2015年11月10日

【書斎の鍵-父が遺した「人生の奇跡」】喜多川泰 読書日記601



遺言状
聖域
右手の秘密
乗り越えるべき試練
心の鍵
書斎のすすめ
 序章 なぜ心もお風呂に入らないの?
 第1の扉 書斎では「心の汚れ」を洗い流す 
 第2の扉 「人生の方針」は書斎で見つかる
 第3の扉 書斎で裸の自分と語り合う  
 第4の扉 読書で「運命の人」と出会える 
 第5の扉 書斎で「生きる力」が磨かれる  
 第6の扉 ブックルネッサンスで世の中が変わる 
エピローグ 最初の涙

著者は、すでに 『賢者の書』及び 『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』を読んでいる喜多川泰。
シンプルなストーリーながら、心に温かいメッセージが残って、個人的にとても気に入っている作家である。
タイトルからして、また期待して手に取った次第である。

物語の舞台は、2055年。
なんと40年後の未来。
されど、それはあまり物語には関係がない。
若干、今と違う社会であり、今よりちょっと進んだデバイスを使っているという程度。
あくまでも人間ドラマが(それも設定が現代でも全く違和感のない)主軸である。

主人公はある会社の営業課長の前田公平。
父が亡くなり、休暇をとって実家に帰省するところから物語は始まる。
公平は、生前父とはソリが合わず反発するばかりで、それがゆえに、「本を読め」という父の教えに反抗し、本を読まない人生を送っていた。
就職早々事故で研究職を断念し、営業職に就いていた公平は、いつもどこか引け目を感じ、営業の成績も今ひとつ。
そしてそれを事故の後遺症で動かなくなった右手を理由にしていた。

実家に帰れば、父は公平に遺言を残していた。
それによると、「離れ」にある書斎の鍵をしかるべき人に預けたので、その人物を探せというもの。
読書家だった父の書斎に興味は沸かなかったものの、行きがかり上探し始める公平。
手がかりは離れに置いてあった本。
こうして公平の探索が始まる。

例によって、興味深いストーリーが始まる。
そして随所に散りばめられた言葉。
「公平、心配するな。人生で手に入るものは才能で決まっているわけじゃない」
「他人の考え方を否定することなんてできるはずもない。自分の意見と他人の意見が違っているからといって、どちらかが絶対的に正しいなんてことはありえない」
「人間の行動は心に左右される以上、この『心の習慣』をよくしない限り、より良い人生になることはない。」

物語の中に、「書斎のすすめ」という一冊の本が登場する。
そしてこの本の内容になると、その部分のページの紙質が変わる。
そのメッセージは様々で、皆なるほどと思うものばかり。
(読書)習慣が人を磨く。
志があればどんなことでも楽しい。
感じ方次第で、何事もない1日も夢のような1日に変わる。
心を磨けばその人の周りにある全てが輝き出す。
あなたが幸せであることが誰かを幸せにしている。

時に目頭が熱くなり、電車の中で読むのは注意が必要。
シンプルだが、心に響く物語が展開され、そしていつの間にか読書がもたらす人生の恩恵が伝えられる。
この方の作品は、やはり読まない手はないと思わずにはいられない。
まだ他にも読んでいない作品がある。
また次の本も読んでみたいと、素直に思わせられる作家である・・・

posted by HH at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 良い話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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