2016年10月23日

【みんなが知らない超優良企業−新しいニッポンの業界地図−】田宮寛之



第1章 世界の人口爆発に勝つ企業
第2章 世界が驚くニッポンオリジナルの企業
第3章 世界が注視する高齢化対応の企業
第4章 お家芸の「おもてなし」で伸びる企業
第5章 急成長!技術力が高く買われる企業
第6章 新たなインフラ需要で収益を伸ばす企業

なんとなくタイトルに興味を惹かれて手にとった一冊。タイトルからイメージするのは、当然企業紹介の本なのであろうが、例えば『ビジョナリー・カンパニー』シリーズとか、『グレート・カンパニー』あるるいは、『日本で一番大切にしたい会社』のようなものをイメージしていたら、まったく違っていて、単なる企業紹介本であった。

成功する企業や超優良企業の超優良たる所以でも紹介してくれていたら良さそうなものだったが、最近の就活学生が企業研究をしていないという声を紹介し、どうやらその一助とならんことを意図したようである。それが故に、なんの変哲も無い企業紹介本に終始してしまっているのが本書。はっきり言って、事前に分かっていたら読まなかったところだが、選んだのは自分であるので致し方ない。

例えば第1章では、「人口爆発に勝つ企業」が紹介される。それは海水を濾過する装置を作る企業であり、その代表として千代田化工建設、日揮、東洋エンジニアリングが紹介される。さらに濾過幕では日東電工、東レ、東洋紡、海水ポンプでは荏原製作所、酉島製作所、プラント設備にはもってこいの金属チタンを扱うのは大阪チタニウムテクノロジーズという感じである。就活学生ならふむふむと頷いて参考にするところだが、ベテランビジネスマンからすると、「それで?」となる。

それでもエネファームが、ガスを水素に変えて酸素と結合させることで熱を生じさせるものだというのは、知らなかったことであり、このあたり雑学的にはタメになる。原発ビジネスは世界的には成長産業で、技術力の高い日本の企業にとってはビジネスチャンスが大きいというところは、原発反対の立場としては微妙だ。反対する立場としては、知っておかなければならない事実の一つだと思う。

食糧ビジネスにおいては、実は世界第2位の農作物輸出国は日本より面積の狭いオランダという事実が紹介される。それ自体は『フェルドマン博士の日本経済最新講義』で知っていたが、さらにアラブ首長国連邦も日本より上位だという事実は知らなかった。日本の関連企業も多数あり、改めて農業ビジネスは有望事業なのだと認識させられる。

そうして読んでいくと、実に様々な分野で日本には有望企業がたくさんあるのだとわかる。都市鉱山をもっと有効活用しないといけないとか、学習塾は日本では頭打ちだが、アジアマーケットはこれからとか、ロボット化、医療ビジネス、カレーや倉庫など、世界で勝負できる企業が多々紹介されている。そうした観点からすると、個別の企業紹介というよりも、日本経済の現状的な捉え方で読むと結構面白いとわかる。

本の読み方は人それぞれであるが、読み方によっては就活学生からベテランビジネスマンまで面白く読める要素はあると思う。就活学生にアドバイスするという観点からの読み方もあるかもしれない。日本経済を鳥瞰的に見てみるのも一つの見方であり、自分にあった読み方を選んでみるのもいいかもしれない。そんな感想を抱いた一冊である・・・


posted by HH at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融・経済・株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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