2017年07月22日

【テクノロジー4.0「つながり」から生まれる新しいビジネスモデル】大前研一



第1章 「テクノロジー4.0」とは何か
第2章 「FinTech」で信用の概念が変わる
第3章 「位置情報ビジネス」が60兆円市場になる理由
第4章 「IoT」で生き残る企業、滅びゆく企業

定期的に手に取っている大前研一の本をまた一冊。「テクノロジー4.0」というのは耳慣れない言葉だが、避けていてはビジネス界でついていけなくなるというもの。興味深くページをめくる。「テクノロジー4.0」とは、産業革命から現代に至る経済界の大変動を表した言葉。その流れは以下の通り。

テクノロジー1.0 産業革命
テクノロジー2.0 大量生産
テクノロジー3.0 通信・インターネット時代の幕開け
そしてテクノロジー4.0とは、インターネットの次に来るテクノロジーの革命だそうである。

テクノロジー4.0が生まれた背景にある要素は以下の4つ。
1. リアル(実体)経済
2. ボーダレス経済
3. インターネットによる見えない大陸
4. マルチプル経済の理論がイノベーションを加速
そして、「スマートフォン・セントリック」と呼ばれるスマホがあらゆるテクノロジーの媒介役として機能する流れが起こっているとする。

今の政府は、「デフレは悪」としているが、中原圭介氏と同様、大前研一氏も「デフレは世界最適化のブロセス」と肯定的に捉える。これからのビジネスマンにとって必要なのは、「ビッグデータ」「ドローン」「FinTech」「AI」「Uber」等々、それぞれのテクノロジーのつながりを俯瞰する視点だとする。ボォーとしていてはいけないのは、言われるまでもない。

テクノロジーは、先進国より途上国の方が浸透しやすいという。固定電話が行き渡る前にスマホが普及してしまった例を採り上げた説明にはなるほどと思わされる。ブロックチェーンに代表されるFinTechが今や国家や金融機関に変わって信用を提供するという意見は、いろいろ見聞きしている通りである。

資産運用も、高い手数料を取られる人間によるよりも、手数料の安いAIに取って代わられるとする。すでに2016年にはこれで770億ドルが運用されていて、2020年には1.6兆ドルになると予測されているのので、絵空事ではない。「今ここにいるあなた」を狙った「ポイントキャスティング」を始めとする位置情報ビジネスの加速も興味深い。それらは建機の車両管理サービス、Amazonの倉庫を走るロボット、ゴルフ場の芝刈りロボット等々拡大している。

一方、そうしたテクノロジーの進歩に対し、「個人情報」「ロケハラ」「プライバシー」の3つの問題も起こって来るリスクがあるとする。IoTで全てがインターネットにつながる時代は、そうしたリスクを孕みつつも期待が持てると思う。特にアメリカのサクラメントで行われたという試みに興味を持った。それは原発に反対した住民に対し、それなら原子炉なしで電力を賄うべく、街全体で30%の省エネを実現するために協力せよとして行われたものだという。この取り組みにおいて、全家庭と連携してこれを実現してしまったというもの。そのまま日本に当てはめられるかどうかはわからないが、IoTにより日本でも実現できる可能性は十分にあると思う。原発ありきではないのである。

世の中は目まぐるしく変化しており、現役世代としてはこの動きを理解し遅れずについていきたいと思う。この本を読むと、そうした変化の一例に溢れており、知らないものもかなりあった。世の中の変化のアップデートという意味では、一読の価値ある一冊。これからも大前研一氏の本には目を通していきたいと改めて思わされる一冊である・・・


posted by HH at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 大前研一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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