2013年01月27日

【県庁おもてなし課】有川浩



ことのはじまり
1. おもてなし課、発足。−グダグダ。
2. 『パンダ誘致論者』、招聘−なるか?
3. 高知レジャーランド化構想、発動。
4. 順風満帆、七難八苦。
5. あがけ、おもてなし課。−ジタバタ。
6. おもてなし課は羽ばたく−か?

有川浩の本を読んだのは、 「フリーター家を買う」が最初である。
シンプルだが、明るいストーリー展開が気に入り、その他の著作も気になっていたのだが、今回その一冊を手にした。

舞台は高知県庁。
県庁の観光課の中に新設された「おもてなし課」。
観光立県を目指し、県外観光客を文字通り「おもてなし」する心で県の観光を盛り立てようというコンセプトでネーミングされた課である。
主人公の掛水史貴は、入庁3年目のおもてなし課では一番の若手。

その「おもてなし課」が、観光発展イベントとして、「観光特使」という制度を始める。
高知県出身の著名人に観光特使となってもらって、県の魅力をPRしてもらおうというものである。
そして掛水は、著名人の一人、作家の吉門喬介に連絡を取る。
まずは特使名刺を配ってもらおうと考えていた。

しかし、「お役所仕事ペース」で事を進めようとした掛水は、矢継ぎ早の吉門の指摘にタジタジとなる。
「民間感覚」の欠如を痛感した掛水は、それを補うべくなぜかアドバイスをくれる吉門に食い下がって行く。
そして、そのアドバイスの一つに従い、明神多紀をおもてなし課のバイトとして採用する。

さらに、吉門の紹介でかつて県庁に在籍し、『パンダ誘致論』を展開して役所を追われた観光コンサルタントの清遠和政をアドバイザーとして招き入れる。
清遠は、高知県民が当たり前過ぎて見落としている地元の魅力を最大限引き出す「高知レジャーランド構想」を提案する・・・

高知県の観光事業を進めて行くべく奮闘する掛水。
その奮闘を縦糸に、そして多紀とのロマンスや吉門、清遠和政、さわ親子らとの人間関係を横糸にして物語は進んでいく。
「フリーター家を買う」もそうであったが、有川浩の文章はシンプルかつさわやかだ。
次第に形になって行くプロジェクトは、しばし本物かと錯覚するほどのもの。
掛水と多紀、吉門とさわの物語も含め、ストーリーも面白い。

実際に高知県庁に「おもてなし課」はあるそうであるが、物語にあるような構想はまだないようである。
それがちょっと残念な気もするが、思わず高知に旅行に行きたくなってしまう一冊である。

     
posted by HH at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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