2017年03月23日

【雪煙チェイス】東野圭吾



東野圭吾の新作であるが、タイトルをみれば「スキー(スノボー)関係」だとわかる。そういえば、過去にも『カッコウの卵は誰のもの』『白銀ジャック』があったなと思っていたら、読み進むうちにこれは『白銀ジャック』の続編なのかと思うようになる。というのも、登場人物の名前が同じだからである。

冒頭、新月高原スキー場(『白銀ジャック』で舞台となったスキー場である)で主人公の脇坂竜実がスノーボードを楽しんでいる。そして一人の女性ボーダーの写真を撮ってあげる。これがのちに竜実のアリバイになるための重要な出来事になる。もちろん、この時点では本人も知る由も無い。ただ、その美人ボーダーを誘い損なったことを後悔するだけである。

東京に戻った竜実。しかしその頃、かつて犬の散歩のアルバイトをしていた家の主人が殺されているのが発見される。実はその前日、現地を訪ねていた竜実は近所の人に目撃されており、しかも隠し鍵に指紋が残っていたことから、重要参考人としてマークされる。友人からその事実を知らされた竜実は、法学部の友人波川のアドバイスで警察に出頭するよりアリバイを証明してくれる女性を探すことを選ぶ。

わずかな手掛かりから、里沢温泉スキー場へと向かう二人。一方、所轄署の刑事小杉は、同僚の白井とともに竜実ら二人のあとを追う。事件は殺人事件であり、警視庁捜査一課が捜査本部を設置して捜査をすることになるが、捜査一課の同期課長を出し抜きたいと考えた所轄の刑事課長が密かに小杉たちを動かす。警視庁と所轄の手柄の奪い合いが水面下で進行する。

そして舞台は、里沢温泉スキー場へと移動するが、ここでは町をあげてスキー場ウエディングの準備が進んでいる。そこでパトロール隊の隊長をしているのが、根津昇平。『白銀ジャック』に出てきた根津と同一人物なのだろうと思うが、長岡慎太、成宮莉央、成宮葉月、瀬利千晶と言った面々が絡んでくる。

迫り来る警察の捜査網、アリバイを証明してくれる「女神」を探し求める竜実と波川。その展開がスリリングである。例によって電車の中で読んでいたら乗り過ごしてしまった。後半では、自らを駒と諦めて命じられるままに動いていた小杉刑事が、刑事としての本来の職務に目覚める。後味の良さもある物語。最後まで一気に読んでしまった。

相変わらず、ハズレのない東野圭吾作品。読まないのは損失だと言い切れる作家らしい作品である・・・



posted by HH at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 東野圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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