2014年01月30日

【ソロモンの偽証 第V部 法廷】宮部みゆき 読書日記397



いよいよ第3部。
城東第三中学校の体育館で学校内裁判が開始される。主役は3年生の生徒たち。先生たちや親たちや、刑事の礼子もジャーナリストの茂木も傍聴にやってくる。

判事を務めるのは、学年トップの秀才井上。その井上が開廷宣言をする。
検事はこの物語の主人公とも言うべき藤野涼子。
弁護人は、他校の生徒である神原和彦。期間は5日間である。

裁判とは言ってもそこは中学生のそれ。実際の裁判ほど厳格ではないが、そうは言っても「中学生にこんな発言はできないよなぁ」というシーンが幾度も出てくる。それはそれ、フィクションの世界と割り切ってみるつもりではあるものの、やっぱり気になってしまう。性格だろうか。

次々に登場する証人。やはり「告発状」を書いた生徒の証言とか、物語の核心に近い人物の証言は興味深い。様々な証人たちの証言が組み合わされて、事件の姿が次第に浮かび上がってくる。やがて中学生を主人公に据えた事が、裁判の形に自由度をもたらせている事に気がつく。普通ならあり得ないパターンも、この形なら許される。

クライマックスに大きな爆弾が仕込まれていそうな気がしていたが、やはり案の定、一度、二度と爆発する。気がつけば、不思議と感動モードに入っている。最後の陪審員判決は心温まる内容だ。

3冊でそれぞれ700ページを越える大作で、読むのに骨が折れた。書く方もよくぞここまで書いたものだと思う。宮部みゆきは、いろいろなテイストの小説を書く。ミステリーだったり、時代劇だったり、この小説のような何のジャンルか良くわからないようなものだったり。それぞれに特色がある。

今度はどんな作品が出てくるのだろう。次回作をちょっと楽しみにしたいと思う大団円の一冊である・・・


   
 
  



posted by HH at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック