2017年02月14日

【雑談力】百田尚樹 読書日記760



第1章 人を引き付ける話をする技術
第2章 その気になれば、誰でも雑談上手になれる
第3章 こんな話に人は夢中になる
第4章 親友とする真面目な話

百田尚樹は、ツイッター等での発言を目にしているが、その政治的言動もさることながら、関西人ならではのユーモアに満ちていて面白いと常々感じていた。実際に話をさせるとさらに面白いらしく、その「面白い話をする秘訣のようなものを本にしてくれ」と言われて書いたのが本書であるという。百田尚樹は、小説が面白いのだが、小説以外の本となると『大放言』以来である。

ご本人は、小説家でありながら書くことよりも喋る方が100倍も好きなのだそうである。「起承転結を考えて、なおかつ盛り上げにも留意して最後のオチも決める、これを即興でやるのがトーク」と簡単に説明するが、一般人には言うが易しである。しかし、素人でも参考になりそうな説明がちゃんと続く。

まずは「つかみ」が大事とのこと。これは小説を書く場合にもすごく気を付けていて、「極端な話、最初の1ページから面白いシーンがないと気に入らない」と語る。
『しかしあのゼロだけは忘れない。悪魔のようなゼロだった。』(『永遠の0』)
『磯貝彦四郎殿は亡くなっておられました。』(『影法師』)
確かに、最初の1ページからこちらも引き込まれてしまっている。

「質問から入る」と言うのも良いと言う。『惑星って、どうして惑星って名前が付けられているのか知ってる?』と聞かれれば、確かに惹きつけられる。「常識を揺さぶるような話から入る」のも良しとする。『人工衛星というのは、永遠に落ち続けている』と言われれば、「えっ!?」となる。そして面白い話にはストーリーがあるというのも納得。無味乾燥な歴史の年号も、それにストーリーが加われば俄然生き生きとしたものになってくる。

面白い話をする秘訣は何よりインプットが大事。話の急所を理解し、本や新聞を読む時も、テレビを見る時も、人の話を聞く時も、「面白いと思えばそれを覚える」という気持ちを持つことが大事らしい。そんな著者なりのアドバイスが続いていくが、なるほどと思うところがある。
・失敗談ほど面白いものはない
・相手ではなく、自分が関心を持つ話題を探せ
・自分の感性に自信を持て(自分ならどんな時に感動し、笑い、びっくりするのか)
・ネタをどう仕込むか(話を聞く時にただ一方的に聞き役になるのではなく、積極的な聞き役になる)
・話し方が上手くなるコツはとにかく実践あるのみ

特に、「話し上手は聞き上手」という部分に興味を持つ。これは確かにそうかもしれない。そしてとっておきの練習法として、映画や小説の話をするのだとか。話題としてはそれ以外でも、個人的な思い出でも普遍性を持たせればOKだという。それにしても野口英世が、現在は世界的には評価されていない研究者だという話は驚きでもあったが、こういうネタもかなり含まれている。

最後に「親友とする真面目な話」として、南京大虐殺や慰安婦問題、靖国問題などの話題が取り上げられる。このあたり、『大放言』の続きとも言える。
話題もそうであるが、やはり一番大切なのは「人を楽しませたいという気持ち」なのだというところに強く共感した。それが何よりなのだろう。そして百田尚樹は、その気持ちが人一倍高いのだろうと思う。
この本を読んだからといって、すぐに話が上手くなれるわけではないが、「人を楽しませたいという気持ち」だけは、常に持っていたいと思うところである。

面白い小説が書けるというのは、やはりそれだけには止まらないのだと改めて思わされる。小説もいいが、それ以外の分野の本も読んでいきたいと思わされる一冊である・・・




posted by HH at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 百田尚樹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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