2017年07月06日

【やり抜く力−人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける−】アンジェラ・ダックワース



原題: GRIT The Power of Passion and Perseverance
PART1 「やり抜く力」とは何か?なぜそれが重要なのか?
第1章 「やり抜く力」の秘密
第2章 「才能」では成功できない
第3章 努力と才能の「達成の方程式」
第4章 あなたには「やり抜く力」がどれだけあるか?
第5章 「やり抜く力」は伸ばせる
PART2 「やり抜く力」を内側から伸ばす
第6章 「興味」を結びつける
第7章 成功する「練習」の法則
第8章 「目的」を見出す
第9章 この「希望」が背中を押す
PART3 「やり抜く力」を外側から伸ばす
第10章 「やり抜く力」を伸ばす効果的な方法
第11章 「課外活動」を絶対にすべし
第12章 まわりに「やり抜く力」を伸ばしてもらう
第13章 最後に

 原題にある「GRIT」とは、ここでは「やり抜く力」と訳されているが、元々の意味は「(困難にあってもくじけない)勇気,気概,闘志」ということであるらしい。そしてこの本の主張を一言でまとめるのなら、「成功に必要なのは才能ではなく、やり抜く力」ということ。本書は、そんな「グリット」研究の第一人者による解説である。

 米国陸軍士官学校は通称ウエストポイントと称される米国陸軍の最高峰の士官学校であるが、その狭き門は毎年全国の優秀な生徒14,000人が目指し、わずか1,200名が入学できるレベルなのだという。にもかかわらず、その過酷な訓練で5人に1人は中退するのだという。肉体的・精神的に最も過酷な環境に最後まで耐え抜けるのはどんな人か。調査によれば、それは「ネバー・ギブ・アップ」という態度であったという。

 「やり抜く力」に必要なのは、「情熱」と「粘り強さ」。才能があっても関係ない。しかし、世の中のほとんどの人は、努力よりも才能を上と見てしまう。言われてみれば確かにその通りである。紹介されているニーチェの言葉が興味深い。
 「芸術家の素晴らしい作品を見ても、それがどれほどの努力と鍛錬に裏打ちされているかを見抜ける人はいない。その方が好都合と言っていい。気の遠くなるような努力のたまものだと知ったら感動が薄れるかもしれないから」
なるほどである。

そして示される公式。
「才能」✖︎「努力」=「スキル」
「スキル」✖︎「努力」=「達成」
どちらにも「努力」が入っていることに注目したい。別の言葉では、「情熱とは1つのことに専念すること」と説明されている。いい言葉である。また、とにかくやり抜けばいいというものでもない。目的は重要度を考え、低いものは諦めてもいいが、高いものは安易に妥協すべきではないとする。

 そんなやり抜く力は、ある程度は遺伝の影響らしいが、大事なのは関係する遺伝子は1つではないこと。諦める必要はなさそうである。そして環境。1人が賢くなると、まわりも賢くなっていく。バスケが上手くなるコツは、自分よりややスキルの高い仲間と一緒にプレーすることだという。環境が変われば変わるし、また必要に迫られても変わる。

 やり抜く力の4つの特徴は、「興味」「練習」「目的」「希望」。やり抜く力の強い者は、他の者より練習時間が長い。時間だけでなく、「高い目標設定」「集中と努力」「改善と反復」も重要なファクターだとする。そんなやり抜く力を自分が身につけるのも大事だが、子供のやり抜く力はどう育てればいいのだろうか。そんな疑問が親としては当然思うが、それにも答えは用意されている。

・最後までやる習慣をつけさせる
・厳しくしつつも温かく支える
・自分で決められる感覚を持たせる
・親が愛情深くどっしりと構えている
それぞれ具体的に説明されているので大変参考になる。しかし、最も大事なのは次の考え方。
「自分が人生の目標に対してどれくらいの情熱と粘り強さを持って取り組んでいるか。子供が自分を手本にしたくなるような育て方をしていると思うか」
思わず考えさせられてしまう。

 何事も大事なのは才能ではなく、「やり抜く力」だとする考え方は、自分が凡人だと思っている身には救いとなる。同時に言い訳もできなくなる。「やれるかやれないか」ではなく、「やるかやらないか」。希望を持って物事に取り組みたいと思う。
 実に勇気の湧いてくる一冊である・・・

posted by HH at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス/自説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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