2015年07月13日

【マスカレード・イブ 】東野圭吾



それぞれの仮面
ルーキー登場
仮面と覆面
マスカレード・イブ

似たようなタイトルだと思っていたら、実はそれもそのはず、『マスカレード・ホテル』の続編だということであった。
「続編」と言っても、時系列からすると、この本は『マスカレード・ホテル』の前日譚にあたる物語である。
(だから、「イブ」なのだと思う)

『マスカレード・ホテル』で舞台となったホテル・コルテシア東京。
本作でもその舞台は同じ。
ホテル・コルテシア東京のフロントに立つのは、山岸尚美。
前作の主人公の一人である。

そんな尚美の前に現れた客は、かつて学生時代に付き合っていた男宮原隆司。
宮原はある大物芸能人のマネージャーをしているが、その夜、尚美の携帯に宮原から「大変なことになった」と電話がかかってくる・・・
(『それぞれの仮面』)

前作でのもう一人の主人公新田は、ホワイトデーの翌朝、彼女と二人でホテルでくつろいでいるところを殺人事件が発生し、呼び出される。
殺されたのは実業家の田所昇一。
さっそく、夫人の美千代に事情聴取に出掛ける・・・
(『ルーキー登場』)

三連休の前日、フロントに立つ尚美の前に、オタク風の男たちがやってくる。
男たちは、宿泊客の「タチバナサクラ」の部屋を教えてほしいと要求してくる。
「タチバナサクラ」は売り出し中の謎の女流作家。
尚美は、当然ながら答えられるわけもないが、男たちはそのままロビーで“張り込み”をする・・・
(『仮面と覆面』)

尚美はホテル・コルテシア大阪の新規オープンに際し、助っ人として派遣される。
一方、東京のとある大学の教授室で、ある教授が刺殺されているのが発見される。
容疑者の最有力候補は、准教授の南原。
生活安全課から回された婦警穂積理沙と組むことを命じられた新田が、しぶしぶと捜査にあたる。
やがて南原は、事件当夜ホテル・コルテシア大阪に宿泊していたとのアリバイを主張する・・・
(『マスカレード・イブ』)

前作でペアを組んだ尚美と新田は、それぞれ登場するものの、この本では二人に接点はない。
しかしながら、前作につながる推理の片鱗がここでも十分発揮される。
尚美は、フロント業務をこなしながら、さまざまな客の仮面の下の素顔を推理していく。
事件の推理とは違うものの、かのシャーロック・ホームズのごとき細かい観察による推理は、なかなか楽しませてくれる。

短編の形式をとりつつ、前作の前哨戦となっているわけで、そのあたりも“一粒で二度のおいしさ”を味わわせてくれる感がある。
こうなると、この『マスカレード』シリーズも継続するのかという期待を持ってしまう。
それならそれで、違った楽しみも味わえるかもしれない。

いずれにせよ、いろいろと幅広く楽しませてもらえる東野圭吾作品。
今回も期待通りであった・・・

posted by HH at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 東野圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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