2016年10月22日

【中卒の組立工NYの億万長者になる】大根田勝美



第1章 ビジネスのタネは道端にあり
第2章 チャンスの神様の前髪をつかめ
第3章 群れの中のエリートより一匹狼になれ
第4章 会社を「売る」ことこそ最大のビジネス

タイトルにある通り、著者は一代で巨万の富を築いた成功者。その名を聞くのは初めてであるが、それも大企業を育て上げたというわけもなく腕一本で渡り歩いたという経歴ゆえなのかもしれない。しかしながらその生き様は、ビジネスマンにとってとても参考になるものである。

その著者が生まれたのは、昭和12年。父は東京で理髪業を営んでいたが、太平洋戦争の戦火が激しくなると、一家で長野県へ疎開する。しかし、親戚等身寄りもなく、仕事もない田舎で、一軒家に5世帯がひしめく貧乏生活であったという。著者は常に腹を減らし、同級生にはからかわれバカにされる中、なんとか食べるものを手に入れようと奮闘する。

まずはガラスや鉄くず拾い。次に銅線。さらに農家のために落ちた大豆を広い、やがて田んぼで鰌を取る。この鰌であるが、取ってすぐ売るのではなく、魚屋の店頭の売れ行きに応じて「出荷」するという商才を見せる。在庫管理と市場原理を習わずとも実践するところは、のちの成功の礎であろう。さらにガマの油売りを見て、デモンストレーションを自然と学んだという。

そんな底辺の生活を抜け出たのは、勉強のできた姉が、当時地元の優良企業であったオリンパスに入社し、その勤務ぶりが良かったため、著者も組立工として採用されたからのようである。まともに働き始めるが、胃を壊して2/3を切除する手術を受ける。ところがこれが手術不要の誤診であったことがわかり、著者は胃腸に関する資料を読み漁って勉強する。これが後々活きてくる。

失恋を機に素行不良となり、厄介払いの意味もあって東京転勤となる。ここで英語を駆使する「輸出部」に反発を抱き、自ら英語のマスターを誓う。そして24時間365日英語漬けの日々を過ごし、1年後会社の英会話教室でそれを披露しみんなの度肝を抜く。そこには人事部の目を意識した計算もあり、会社も海外進出の動きが本格化する中、海外勤務の栄冠を勝ち取る。元組立工で機械に強く、当時は営業部に在籍しており、さらに英語ができれば海外派遣の候補となれると読んでの努力は見習うべきところがある。

こうしてアメリカに渡り、オリンパスのガストロカメラ(胃カメラ)の販売を行うことになる。当時は、アメリカ人の営業も不親切なものだったらしく、著者の営業スタイルは顧客の支持を受け成功していく。自らには以下のルールを果たしたという。
1. 相手との約束を守る
2. 相手にメリットのない取引はしない
3. 親身になって対応する
4. 自分ならではのセールスポイントを作る
5. 自分の存在をアピールする
こうして築き上げた信頼は、営業成績もさることながら、グリーンカード申請の時、有名な医師3名からの推薦状をもらうことにも繋がっていく。

会社とも時に腹をくくって交渉し、最後は2度にわたって袂を別つことになるが、その後、日本人医師との出会いや、アメリカ人のパートナーとの出会いによって、莫大な富を築いていく。才能というよりも、その努力にひたすら頭の下がる思いがする。ここまでやっているだろうかと自分に問うてみても、到底及ばない。されどそのエッセンスくらいは試みたいと思うところである。

ありきたりな仕事に危機感を持っている人は、読むと刺激を受けることであろう。少しだけでも何か努力してみようと思わされる一冊である・・・


posted by HH at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス/自伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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