2020年01月08日

【感動する!数学】桜井 進 読書日記1110



《目次》
第1章 数学とは「発見」だ!
第2章 数学とは「芸術」だ!
第3章 数学とは「ドラマ」だ!
第4章 数学とは「宇宙」だ!
第5章 数学とは「夢」だ!

 数学に魅せられて数学の世界に入り、塾講師などを仕事としている著者による、いわば数学雑学と言える一冊。もともと自分は文系人間であるが、なぜか数学は好きで(「できる」ではなく「好き」である)、今でも高校を卒業した娘に数学の教科書をもらって問題を解いているほどである。そんな自分だからこそ、興味を持って手にした次第である。

 数学はそれまでなかったものを「発明」するようなものではなく、もともと数学の世界に存在していた法則やルールのようなものを見つけ出す、つまり「発見」することだと言う。言われてみればその通り。そしてそんな数学の発見は、「ユニバーサル・アート」だと言う。自分以外の約数を足すと自分の数になる「友愛数」などは、よく見つけるなと思ってしまう。芸術と言いたくなるのもよくわかる。

 個人的には、以前より「黄金比」については不思議この上なく、これは芸術以上のものだと感じている。パルテノン神殿、ミロのヴィーナス、オウム貝が描く螺旋、ひまわりの種の配列などいろいろなところに見られる黄金比。1:1.618{(1+√5)/2}の比率になっているのは一体なぜなのだろうと思わざるを得ない。証明されるのに350年かかったフェルマーの最終定理は難しすぎるが、シンプルな黄金比に魅了される理由はよくわかる。

 雑学的に面白いと思ったのは、単純な確率問題。クラスに同じ誕生日の人がいる確率について、23人のクラスで50.7%、40人のクラスで89.1%、57人のクラスで99%と言われると、本当かと思ってしまう。しかし、3人の場合、その確率はP3=1-(365/365+364/364+363/365)=0.83%と計算して行くとそうなることを示されると愕然とする。こういう例は結構あるのだと思う。感覚に頼るのではなく、冷静に数字を計算してみる重要性と言えるだろう。

 また、数学は宇宙共通言語であるとか、地球より2メートル大きな天体の円周と地球の円周を比較すると、その差は6メートルちょっとしかないといった話は単純に面白い。そしてなんといってもπの話がまた不思議である。3.14・・・の数字は無限であり、その中に例えば個人の生年月日から電話番号、クレジットカードの番号などの数字がすべて入っているという話は、船井幸雄が晩年狂っていた聖書の謎なんて話よりずっと真実味がある。

 そのπであるが、無限であるのはいいとして、そうだとするとπから求められる円周は有限という事実と矛盾してしまう。これはどう解釈すればいいのだろうか。この本にははっきりとした答えは書かれていない。書かれていたとしても理解できるかどうかはわからないが、考えてみても面白い問題だと思う。

 数学といっても、物理学とはほとんど隣接していて、相対性理論や素粒子論の話も出てくる。そのあたりは文系理系は関係なく読める。内容は雑学としてみてもいいし、文系でも数学の奥深さが感じられる一冊である・・・




posted by HH at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | 科学・化学・数学・物理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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