2015年12月16日

【熱狂宣言】小林成美



序章  「1967」2周年パーティー
第1章  若年性パーキンソン病の告白
第2章  100店舗100業態という奇跡
第3章  高知での少年時代、憧れの東京
第4章  迷走の時代を越えて
第5章  素顔の松村厚久
第6章  外食産業のさらなる未来
終章   新たな治療、上場の鐘

この本は、東証一部上場企業である株式会社ダイヤモンドダイニング創業者松村厚久を主人公としたものではあるが、書いているのはご本人ではない。
スポーツ選手などの本を手がけているライターである。
ご本人は全面協力しているものの、ご本人が書いていないという点で、『スティーブ・ジョブズ』などと同類と言える。

『スティーブ・ジョブズ』もそうであったが、本人が書いていないということは、内面の思いが書かれていないという反面、周りの評価など客観的なものが入ってくるという良さがある。
この辺りは、一長一短といったところかもしれない。

ダイヤモンドダイニングと聞いて、すぐに反応はできなかったが、「ヴァンパイア・カフェ」のことは聞いたことがある。
そんなテーマレストランを多数展開している会社である。
調べてみたら、新宿にある「キリストンカフェ」と「絵本の国のアリス」には行ったことがあった。
一方で、同じかと思っていた監獄レストラン「ロックアップ」は別系統であった。

そんなテーマレストランを率いる松村社長は、実は若年性パーキンソン病に侵されている。
パーキンソン病とは、脳内のドーパミンの異常で、手足の震えなどの運動障害が起こる病気のようである。
モハメッド・アリが罹った病気として印象に残っているが、上場企業の社長でそういう病気になってしまったのは、大変なことだと想像される。

しかしこの松村社長は、実に人格者らしく、彼を慕う人脈のネットワークがすごい。
初めは、自伝ゆえのヨイショかと思っていたら、どうもそうではないらしい。
ネクシーズの近藤社長、ダイニングイノベーションの西山社長(「牛角」のレインズインターナショナルの創業者)、GMOの熊谷社長、同じ「熱狂」(『たった一人の熱狂』)がキーワードの見城幻冬舎社長などそうそうたるメンバーが、熱い友人として登場する。
単に勢いで上場まで行ってしまった社長さんではないようである。

高知から出てきて、大学時代にサイゼリアでアルバイトし、飲食業の楽しさに目覚める。
就職し、ディスコの黒服をやり、日焼けサロンでお金を稼いで、飲食業に進出する。
初めての場所は銀座と決めるも、なかなか店舗を借りられず、駆けずり回ってようやく最初の店「ヴァンパイアカフェ」をオープンさせる。
その後、常にオンリーワンの店作りを心がけ、「100店舗100業態」に挑んでいく。

上場を企業人としての成功と捉え、目指す人は多いのだろうが、松村社長の場合、「社員が結婚の挨拶に行って相手のご両親に安心してもらえる」「社員が住宅ローンを組みやすくなる」という理由を掲げているところがいい。
病気の症状が出る中、「熱狂」を掲げて社員と共に邁進していく。
自分にはとても真似のできないスケールである。

ご本人が実際にどんな人物なのかは分からないが、本を読む限りはかなりの人格者に思える。
ヨイショなのか、それとも実際その通りなのか、もう少し判断できそうなエピソードが欲しかったと個人的には思う。
それにしても、これでダイヤモンドダイニングに興味を持ってしまった。
他の店舗にも是非行ってみたいと思わせられる一冊である・・・


posted by HH at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス/自伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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