2011年12月24日

【白銀ジャック】東野圭吾



タイトルから連想できる通り、スキーに関連した物語であり、舞台となるのはスキー場である。
クロス大会も近づき、新月高原スキー場では関係者が十分な積雪に恵まれ安堵していた。
ところがそこに送られてきた脅迫メール。
ゲレンデのどこかに爆弾を埋めたと。
要求に従わなければ、爆弾のスイッチを入れる、と。

場所によっては雪崩へと繋がり、死傷者でもでれば甚大な被害が予想される。
警察に届ければ、安全のため営業を停止させられる。
下手をすれば1シーズン閉鎖という事態も想定され、スキー客が減少している昨今、それはスキー場の存続をも左右する事態となる。
現場スタッフの思いとは別に、経営者は犯人との取引に応じる選択をする。

現場責任者の倉田、パトロールの根津・絵留・桐林、新月高原スキー場の事故で妻を失った入江親子、社長の筧。
見えない犯人からの要求と、緊迫する現金のやり取り。
隣町の町長や、ゲレンデに来た客など登場人物が入り来る中で、事件は進展していく。
そして意外な真相。

ゲレンデを舞台にしたものとしては、 「カッコウの卵は誰のもの」があるが、こちらはスキーやスノーボードでの滑降シーンの描写なども詳しく、なんとなくスピード感溢れる展開という印象を受ける。
それにしても単なる脅迫事件にとどめず、面白いストーリーを考えつくものだと感心させられる。

最後まではっきりしない犯人像をあれこれと推測しながら読むのもまた楽しいところである。
もともとスキーが好きなのか、それともプロの作家らしく詳しくはなくとも書けるのか、あらゆるところを舞台としてしまうところはいつもながらさすがである。
スキーに興味はなくても楽しめる一冊である。


                            
posted by HH at 21:40| Comment(0) | TrackBack(3) | 東野圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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