2017年04月11日

【大前研一 アイドルエコノミーで稼げ!】大前研一



第1章 アイドルエコノミーで、新しいビジネスを想像せよ 大前研一
第2章 ネスレ日本のイノベーション 高岡浩三
第3章 日本交通のスマホアプリ戦略 川鍋一朗
第4章 印刷業界を変えるアイドルエコノミー

 大前研一の本となれば、ほぼ無条件で読んでいる。内容はいろいろだったとしても、共通しているのは、どれも読んで損はないからである。そう思って手にした一冊だが、何と内容は4章に分かれていて、肝心の大前研一の担当は第1章のみ。ちょっと騙された感が漂うが、どうも「ATAMIせかいえ」という勉強会をベースにしているようだが、この本のどこにもそんなことは書かれていないのでわからない。実に不親切、不正直な本と言わざるを得ない。

 それはそれとして、タイトルのアイドルエコノミーであるが、近時あちこちで取り上げられていて、ちょっとしたブームになっている。アイドルエコノミーとは、自分ではリソースを持たず空きリソースを見つけ必要としている人とマッチングするビジネスで、AirbnbやUberがその代表として、これもあちこちで紹介されている。

気がつけばその方にもいろいろと登場しているようである。自宅のトイレを貸すAirpnp、自宅をリフォームしたい人と建築士、設計士、業者をマッチングするHouzz、システム開発のUpwork。Airpnpなんて真面目に考えているのだろうか、商売として成り立つのだろうかと思わざるを得ないが、考えるものである。

 こうした空きリソースを利用した新しいシェアリングサービスは確実に拡大して来ていて、現状5つに分けて説明されている。
1. 場所−家、部屋、土地、駐車場、オフィススペース、結婚式場、イベント会場・・・
2. 稼働−倉庫、印刷所、クリーニング、料理教室、トイレ・・・
3. 専門家の空いた時間−フリーランサー、ガイド、医者、子守、ドッグシッター・・・
4. 物−ファッショングッズ、道具、カメラ・・・
5. 乗り物−タクシー、自転車、自動車、プライベートジェット、プレジャーボート・・・
確かにいろいろある。

 個人的に面白いと思ったのは、空いているオフィスの貸し借りであるShareDesk、駐車場の空きを利用したakippa、個人の空き時間を利用したプライベートレッスンの「サイタ」、宅配クリーニングのリネットなどである。第4章で紹介されるラクスルも面白い。そのほかにも高額な工作機械など、購入した後に自社だけでなく近隣の企業にも使ってもらい稼ぐことで、固定費に対する限界利益を上げることなどその発想が参考になる。

 こうしたアイドルエコノミーの台頭をただ礼賛するだけではなく、「その脅威に既存のプレーヤーはどういう対策を講じるべきか」を大前研一は論じる。
1. 自らがアイドルエコノミーの領域に乗り出す
2. アイドルエコノミーのプレーヤーをうまく活用する
3. 圧倒的な製品・サービスの魅力を提供することで顧客に常に選ばれる立場に立つ
(リッツ・カールトン、日本交通、ロイヤルホスト、ライザップetc)
反対の立場からのものの見方も大いに参考になる。

 第2章からは、論者が変わる。ネスレジャパンはネスカフェアンバサダーの成功を中心に語られるが、我が家にもあるそれはあまりコーヒーとしては美味しくなく、「成功」と語られるのには抵抗感がある。日本交通はスマホアプリだが、これはまだ利用したことがないため、便利なら普及してほしいと思う。ラクスルは最近ネット広告が目につくが、これはなかなか面白いアイディアだと思う。

 それなりに悪くはないと思うが、こちらは「大前研一の本」だと思って読んでいるだけにちょっと裏切られ感が強く、素直に読めないところがあった。「羊頭狗肉」と言ったら言い過ぎであろうか。次は事前によく中身を確認しようと思わされた一冊である・・・ 


posted by HH at 21:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 大前研一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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