2017年04月12日

【恋のゴンドラ】東野圭吾



ゴンドラ
リフト
プロポーズ大作戦
ゲレコン
スキー一家
プロポーズ大作戦 リベンジ
ゴンドラ リプレイ

東野圭吾の「ゲレンデ」シリーズとでも言える一作。というのも、舞台となっているのが『雪煙チェイス』で舞台となった里沢温泉スキー場であり、『白銀ジャック』と合わせて両作品で登場したパトロールの根津が出てくる(といってもこの作品では脇役である)からである。

しかし、両作品とちょっと雰囲気が異なるのは、この作品は東野圭吾得意のミステリーではないのである。「誰も殺されない」のである。その代わりに展開されるのは男女8人の恋模様。今までの東野圭吾とは一味違うものである。

最初の「ゴンドラ」は、里沢温泉スキー場のゴンドラが舞台。広太は美雪と同棲していて、結婚の話も出ているが、知り合った桃実と二人で一泊のスキー旅行に来ている。美雪との付き合いが描かれる一方で、広太の思いは早くもその夜におよぶ。そして2人で乗り込んだゴンドラに女性4人のグループが乗り込んでくる。そして広太は、そのうちの1人に気がつき愕然とする・・・これはなかなか男の心理としては恐ろしいシチュエーションで、読みながら背筋が寒くなった。

「リフト」は、ゲレンデにやって来たホテルの同僚5人の物語。水城直也は密かに木元秋菜と付き合っている。そして日田栄介は、土屋麻穂に好意を抱いている。女性の扱いがうまい水城は下手な日田のためにひと肌脱ごうとするが、肝心の麻穂は・・・水城も日田もこういうタイプいるよなぁと思わせられる。

「プロポーズ大作戦」は、日田がようやく付き合い始めた美雪に、わずか3ヶ月で早くもプロポーズしようとする。それにふさわしいシチュエーションを水城に相談し、水城はゲレンデを舞台に一計を案じるが・・・
「ゲレコン」は、水城と日田が「ゲレンデでの合コン」に参加する。そこで知り合ったのは、高校時代の友人同士である弥生と桃実。4人はゲレコンのイベントの中で知り合い、ゲレンデで楽しいひと時を一緒に過ごすが・・・

「スキー一家」は、結婚した月村春紀と麻穂が、麻穂の両親とスキー旅行に参加する。麻穂の父親は大のボーダー嫌い。自らボーダーであることを隠して春紀は慣れないスキーをする・・・「プロポーズ大作戦リベンジ」は、日田と桃実を「くっつけ」ようと企む水城と弥生。しかし計画は思わぬ展開をみせる・・・

「ゴンドラリプレイ」は、日田と桃実の関係が接近していく様子が描かれ、そして冒頭と同じように広太らと一緒になる。そしてまた同じようなシチュエーションとなっていく・・・どれもこれもがゲレンデを背景に爽やかな若者たちの有様が描かれる。死者は出ないものの、やはり先を読ませず意外な展開を見せてくれるのは、どこか東野圭吾的である。こういうのもいいかもしれない。

それにしても、東野圭吾はスノーボードが好きなんだろうなと感じさせる。それが何より証拠の「ゲレンデ・シリーズ」であり、描写の1つをとってみてもそう感じさせる。こういうのもアリではないかと思う。今後、こういうテイストの作品が増えるのかどうかはわからないが、これはこれで読んでみたいと思う。

いずれにせよ、これからも東野圭吾作品の感想が増えていくことは間違いないと思うところである・・・



posted by HH at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東野圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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