2017年03月22日

【「言葉にできる」は武器になる。】梅田悟司



「内なる言葉」と向き合う
正しく考えを深める「思考サイクル」
プロが行う「言葉にするプロセス」

著者は電通のコピーライターとのこと。著者の作品である「世界は誰かの仕事で出来ている(ジョージア)」、「この国を、支えるひとを支えたい(同)」、「その経験は味方だ(タウンワーク)」などは、私も目にしたことがある。そんな言葉のプロが言葉について語った一冊。私もブログをやったりしており、興味をそそられたところである・・・

まずちょっとした衝撃だったのが、
「言葉が意見を伝える道具なら、まず意見を育てる必要がある」
という言葉。考えてみれば当然ではあるが、どうしても「うまく喋ろう」「うまく書こう」とすると、表面的な言葉のみにとらわれてしまうところがある。伝わる言葉を生み出すためには、自分の意見を育てるプロセスこそ重要であり、その役割を言葉が担っているという説明は説得力が高い。

さらに「言葉は思考の上澄みに過ぎない」と著者は語る。言葉には、「外に向かう言葉」と「内なる言葉」の2種類があって、自分の頭の中に生まれている「内なる言葉」に「幅や奥行きを持たせる」=「よく考える」ことが必要だとする。確かに、言われてみれば「うまく喋ろう」「うまく書こう」とする時は、どうしても「外に向かう言葉」をあれこれ駆使するイメージを持ちがちだが、中身がなければそれもむなしい努力だろうと思う。

さらに「伝わる」と(人を)「動かす」とを考えると、その間には「志」があるという。志を共有していれば人は「動きたくなる」。それを著者はサン・テグジュペリの言葉を使って説明する。
「船を造りたいのなら男どもを森に集めたり、仕事を割り振って命令したりする必要はない。代わりに広大で無限な海の存在を説けばいい」
要は「内なる言葉」に意識を向け続ける習慣こそが重要なのである。

「幅と奥行きを広げる」と言っても簡単ではない。それに必要なのは下記の7つ。
1. 頭にあることを書き出す:とにかく書く、頭が空になると考える余裕が生まれる
2. T字型思考法で考えを進める:「なぜ」「それで」「本当に」を繰り返す
3. 同じ仲間(言葉)を分類する
4. 足りない箇所に気付き、埋める:MECE
5. 時間を置いてきちんと寝かせる
6. 真逆を考える
7. 違う視点から考える:複眼思考

後半は具体的なトレーニング方法となる。思いを言葉にする手法として2つの戦略があって、「言葉の方を知る」ことと「言葉を生み出す心構え」をすることだとする。言葉の型は下記の通り。
1. たった一人に伝われば良い:ターゲッティング、「あなたに」「伝えたい」「ことがある」
2. 常套句を排除する:相手と二人の間での言葉にする
3. 一文字でも減らす:削ることで言いたいことを際立たせる
4. きちんと書いて口にする:リズム
5. 動詞にこだわる:躍動感
6. 新しい文脈をつくる:意味の発明
7. 似て非なる言葉を区別する:意味の解像度を上げる

「時間を置いてきちんと寝かせる」とか「一文字でも減らす」などは、先日読んだ『書く力』にも同様の記載があった。やはり真実なのだろうと実感を持って思うところである。自分の興味を持っているところでもあるし、一読してすぐに身につくというものでもないが、これから心掛けていきたいというヒントになった。

確かに「言葉にできる」は武器になると思う一冊である・・・



posted by HH at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス/自説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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