2014年06月03日

【祈りの幕が下りる時】東野圭吾



“ガリレオ”シリーズと並んで東野圭吾作品のもう一つのキャラクターである“加賀恭一郎刑事”の最新作である。
このシリーズ、どちらもハズレがなく安心して読めるところが良い。

物語は仙台で始まる。
スナックを経営する宮本康代の元に友人から電話がかかってくる。
一人雇ってほしい、と。
そしてやってきた女性が、田島百合子と名乗る女性。
以後、百合子は康代のスナックで働き始める。

一方、東京の葛飾小菅で女性の他殺体が発見される。
捜査にあたるのは警視庁捜査一課の松宮。
シリーズを読んでいればすぐにわかるが、松宮は加賀恭一郎の従兄弟である。
被害者を調べていた松宮たちの捜査線上に浮かんできたのは、元舞台女優で今は演出家・脚本家の角倉博美。
折から日本橋明治座で新たな舞台が始まろうとしていた。

一見、何の関わりもなさそうに始まった二つの物語。
捜査は警視庁捜査一課を中心に行われるが、そこに日本橋署の加賀刑事が意外な形で絡んでくる。
「新参者」 「麒麟の翼」と読んでいると、加賀と日本橋のつながりもスムーズに入ってくる。

事態は意外なつながりをもって展開していく。
例によって単に「誰が誰を殺した」というだけでなく、深い人間関係が描かれていく。
その底辺には、「哀しさ」が漂う。
こうした人間ドラマも加賀恭一郎シリーズの魅力と言える。

シリーズモノの良さは、それまでのシリーズで登場人物たちの背景が描かれており、その世界にスムーズに入っていけることが挙げられる。
単発で読んでも悪くはないが、シリーズを通して読んだ方がより深い味わいが得られる。
これからまだまだ続くのだろうが、読み続けていきたいシリーズである。


posted by HH at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東野圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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