2016年11月03日

【アテンション】ベン・パー



原題:Captivology:The Science of Capturing People’s Attention
第1章 注目の三段階
第2章 自動トリガー
第3章 フレーミング・トリガー
第4章 破壊トリガー
第5章 報酬トリガー
第6章 評判トリガー
第7章 ミステリー・トリガー
第8章 承認トリガー

 著者はシリコンバレーの戦略ベンチャーの共同創業者とのこと。「長期の注目獲得」に関する知見と経験を生かしたコンサルティングをされているようで、それを披露しているのが本書だということである。

 現代は情報発信過多時代であり、その中で、「注目」は希少資源だという。注目は偉大な製品や発想を「世界を変える」ものに変え、才能に恵まれたバンドを「ビートルズ」にするとする。そんな注目をどうすれば得られるか。そのキーは、「注目の三段階」と「七つのトリガー」だという。

 「注目の三段階」とは、「即時の注目=点火」、「短期の注目=藁火」、「長期の注目=焚火」である。大事なのは、いかに長期の注目=焚火を得るかということ。目立つ型破りなことで反応=点火を得、メッセージを作業記憶に振り向け、そして価値あるものを作り出し長期的な注目を獲得するまで持っていくことが重要となる。なんとなく分かりにくいが、「投票用紙の先頭にある候補者は当選しやすい」という例が示され、興味深く分かりやすい。

 そしてそんな注目を得るためのトリガーが、七つあるとする。「自動トリガー」、「フレーミング・トリガー」、「破壊トリガー」、「報酬トリガー」、「評判トリガー」、「ミステリー・トリガー」、「承認トリガー」である。 「自動トリガー」はその名の通り、無意識のうちに注意を向ける傾向を利用するもの。

 人間は太古より安全と生存に関わる光景や音などの感覚的手がかりというものを備えている。ライオンとシマウマとを見れば、自然とライオンに目がいくのは、ライオンが危険な動物だから。例えば女性のヒッチハイカーなら赤い色の服をきていると止まってもらいやすいとか、襲われた時には、「助けて!」よりも「火事!」の方が人を集めやすいとか。各種実験結果から得られる考察が興味深い。

 「破壊トリガー」は、「驚き=surprise」「単純性=simple」「重要性=significance」という三つのSがキーだとする。子供達に統計学を教えるに際し、教室で授業をするのではなく、フィンガーペイントを塗って個々人のジャンプ力を調べることから、統計を実地で教える例が説明されるが、「驚き」は確かに注目を集める要素だと思う。

 JKローリングが偽名で発表した小説が、当初はまったく注目されず、その事実がわかった途端。売り上げが4709位から1位に跳ね上がったという。「人気があると他の人が思っているものが人気がある」とする「評判トリガー」もなるほどである。「ミステリー・トリガー」は、「サスペンス」「感情移入」「予期せぬ展開」「クリフハンガー」という4つの要素からなる。ドラマがハラハラしたところで終わる「クリフハンガー」理論は、よく使われている。

 こうした「注目」は、何気なく使われているが、著者は豊富な事例とともにそれを分かりやすく分類してくれている。日本の事例も「スーパーマリオ」「VHSとベータ競争」「AKB48」などが採り上げられていて、よく研究しているものだと思わされる。何か人々の注目を集めようと考えた時には、これらの理論に基づいて考えてみるといいように思う。

 何かの機会にメモしておきたいと思う一冊である・・・


posted by HH at 18:16| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス/自説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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