2010年05月15日

【パラドックス13】東野圭吾



東野圭吾といえば、現実世界を舞台としたミステリーが主流である。
しかし、本作は非現実世界を舞台としたちょっと珍しい作品。
著者名を伏せて読むと伊坂幸太郎かなと思ってしまうかもしれない。

事業仕分で一躍有名になったJAXAから内閣総理大臣に報告が届く。
ブラックホールの影響で、「P−13」現象なるものが起きると予想される。
しかし、その「P−13」現象なるものは、時間が13秒ずれるという事以外詳しい事はわからない。
そうして、その時がやってくる。

主人公は久我誠哉と久我冬樹の二人の異母兄弟。
二人とも刑事であるが、兄は警視庁のキャリアで弟は所轄勤務と差がある。
ある重要犯罪の逮捕現場でその時を迎える。
突然まわりから人々が消えてしまうのである。

誰もいない東京の街。
それでもうろうろする間に、同じ境遇の者たちと出会う。
誠哉と冬樹の兄弟に老夫婦、男3人、女3人そして子供と赤ん坊。
やがてヤクザも合流する。
どうしてこうなったのか、誰にもわからない。
解明しようとしているとやがて起こる天変地異。
異常な状況下でのサバイバルが始まる。

誰もいない東京でのサバイバル。
自然発生的にリーダーシップを発揮するのは誠哉。
徐々に明らかになる生存者たちの素生。
協力があって反目があって恋愛感情があってと、こうしたサバイバル系にはよくあるパターンであるが、どんな結末があるのかとついついページをめくるスピードが速くなる。

自分だったらどうするだろうと思わずにはいられない。
こうした異常な状況下でこそ、その人本来の姿が現れるもの。
自分はしっかりしていたいなとやっぱり思う。
一気に読み終えてしまったが、人間の運命を分けるものってなんだろうと考えた。

沈着冷静であっても自分勝手であっても奉仕精神が高くっても、それが生き残る理由とはならない。
やっぱり運の一言につきるのだろうか。
そんな事を考えさせられた・・・



パラドックス13

パラドックス13

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2009/04/15
  • メディア: ハードカバー



posted by HH at 23:50| Comment(0) | TrackBack(1) | 東野圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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