2010年02月28日

【ボックス!】百田尚樹 読書日記44


ボックス!

ボックス!

  • 作者: 百田 尚樹
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2008/06/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




第1章 耀子、風を見る     第16章 国体
第2章 いじめられっ子     第17章 見舞い
第3章 モンスター       第18章 スパーリング
第4章 事件          第19章 転向
第5章 ジャブ         第20章 選抜予選
第6章 サイエンス       第21章 遁走
第7章 右ストレート      第22章 デビュー戦
第8章 マスボクシング     第23章 最後のスパーリング
第9章 国体予選        第24章 軍鶏
第10章 文武両道        第25章 インターハイ予選
第11章 恐怖心         第26章 ロードワーク
第12章 ケンカ         第27章 リミッター
第13章 インターハイ      第28章 国体予選
第14章 合宿          第29章 決戦前夜
第15章 左フック        第30章 惨劇

「永遠の0」に心を打たれ、「風の中のマリア」で従来にない物語に驚かされた百田尚樹の、また別の作品。

今度は高校のアマチュアボクシング。
タイトルの「BOX」とは、英語でお馴染みの「箱」という意味以外に「ボクシングをする」という意味があるところからきている。
ボクシングの試合で、レフェリーが両選手に向って闘うように促す言葉(一般的には「ファイト!」と言う方が馴染みがある)でもあるという。

主人公は幼馴染である二人の高校生。
勉強は駄目だがボクシングに天才的な才能を発揮する鏑矢義平、そして勉強は抜群に出来るが、中学時代からいじめられっ子だった木樽優紀。
同級生の目の前で、中学時代のいじめっ子に殴られて面目を失う優紀。
かたやカブちゃんこと鏑矢は、電車の中で5人の不良に絡まれていた教師高津耀子を一瞬にして相手を叩きのめして助ける。
悔しさをばねにカブちゃんのあとを追ってボクシングを始める優紀。

天才ゆえにたいして練習をしなくても強いカブちゃん。
優紀は黙々とトレーニングを愚直なまでに重ね、いつしか次第に周囲が驚くような変身を遂げていく。そして二人の前に立ち塞がる超高校級のボクサー稲村。

スポーツドラマにありがちな、「ライバル」「友情」「ハードトレーニング」「ヒロイン」といったキーワードをふんだんに交え、主人公の成長とともにストーリーは進む。
「風の中のマリア」でもそうだったが、素人ながらボクシング部の顧問になった高津耀子先生の目を通して、我々も読み進めていくうちにすっかり高校アマチュアボクシングに詳しくなってゆく。年の差もあってヒロイン高津と主人公二人の間にはロマンスは生じない。
しかし、恋人ともただの生徒との間とも違う微妙な関係が、ストーリーに彩りを添える。

まるで目の前で試合を観ているような錯覚に陥る文章。
思わず手に汗を握る試合展開。
彼らの一喜一憂が伝わってきて何度も胸が熱くなる。
そして勝敗の行方がまったく予想できない試合展開。

最後の大勝負が終わったあとに続くエピローグがまたいい。
物語の締めはちょっと切なくも清々しさが漂ってくるエンディング。
読み終えたあともずっと余韻が心に残る。
これほど面白いスポーツドラマにはそうお目にかかれるものではない。
この本に出会えてよかったと思わせられる一冊である・・・



posted by HH at 10:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 百田尚樹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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