2016年09月06日

【好奇心を“天職”に変える空想教室】植松務



Lesson1 思い描く。
Lesson2 思い込む。
Lesson3 思いやる。
Lesson4 思い切る。
Lesson5 思い続ける。

 著者は地方の中小企業ながらロケットを開発しているということで、話題になった人物。以前何かの講演を聞いたことがあって、興味を持っていた経緯から手に取った一冊。なんで地方の中小企業がロケットと思うが、それはすべて著者が子どもの頃から抱いてきた夢によるもの。夢を持つ大切さを知る著者が、それを次世代に語る内容。ゆえに、「空想教室」なのである。

 著者は、中学生の時、母親から「思うは招く」という言葉を教えられる。
その意味は、「思ったら、そうなる」というもの。
実にシンプルであるが、それが著者の心に突き刺さる。夢について、アメリカの辞書と日本の辞書の対比がされているが、これが面白い。
米:夢・・・強く願い、努力すれば実現できるもの
日:夢・・・はかないもの、叶わないもの
我々は、見事辞書通りのイメージを抱いている。

 著者の工場には、世界でNASAとドイツとこの会社にしかない実験装置があるという。それは無重力の状態を地上で再現する装置で、JAXAも実験しにくるという。外からの補助は一切なく、それを20人に満たない従業員の会社が実現しているわけであり、実に驚くべきことである。それは、夢とははかないものではなく、「今できないことを追いかけること」とする考え方のなせる技なのであろう。そんな言葉が続く。

 うまくいかなかった時、「だったらこうしたら?」と考える
失敗を受け入れないと新しいものは生かされない
現実を見ろと人が言う場合、「現実」とは「これまでの人生」のこと。見るべきは「これから」。
「どうせ無理だから」が日本中に広まって、がんばれない人、できることしかしない人、考えない人ばかりになった

 これからロボットが高度化してくるが、ロボットに負けないために必要なのは「考えること」だという。考える人とは、「やったことがないことをやりたがる人」とする。他人にどう評価されても、自分たちの評価を信じること。やったことがない人に相談すると、「できない理由」を教えられる。著者は子どものころから、先生などに「どうせ無理」、「現実を見ろ」と言われてきたようで、それに抗って今があるとする。言葉は簡単だが、ずはりと核心をついている。

 「どうせ無理」と戦い、この世からなくしたいと言う。「だったらこうしてみたら」と言いたい、と。自信を取り戻せばみんな優しくなれる。「何になりたいか」ではなく、「何をやりたいか」を考える。「できるかできないか」ではなく、「やりたいかやりたくないか」。感動をアルファベットで書くと、can do。勉強とは社会の問題を解決するためのもの。そして教育とは、死に至らないよう、失敗を安全に経験させるためのもの。この教室の言葉は、心に響いてくる。

 さて、もう50を過ぎた自分にどんな夢があるかと問われると、言葉に詰まってしまう。だが、無理に夢などひねり出さなくてもいいと思う。「あれをやってみたらどうだろうか」、「これをやったら面倒だろうか」、そう言うことは日々仕事でいろいろある。そういうことを「どうせ無理」ではなく、「だったらこうしてみたら」の精神でやってみればいいのだと思う。子供もこれから社会に出て行くわけだし、そんな未来ある我が子に、「どうせ無理」の精神を身につけて欲しくはない。なら、親である自分が率先垂範しないといけないだろう。

 そんな風に自分に言い聞かせてみた。シンプルな内容だが、得られるものは多い。
どうやら著者にはもう一冊著作があるようなので、そちらも読んでみようと思わされた一冊である・・・


posted by HH at 20:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス/経営者の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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