2015年08月11日

【ザ・ラストマン】川村隆 読書日記574



序章  「自分の後ろには、もう誰もいない」ザ・ラストマン−「この覚悟」を持っていますか
第1章 大事なときに「何を決めるか」「どう決めるか」リーダーに求められていること
第2章 「きちんと稼ぐ」ための思考習慣「独りよがり」にならないために
第3章 意思決定から実行までの「シンプルな手順」自信をもってビジネスをするために
第4章 いつも前向きに「自分を磨く」人 自分を鍛える、部下を鍛える
第5章 「慎重に楽観して」行動する9カ条 成果を丁寧に出すための羅針盤
第6章 私たち日本人に必要な「意識」とは何か グローバル感覚とダイバーシティ

著者は元日立製作所の会長。
日立製作所が7,873億円という巨額の赤字を出したあと、会長兼社長に就任し、見事業績をV字回復させたという実績の持ち主。
そんな著者が、持論を語った一冊。

タイトルにある「ザ・ラストマン」とは、「最後に責任を取ろうとする意識のある人」とのこと。
著者が、まだ若かりし頃、上司に言われた「ラストマンになれ」という一言が、その後の著者の信念になっていったことから、この本で著者がもっとも強調したいこととなっている。

それは確かにその通りだろうと思う。
大企業で働いていると(あるいはどんな組織であろうと)、「決断の下せない上司」というのが、誠に始末に困る上司であることは間違いない。
「右も正しいが、左も正しい、もう少しデータを集めて検討しよう」などといつまでもぐずぐずされていたら、部下はかなわない。
「俺が責任を取るから右へ行け」と言われた方が、部下はありがたい。
そこは素直に同意できる部分である。

著者が日立製作所の社長に就任要請を受けた時、既に日立での役割は終え、子会社のトップを務めていたという。
年齢的にも69歳であり、本来であればそのまま役割を終えていたのだろう。
ところがそこから呼び戻されたのは、詳しいことは書かれていないが、大赤字を計上する中、「ラストマン」として文字通り頼りにされたのであろう。

そんな著者が日立本体に復帰し、まずはスピードアップを図る。
当時は「日立時間」というのがあって、「何時間もかけて議論し先送りするという決定を下していた」状態だったという。
これも、「決断できない組織」の典型だ。
そこで著者は、復帰にあたり「会長兼務」を条件とし、意思決定する人数を6人に絞ったという。

一方で、著者は「カメラの目」と表現しているが、外部取締役を増やし、「第三者の意見」というのを取り入れる工夫をする。
人は誰でも自分は常に正しいと思っているもの。
それを外部から客観的に見てもらおうという意識は、誰であっても持っていたいものである。

著者が結果的に日立の再生をなしえた原因は、5つのプロセスだという。
@ 現状を分析する
A 未来を予測する
B 戦略を描く
C 説明責任を果たす
D 断固、実行する
何のことはない、誰でも思いつきそうなシンプルなものだが、それは結局、大事なことは原則はみな同じということなのだろう。

またトップは、「慎重なる楽観主義者」であるべきという言葉も心に残る。
コップに半分水の入っているのを見て、それをどうとらえるかという有名なたとえがあるが、著者は、「水が半分も入っているけれど、コップいっぱいになればもっといい」と考える人が良いとする。
非常に分かりやすい。

読書の重要性は、他の多くの人が説くのと同様。
随所に現れる考え方は、そんな読書の賜物だと思う。
そして最後に残された言葉がまた良い。
“Remember,the best is yet to come”
著者のほん欠片ほどでもいいから、同じ意識で行動したいと思わせられる一冊である・・・

  
posted by HH at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス/自説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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