2013年04月06日

【阪急電車】有川浩 読書日記325



宝塚駅
宝塚南口駅
逆瀬川駅
小林駅
仁川駅
甲東園駅
門戸厄神駅
西宮北口駅
そして、折り返し・・・

阪急電車というタイトルであるが、正確に言えばここに登場するのは阪急今津線。
宝塚駅から西宮北口駅までのわずか8駅のローカル線である。
宝塚駅を出発した車両に乗り合わせた人々を主人公にしたこの物語。
着想と物語の展開がとてもユニークである。

個人的にはかつて逆瀬川に行く時に、西宮北口からこの阪急今津線に何度か乗った事がある。何となく記憶に残っているだけに、情景が思い浮かぶというのも読む楽しみに加わったところがある。今でも当時と変わらないのだろうか・・・

初めに登場するのは征志。
宝塚中央図書館にたびたび通う征志は、そこで時折見かける本の趣味が似ている女性に興味を持っている。声をかけるチャンスなど思いもしなかったが、そんな彼女が何と隣の席に座る。

宝塚南口駅から乗り込んできたのは翔子。
会社の同僚の結婚式帰りの翔子は、なぜか結婚式ではタブーとされている白いドレスに身を包んでいる。おばあさんに連れられた小さな女の子が、その翔子を見かけて「花嫁さん」と声を上げる。さらにその翔子を見ていたカツヤとミサのカップルが喧嘩を始める。そしておばあさんがミサに囁く・・・

カツヤと別れたあと、ミサは車内で高校生グループと一緒になる。
彼女たちのほのぼのとした会話に笑いがこみ上げてくる。終点まであと一駅となって混み合う車内で、同じ大学に通う圭一と美帆が知り合う。圭一も美帆もそれぞれ高校時代にトラウマを抱えており、大学生活で心機一転しようと考えている。

それぞれに短いエピソードが連ねられ、そして半年後、今度は西宮北口から折り返した電車の中で、それぞれの登場人物の半年後が描かれる。どのエピソードもほんのり温かい。普段何気なく利用している電車にも、同じようなエピソードがたくさんあるのかもしれない、と考えてみる。今度電車に乗ったら、乗り合わせた人々をよく見てみようかなと思ってしまう。

有川浩の小説は、基本的に優しさが伝わってくる。
読んでいて心地良い気持ちにさせてくれる。
また次も。
そんな気にさせてくれる作家である・・・


  
posted by HH at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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