2015年08月07日

【投資は「きれいごと」で成功する】新井和宏 読書日記572



第1章 「きれいごと」で成功した非常識すぎる「8つの投資法則」
第2章 「投資は科学」から「投資はまごころ」へ−「リターン」を再定義する
第3章 「経営効率の悪い小型株」で、「リスク」はチャンスに変わる
第4章 「安く買って高く売る」に必要なのは金融工学ではなく「信頼」
第5章 「格付け」よりも大切な「8つの会社の見方」−「経済指標」を再定義する
第6章 企業価値は、過去の成功ではなく「ずるい仕組み」を持っているかどうかで判断する−「ビジネス」を再定義する
第7章 金融機関の役割は、お金に眠る「つなぐ力」で社会を動かすこと−「金融」を再定義する

著者は鎌倉投信の運用責任者。
鎌倉投信のことは、少し前から世の中に貢献度が大きい会社のみに投資する投資信託として、その存在を知っていた。
投資信託は、いかにリターンを大きくするかが、鍵と思われている中で、株式の成長性よりも事業の社会性を問うやり方は異質だ。
そんな鎌倉投信の本ということで、手に取った一冊。

鎌倉にある古民家を本社とし、3つの「わ」を志とする。
3つの「わ」とは、日本の心を伝える「和」、心温まる言葉を大切にする「話」、社会や人とのつながりを現す「輪」である。
その「わ」を奏でる「場づくり」が運用会社の仕事だとしている。

「目標は勝つことではなく応援すること」とする。
投資先には、林業再生を目指すトビムシ(聞いたこともない会社である)や民事再生法によって再生に向かっている池内タオルなどがあるという。
普通の投資信託は、お金を出さないだろう。
そしてすべての投資先をホームページで紹介しているというが、これも普通は手の内を明かすことになるからやらないらしい。

著者はもともと外資系ファンドでファンドマネージャーをやっていたという。
かなり稼いでいたようである。
それが体を壊したこともあり、仲間とともに鎌倉投信を設立する。
投資先は、「いい会社」。
そのきっかけは、私も読んだことがある『日本で一番大切にしたい会社』だという。
そういう会社を、誰もが支援したいと思うだろう。

「いい会社」を見つけて投資しているから、当然外資系の投資信託などよりも運用成績は落ちる。
それでも4%のリターンを目標にし、2013年度には鎌倉投信の運用する「結い2101」は、その投資効率の良さが評価されて、「R&Iファンド大賞」に選ばれたという。
投資家も一度投資すると、やたらに解約しないらしい。

年に1回の「受益者総会」には、通常1%くらいのところ、約10%もの投資家が出席するという。
そして投資先の社長なども登壇し、投資家との交流が持たれているという。
確かに、こういう投資ファンドなら利回りよりも「温かさ」を求めて投資したくなるというものである。

金融の世界と言うと、ついついギスギスしたものになりがち。
「経済的合理性」という「効率第一」の理屈の世界であるが、そんな世界を居心地悪いと感じる人もいるだろう。
自分の投資したお金が、利益を生むと同時に世の中の役に立っていると感じるのは心地よい。
鎌倉投信の成功の理由もそんなところにあるのだろう。

すぐにでも投資したくなったが、残念ながらそんなゆとりはまだない。
いずれ受益者に加わりたい。
そんな思いになれる一冊である・・・

posted by HH at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融・経済・株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック