2011年12月23日

【「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力】 中林鉄太郎/安西洋之




CHAPTER1 世界のお客さんの「頭の中」
CHAPTER2 世界で売れる8つの日本製品
CHAPTER3 現地化のチェックポイント
CHAPTER4 ローカリゼーションマップを作る

「マルちゃん」とは、「赤いきつね」と「緑のたぬき」でお馴染みの東洋水産のカップ麺である。
日本では、「カップヌードル」の日清食品がカップ麺のトップブランドであるが、アメリカやメキシコではマルちゃんなのだという。
タイトルを見て、まずそのあたりの事が書かれているのだろうと勝手に解釈して手に取った本である。

ところが、それは早とちり。
「マルちゃん」は、この本で主張するローカリゼーションの成功例としての象徴でしかなかった。
印象的なタイトルではあるが、誤解を招くし、個人的にはそれでがっかりしたので、このタイトルはいかがなものかと思わざるを得ない。

日本の寿司がアメリカでは何だか変にアレンジされて、これが寿司かと言えるような代物になって、それをアメリカ人がうまそうに食べているのを何かの番組で見た事がある。
逆に、アメリカで流行のアイスクリームを現地で食べて、「もういいや」と思った事がある。
日本に上陸したあとは、微妙に日本人の舌にあわせてアレンジされていた。
こうした例は、どれもがローカリゼーションの例である。

世界の人々は、同じ人間ではあると言え、どこの誰もが同じように評価するとは限らない。
この本では、現地で成功するための「ローカリゼーション」をキーワードとして解説してくれる。
残念ながら「マルちゃん」は、少しでも語られるかと期待したが、ほとんど期待したほど言及がなかった。

「ローカリゼーション」が本当に必要か、について著者は二つの必要性を説いている。
一つは「市場のユーザー目線に立って必要性の有無を考える」というごく当たり前の回答で、もう一つは「現地の人の最低限の期待値をクリアする」という事である。
「期待値のクリア」とは、自分達の事をわかっていると感じてもらう事で、自分達に対する抵抗感を回避するものだという。

いまは「グローバル」と言う事が叫ばれている。
しかし著者によれば、「グローバルとはローカルの集合体」なのだと言う。
だからグローバルを目指すにしても、きちんとローカルで評価される必要性があるのだと。
そんなローカルで評価されている商品の例も多数紹介されている。
醤油なども、アメリカでは「肉に合うソース」という位置付けらしい。
やっぱりそういう話の方が、理論説明よりも面白い。

ちなみに気になるマルちゃんは、メキシコの労働者たちが帰国する際に、アメリカ土産として買って帰り、辛いソースを入れて食べるようになったのが始りだと言う。
そういうエピソードの方が、個人的には好きである。
内容自体は悪くはないと思うのだが、やっぱり始めの期待値が大きかったので、その期待路線からずれてしまった分は、興味が薄れてしまったと言える。

タイトルはやっぱり実質的な本の内容を表してほしい、と思う一冊である・・・


                        
posted by HH at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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