2015年09月22日

【キャロリング】有川浩



第1唱 オラトリオ
第2唱 もみの木
第3唱 コヴェントリーキャロル
第4唱 もろびとこぞりて
第5唱 ホワイト・クリスマス

なんとなく不思議なテイストが気に入って、定期的に手に取っている有川浩の作品。
「キャロリング」というタイトルは、クリスマスに歌う歌キャロルから来ているのだろうと思う。
それが証に、各章は「各唱」となっていて、それぞれクリスマスソングのタイトルがついている。

物語はクリスマスを前に、廃業が決まった子供服メーカーである『エンジェル・メーカー』が舞台。
主人公の大和俊介は、ここで営業マンをしている。
社長の西山英代は、母の旧友。
子供の頃からの知り合いである。

本業の傍らで、会社は学童保育をしている。
その中の生徒の一人6年生の航平は、両親が別居し、やり手のビジネスウーマンである母は、ハワイ赴任が決まっている。
両親の思いとは裏腹に、航平は両親に仲直りしてほしいと思っている。
そしてハワイに行く前に、それを実現させようと、エンジェル・メーカーの社員柊子を巻き込む。

柊子はもともと大和と付き合っていたが、今は別れてしまっている。
そんな関係から、柊子に付き合って、大和は航平が父親に会いに行くのに同行することとなる。
一方、その父親が務める整骨院には、よからぬ連中が借金の督促に来ている。

冒頭では銃を突きつけられる大和の姿。
これはサスペンスかアクションなのかと思っていると、あまりにも冒頭と合わない穏やかな展開のドラマが続いていく。
どう結びついていくのかという興味がずっと続く。

主人公は大和俊介なのだが、航平にも航平の両親にも柊子にも、赤木ファイナンス社長の赤木にもそれぞれの物語がある。
それぞれの物語が絡み合ってドラマを織りなす。
ストーリー的には単純なのだが、随所で目頭が熱くなる。
このあたりは、有川浩ならではだと思う。

わざとらしくないエンディングは、ドラマの続きを自然と想像してしまう。
また次の作品も、と素直に思う。
これからも読み続けたい作家の一人である・・・

posted by HH at 18:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 有川浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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