2017年03月03日

【LIFE SHIFT−100年時代の人生戦略−】リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット



原題: The 100-Year Life: Living and Working in an Age of Longevity
序 章 100年ライフ 
第1章 長い生涯
第2章 過去の資金計画
第3章 雇用の未来
第4章 見えない「資産」
第5章 新しいシナリオ
第6章 新しいステージ
第7章 新しいお金の考え方
第8章 新しい時間の使い方
第9章 未来の人間関係
終 章 変革への課題

このところ未来予測的な本を続けて読んでいるが、これもその一つ。現代は100年以上生きられる時代であり、そんな100年ライフを過ごすつもりでいた方が良いという。事実、長寿世界一の我が国では、2014年に生まれた子供の平均寿命は109歳だとか。1964年生まれの自分も92〜96歳くらいだというが、やはり素直に喜ぶべきだろうか。

そんな時代、もはや過去のロールモデルは役に立たず、親の世代に有効だったキャリアの道筋や人生の選択が我々にも有効だとは限らず、当然ながら我々の子どもたちも違う決断をするという。長生きするのはいいが、医療や年金は大丈夫かなどと心配したくなるが、それは全体像を見失うことになるので、視野を広く持たねばならないとする。長寿化時代には新しい生き方が試みられるようになるのである。

事実、人々が70代後半や80代になっても活力と生産性を失わず、長く働き続けられれば年金問題や人口減少の弊害はだいぶ和らぐ。20世紀の人生は、「教育」「仕事」「引退」という3つのステージだけであったが、100年ライフではマルチステージになる。そこでは、生涯に2つもしくは3つのキャリアを持つようになる。これは今の自分もそうだから間違いないだろう。

そうしたマルチステージの人生では、「エイジ」と「ステージ」とが結びつかなくなる。「大学生」という情報だけでは年齢を推測できなくなる。「レクリエーション」から「リ・クリエーション」へと変わる。そこでは自分がどのような人間か、自分の人生をどのように組み立てたいか、自分のアイデンティティと価値観を人生にどのように反映させるかを一人一人考えなくてはならないとする。

そんな人生のあり方を著者は、ジャック、ジミー、ジェーンという三世代を例に挙げ、具体的な人生を例示し説明してくれる。自分はジミーの世代だが、そんな自分自身の現状と重ね合わせて考えてみる。我が子供達の世代であるジェーンについては、どんな変化があるのか著者にもわからない。「あらゆる事態に備えていないということは、まったく備えていないのと同じ」という言葉が紹介されるが、我が子たちも大変である。

100年ライフに備えるには、2種類の資産が必要だとする。「無形の資産」と「金銭的資産」である。「無形資産」は、さらに「生産性資産(スキルと知識)」「活力資産(肉体的精神的な健康と幸福)」「変身資産(人的ネットワーク)」とに分けられる。そうした資産を元に、「エクスプローラー」「インディペンデント・プロデューサー」「ポートフォリオ・ワーカー」のステージを生きることになる。

個人的にそれでも不安なのは、加齢による衰え。しかし、脳の機能が低下するペースは、1/3が遺伝的要因で残りは生活習慣、日々の行動、コミュニティの関わり方、人間関係の強さ、肉体的健康、食事などだという。心したいところである。その他、長く生きることによるお金の問題、時間の使い方、さらに子育てが中心だったこれまでと比べ、友達付き合いが生活の中心になる時期が新たに出現するかもしれないということ、考えるべきことは多い。

 「私は何者なのか」「私はどのように生きるべきか」それに応えられるのは自分だけという著者の言葉に深く頷く。自分の生き方について、人生について、今一度考えてみないといけない。もうとっくに折り返し地点を過ぎたと思っていた我が人生。どうやらまだ折り返し地点をウロウロしているのかもしれない。そんな今後の人生を真剣に考えさせてくれる一冊である・・・



posted by HH at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス/人生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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