょっと変わった本である。その目的は、「ブスの幸せな結婚」および「ブスの経済的な自立」だとする。自虐書ではなく、れっきとして実用書だという。

 蝶よ花よと育てられた幼少期を経て、小学生で自分はブスだと自認したという。顔がでかく、鼻が低く、目が小さい。子供心にも他の子との比較で否応なしに気がついたらしい。面白いのは、自分を商品だと認識し、「見た目」の客観的査定を行うというところ。「見た目」「経済力」「学歴」「居心地(人柄)」「相性(個性)」の各項目について評価する。「見た目」では勝てないとなれば他を伸ばすしかない。

 驚いたことに、中学生で著者は性欲に目覚めたという。そして二十歳までに初体験をすると決意したらしい。しかし、イケメンは相手にしてくれない。そこで「優秀な男」にターゲットを変える。「優秀な男」とはすなわち勉強のできる男。そこで著者は勉強に励む。丸暗記スタイルの勉強法だったらしいが、それでも埼玉でトップの浦和一女に合格したというから大したものである。

 しかし、上には上がいる。地元の神童も神童の中に入ればただのブス。そこで一芸を磨き、「面白いブス」に転じる。知り合いの女性が会社で同期の女性と比べて評価されないことから、資格取得に走った愚を挙げ、その間違いを指摘する。すなわち、彼女の上司のニーズは「人柄の良さ」であり「仕事の頼みやすさ」であるのに、いくら資格取得に精を出しても報われないとする。実際、こういうことはよくある。著者の考え方は理に適っている。

 いかにブスでも幸せになるか。著者のとった行動は、プロダクト解析であり、セグメンテーションであり、3C分析であり、実にマーケティングそのもの。どうしようもない見た目は、最低限のレベルアップを心掛ける。「お手入れされた清潔感」は誰でも可能である。実はこれができていない不美人が多いのも事実である。そして自ら告白し、18で処女を捨てる。目標には期限を設定しようというのもビジネスでは当たり前である。

 最初の相手に振られた後、友人たちと合コンに行きまくる。「ブスの合コンは場数」と著者は語る。100回の合コンで次のデートに持ち込めたのは10回あるかないか。かなり低いが、「ブスの一番ダメな点は行動しないこと」と語る著者は、合コン経験者にはよくわかる。合コンでは自己紹介のテンプレを準備し、傾聴の姿勢で相手の話をとにかく聴く。ほめ会話を続け、自己PRは禁止。こうなると男も居心地が良いだろう。

 そして社会に出れば、国家資格を取り肩書きを増やす。「ブスは肩書きの数だけ強くなれる」とする。経済力があれば1人でも生きていける。実際、美人の友人が夫婦仲が悪化したものの、経済力がなくて別れられないという姿を目にし、その思いを強くする。幸い、著者は優しい旦那さんと出会い、可愛い娘さんをもうけ、税理士として独立し、早稲田の大学院でMBAを目指しているという。これだけの行動力があればそれも当然だろう。

 「○○でないからダメ」とはよく聞く言い訳。「だったらどうする」というのが正しい姿勢。著者は中学生からそれを実践してきたわけで、大したものだと思う。それでも「武器を装備し続けた人柄のいい美人には勝てない」と語るが、誰もが努力すべきことはあり、克服できないものはないと思わせてくれる。ビジネスの戦略にも通じるブスの戦略。ブスでなくても誰でも取りたいもの。誰もが一読すべき一冊である・・・






【おまけの追記】
 要所要所に著者の写真がふんだんに使われている。本人がいう通り、確かにブスに見えるものも多い。しかし、表紙の写真にしろHPの写真にしろ、それほどのブスには見えない。それはおそらく、著者が「自分磨き」をした結果かもしれない。合コンで、傾聴の姿勢を取り、ひたすら相手に楽しんでもらおうと心掛けたというが、自分の欠点を自覚し、相手のことを考えて行動する過程でいつの間にか磨かれていったのかもしれない。

 美人でも冷たい感じのする女性はいる。顔は可愛くてもそれだけで好感がモテるというわけではない。そういう意味では、著者は「心美人」なのかもしれないと本を読みながら感じたのである・・・





posted by HH at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | ビジネス/戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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