2017年03月27日

【投資家の父より息子への13の遺言】高橋三千綱



第1章 千載一遇のチャンス
第2章 投資家の父より息子へ、投資の極意とは
第3章 投資の法則
第4章 証券マンを体験する
第5章 投資家はバフェットを真似る
第6章 ファンドマネージャーの道へ
第7章 相場には4つの局面がある
第8章 業績相場への転換期
第9章 中間反騰から逆業績相場
第10章 個人投資家として生きる
第11章 100年に一度の大相場
第12章 効率のいい投資法
第13章 バブルを楽しめ

もともと私自身株をやっている(と言っても今は休養中)こともあって、この手のタイトルには敏感に反応してしまうところがある。一読してよくわからないのは、この本の内容がどこまで実在の話かということである。一応、フィクションと断ってあるが、内容はとてもフィクションではない。実在の話をうまく組み立ててあるのだと思うが、中身の濃い内容であることは間違いない。

主人公である「私」は、投資家Mとなっている。1971年に大学を卒業し、あまり優秀できなかったため、銀行などには見向きもされずW証券に就職する。その後、香港赴任時にフランスの投資会社に転職し、さらに知人の設立した投資会社で50歳まで勤務し独立というキャリアを歩む。投資家として財をなし、そのノウハウを遺言として息子に残すというのが、この本の趣旨である。

まずは投資家として守っている4つのルールが説明される。
1. 10%損切りルールを守る
2. ピラミッティング、いわゆる買い乗せをする
3. 買い下がり、売り上がりはしない、つまりナンピンはしない
4. トレンドに逆らわない
実に簡単であるが、1,3,4は当たり前のように言われていること。これだけの投資家でも基本は大事ということだろう。特に1は、わかっていてもなかなか守るのが難しいのである。

主人公はファンダメンタル分析は苦手で、基本はチャート分析らしい。チャート分析は、当然過去の流れであり、100%あてにはならない。よって否定する専門家もいるが、著者はその欠点を熟知しつつも否定しない。このスタンスも参考になる。そんな主人公は、証券会社に入社して黒板書きをし、チャートを書いた経験が後々役立ったと語っている。このころの経験談はなかなか面白い。

投資の神様ともいうべきウォーレン・バフェットのことは主人公も崇めている。
「政治的、経済的不安がピークに達した時に買った株が最高の買い物になったことが多い」
「知らないもの、理解できないものを扱っている会社の株は買わない」
バフェットのそんな言葉を紹介しつつ、「辛苦を重ねた天才の前では、凡才の努力家は謙虚でいなくてはならない」と語る。

相場には4つの局面があるとする。「金融相場」「業績相場」「逆金融相場」「逆業績相場」であるが、しかし実際に今がどの局面なのか、この本を読んだだけではわからないと思う。そして投資家として大事にしているのは、「積極性」だとする。90%の投資家が損をする世界。ミシガン大学消費者信頼感指数をウォッチし、黄金分割比率(61.8%)を参考とし、「生半可な情報を頼りに株式投資などするな」と戒める。「投資家にとって一番大事なのは、情報を求めることではなく、成長株をタイミングを捉えて売買を繰り返すこと」と語る部分は、自分の考えを補強してくれる。

「日銀が金利を下げたところでいきなり景気が良くなるわけではない。ただそれは金融相場の前触れ。金利が挙げられるのは景気がいいからであり、その後株価は下落する」という株価の基本公式はわかりやすい。日銀短観は外国人投資家にとって何より信頼感が高いという話はなるほど。投資家にとって、下落を予測することは成長株を見つけるより難しいという説明も得るところは大きい。

売りシグナルを読み取ることは、主人公のような専門家でもほとんど不可能だそうである。いわんや私などであろうことは、それなりに参考になる。CDSの急騰は株価下落のシグナルなどは、頭の片隅に置いておきたい。そして最後の言葉が印象的。
「株はむつかしいと言う前に難しさを克服する努力を続ける。40年前も今も私はそうやって投資家を生き抜いている」

大いに参考にしつつ、そろそろ私も投資を復活させようかと言う気にさせてくれた一冊である・・・



posted by HH at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融・経済・株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック