2015年08月04日

【狼たちへの伝言】落合信彦 読書日記571



まだ社会人になって間もない頃、どういう経緯だったかは忘れてしまったが、読んで衝撃を受けた本である。
久しぶりに著者の落合信彦の名前を見かけ、本棚の奥から引っ張り出してきて、パラパラめくっているうちに読み返したくなってしまった一冊である。

書いてあることは、落合信彦氏の実体験に基づく人生観。
タイトルにある「狼たち」とは、真の男たらんとするものたちということだろう。
女性が活躍する時代というのは、基本的に平和な時代。
それはそれで素晴らしいし、否定する気はない。
だが、その中にあって、「男たるもの」とやっぱり考えてみる必要はある。

衝撃を受けたのは、著者の実体験。
中学生の時に父親は女を作って出ていく。
「お前たちも好きに生きろ」と言い残して。
そして日本に幻滅した著者は、アメリカ行きを決意する。

決意しても、貧困母子家庭に留学費用なんてない。
英語の辞書を1ページずつ破り捨てる方法で英語を学び、アメリカ大使館に行って直談判し、アメリカの大学入学試験を受けさせてもらい、奨学金も確保して合格する。
されど渡航費用がなくて、横浜の港に泊まり込んで船を捜し、頭を下げまくって臨時船員としてアメリカまで乗せてもらう。
着いた西海岸から、コーラで腹を満たしながら大学のある東海岸までヒッチハイク。
今読み返しても胸が熱くなるようなど根性だ。

男にとって大事なのは、おしゃれなんかより生き様だと語り、イイ女を抱きたかったらエキサイティングに生きろと説く。
「ケンカもできないヤツ、弱いヤツは男としてダメだ」との主張は、女性が聞いたら顔をそむけるかもしれない。
けれど、「男にとって力は絶対必要だ」という主張は、それまでの自分の意見と同じであり、激しく同意したのを覚えている。

一方で、宗教にのめり込む危険性を説くところは、のちのオウム真理教事件を暗示しているかのようだし、アメリカの戦争体質から近々の戦争の可能性を指摘している部分は湾岸戦争で実現するなど、世の中の動きも的確に語っている。
こういう視点に影響され、その後私は、国際情勢に興味を持っていったものである。

電車の中で若いサラリーマンがマンガを読んでいる姿を嘆き、きちんとした思考を持つことの重要性を語る。
これに影響を受けて、ビジネス書を読み漁るようになったものである。
若き日の私にとって、非常に大きな影響を残した一冊である。
今、あの頃に増してナヨナヨした男が多くなった気がするが、今の若い人にもこの本を読む価値は大きいと思う。

改めて読み返してみても、死語になった言葉や古い事例以外は今でも十分通用することばかりである。
読んでも響かないようなら、それは"ナヨナヨヤサ男くん"の証拠かもしれない。
たとえ女に笑われようとも、「男たる者かくあるべし」と思って読むといいと思う。
もう少し大きくなったら、息子に読ませたいと思う一冊である・・・

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