2015年06月02日

【モノの原価がまるごとわかる本】ライフ・リサーチ・プロジェクト編



第1章 「身近な商品」の不思議な原価の話
第2章 激変する「モノの値段」の裏に何がある?
第3章 原価でわかる日本の「今」と「これから」
第4章 経済の「ウラの仕組み」が見える原価の秘密
第5章 モノの原価から読み解く「業界地図」

大概の本はタイトルを見てその内容を想像する。
そして内容にはタイトルだけでは表せきれないものを想像し、期待する。
そんなプラスアルファの期待を込めて手に取った一冊であるが、見事に期待を裏切られてしまった。

いや、正確に言えば内容はタイトル通りであり、嘘はない。
勝手に期待した方が悪いのである。
「モノの原価がまるごとわかる本」がこの本のタイトル。
そして、内容はその通りであるが、ただ「モノの原価以外には何もわからない」という但し書きがつくのである。

初めに、「身近な商品」ということでいろいろ紹介される。
例えば冒頭は駅の立ち食いそば。
「原価は麺が30円、ダシ20円、それにネギを乗せて計60円弱といわれている」とある。
かけそばの売値が250円とした場合の原価は、まあ上記の通りだとしよう。
「だから?」と思うも、それだけで、「ハイ、次」である。
その連続。

確かにモノの原価がわかる。
ただ、それを「あれはいくら」、「これはいくら」と延々と続けられると、辟易してしまう。
一体この本は何を訴えようとしているのだろうか。
単なる雑学だろうか。

そもそもであるが、原価がわかったところでどうだと言うのだろうか。
そこに大きな意味はない。
かけそばの原価が1杯いくらかわかったところで意味はないし、そもそもその「1杯いくら」ですら、前提が変われば変わるものである。

まぁ仮に長く商売していれば、平均値も一定してくるので、原価も決まるとしよう。
だが、商売は1杯ではない。
1日何杯売れたか、1週間で何杯売れたか、1カ月ではどうか。
人件費も加われば、賃料や水道光熱費などの固定費もかかる。
それらをトータルして収益状況を出さないと意味はない。

そういう風に考える人にとっては、大まかなそば屋の採算までわかった方がいいし、それには1杯当たりの原価だけでは中途半端である。
まぁ知らない人には雑学としては面白いのかもしれない。
「バイキングは食材の廃棄ロスが少ないから店にとってもオイシイ」
「清涼飲料水は容器代が最も高い」
「ドリンクバーは集客メニュー&高収益商品」
「映画の入場料金1,800円でも高いとはいえないウラ事情」
など、確かに雑学としての面白さはある。
ただ、それ以上のものはない。

看板に偽りはないのであるが、ちょっとがっかりしたことは事実である。
ふだんあまり、モノの原価などというものに関心がない人にとっては、雑学的な面白さはあるかもしれない。
そういうつもりで、手に取るべき一冊である・・・
    
posted by HH at 22:25| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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