2014年01月05日

【ソロモンの偽証 第T部 事件】宮部みゆき 読書日記393




宮部みゆきの長編3部作の第1部。ページ数は第1部で741ページとかなり読み応えがある。前知識なしで読み始めたため、どうなるかわからない展開がなかなかいい。

冒頭、何やら意味あり気なエピソードが出てくる。クリスマス・イヴの晩。一軒の電気屋の前の公衆電話ボックスに佇む一人の男の子。時は1990年。まだ携帯電話のない時代である。このエピソード、きっとあとで何かで出てくるのだろうと思う。

そして舞台は変わる。物語の中心となるのは城東第三中学校。一人の生徒柏木卓也がクリスマスの朝、学校の裏庭で死んでいるのが発見される。発見したのは、同級生の野田健一。そして、物語の主要メンバーが登場する。同じ同級生で、刑事を父に持つ藤野涼子、幼馴染み同士の倉田まり子と向坂行夫、三宅樹里と浅井松子のコンビ、問題児の大出俊次、井口充、橋田祐太郎等々。

長編のスタートとあってそれぞれの登場人物たちが紹介される。中学生たち以外にも、少年課の刑事、校長先生以下の教師、デレビ局のレポーター、各生徒たちの家族。それぞれ順番に登場し、一人の生徒の死を巡る背景が描かれていく。

よく学校の問題としていじめが取り上げられるが、ここでもそれは出てくる。そして隠ぺい体質と言われる学校の事情も描かれる。確かに、外部から見れば隠ぺい体質と言われても仕方ないが、それでも学校側には学校側の事情がある。生徒のプライバシーに関しては、公表などできない。

警察の事情、ありがちな保護者と学校の関係。個人的には物語の背景となるこれらの事情が興味深いところであった。そして柏木卓也の死を巡る疑惑が出てくる。自殺なのか他殺なのか。ストーリーが幾重にも織り込まれていく。

織り込まれた糸が、最後にどのような全体像を見せてくれるのであろうか。この後を楽しみに読みたいと思う第T部である・・・

   
posted by HH at 18:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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