2016年09月28日

【ベスト・パートナーになるために−男は火星から、女は金星からやってきた−】ジョン・グレイ



原題:Men are from Mars,Women are from Venus
1章  男と女は違う星からやってきた・・・男は“受容”を、女は“共感”を求めている
2章 「男は単純で、女は複雑」は本当か・・・男は“調停屋”に、女は“教育委員長”になりたがる
3章 男は分析して満足する、女は話してすっきりする・・・言葉が愛を生む、憎しみを生む
4章 相手の気持ちを上手に“翻訳”してますか?・・・男と女がうまくいく究極のルール
5章 男の恋愛観、女の結婚観・・・この“小さな気づかい”が、彼を男らしい気分にする
6章 男に自信をつける“女のひと言、会話の仕方”・・・“男のやさしさ”を上手に引き出すテクニック
7章 “二人の愛”をさらに深める心理法則・・・男と女の“愛のパラドックス”

 まだ独身の頃、男にとって結婚は人生の墓場だという声を少なからずよく聞いた。そんな寂しいセリフを吐くような身にはなりたくないと思っていたが、現実は理想通りには行かず、むしろそんな寂しいセリフを吐く気持ちが分かりつつあるこの日この頃である。こればかりは自分にそんなつもりはなくとも、相手あってのことであるので、現実は難しい。そんな思いでいるところに、目に付いたのがこの本。引き寄せられるように手に取った次第である。

 男と女がうまくやっていくためには、お互いがまったく異なった“人種”であることを心得ておかないといけないと著者は冒頭で語る。それこそ、原題にある通り、「男は火星人で女は金星人」という自覚が必要なのだという。男と女が互いに相手に求めるものはそれぞれ違っており、男は“与える”ことを学び、女はそれをいかに“受け入れる”かを知る必要があるという。

 女は、しばし男に対し、「私の言うことをちっとも聞いてくれない」と不満を漏らす。男は女が話す「問題」について、しばし独善的な解決策を押し付けようとする。男は“ミスター・フィクサー(調停屋)”の本領があり、これはこれで男なりの思いやりなのであるが、実は女の方に必要なのは、「解決策」ではなく、「感情移入」であったりする。男には問題をくどくどと並べ立てているだけという状況は理解できない。問題は解決するためにあるからであるが、この認識のズレが男女間のギクシャクになったりする。個人的にも大いに思い当たるところがある。

 男の「調停屋」に対し、女には「教育委員長」の本領がある。男の女に対する不満の一つに、「相手が絶えず自分を変えていこうとする」ということがある。家庭でもあれこれ指図されることはしょっちゅうだし、実感を持って頷けるところである。男には、この「余計なお節介」が耐えられない。「自主独立こそ男の誇り」、「達成感こそ男の存在証明」なのである。

 そんな男は、大きな問題にあたると、独り心の中に閉じこもり、自分の力で片付けようとする。女はそんな男の普段とは異なる様子を心配し、あれこれ聞き出そうとするが、男は余程のことでない限り、問題に関することを口にしようとしない。そんな男の心情を理解できない女は、男の愛情を疑う。痛いほどよく伝わってくる情景である。

 男にとって、女がアドバイスをしたり意見を挟むことは屈辱であり、アドバイスより慰めが欲しい女とは根本的に異なる。女にとっては、「ただ相手の話を聞いてあげる」ことが大事だったりするが、男にこういう考えはない。おしゃべりは女の何よりの清涼剤であるが、女のあやふやな話し方に男は耐えられない。

 こんな男と女の違いがいろいろ紹介され、そしてその処方箋も示される。著者はアメリカの心理学者で、最初に「アメリカ人と日本人の違い」があるのではないかとの不安が脳裏をよぎったが、それは杞憂で、実に思い当たるケースが多々出てくる。もちろん、アメリカ人と日本人の表現力には差があり、男が女の愛情タンクを常に満タンにするための小さな98のアプローチにある「夜仕事から帰宅したら何よりもまず彼女を抱き、『ただいま』の挨拶をする」なんて行為は、ちょっと如何なものかと思ったりする。

 著者は男であるが、女性にとっても有意義なアドバイスが公平に出てくる。「女の感謝の気持ち『ありがとう』は男をその気にさせる」なんてところは、我が家の妻にも教えたいところである。どうやったら妻にこの本を読ませることができるか、猫に鈴をつけるではないが、その方法もアドバイス願いたいところである。単なる読み物としても、心理学的読み物としても、実用書としても面白いと思わせられる。

 恋人や夫婦間の関係に問題意識を持っている人には、参考になるかもしれないし、そういう人に一読をお勧めしたい一冊である。

posted by HH at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス/自説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/442337564
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック