2018年03月28日

【“トークの帝王”ラリー・キングの伝え方の極意】ラリー・キング 読書日記906



原題:How to Talk to Anyone,Anytime,Anywhere

はじめに 「伝え方」は誰でも身につけられる 
第1章 いつ、誰にでも通用する「たった1つの大原則」
第2章 会話の達人に学ぶ「8つの習慣」
第3章 初対面でも緊張しない「会話の続け方」
第4章 パーティで気後れしない「社交の会話術」
第5章 仕事で結果を出す「ビジネス会話術」
第6章 聞き手を魅了する「達人のスピーチ術」
第7章 達人の一歩先へ!「スピーチ術・上級編」
第8章 番組史上「最高のゲスト」「最悪のゲスト」は?
第9章 テレビ・ラジオで生き残る「メディアでの話し方」
最後に 「伝えること」の未来について

 著者は、番組を一度も見たことがない私でもその名を知っているアメリカの名物司会者であり、キャスターである人物。CNNの看板番組「ラリー・キング・ライブ」は、見たことがなくてもその存在を私が知っているくらいだから、現地では誰でもが知る番組なのかもしれない。そんなまさに「話すために生まれてきた」ような著者が、「伝え方の極意」と称するのだからこれは読まずにはいられないと、手にした次第である。

 冒頭からいきなり著者は、伝え方の大原則は「自分らしく、素直に」だと言う。簡単なようでいて、難しいかもしれない。話が上手くなるには、積極的に話す努力を続けるという前向きな姿勢が大切だとする。当たり前と言えば実に当たり前であるが、こんなものなのかもしれない。さらに話し上手になるには、「相手に興味を示す」「自分のことを率直に語る」ことだとするが、これは素人にもやさしい。

・好奇心を持って人の話を聞けば、家にいたって視野は広がる
・自分の仕事を心から楽しんでその仕事への情熱を他人に伝えることができれば、成功する可能性はずっと高まる
なるほどと思わされることである。さらに興味深かったのが、会話のきっかけ。仕事でもよく戸惑うところであるが、これは「天気の話」「子どもと犬の話」「今いる場所の話」だという。これは意識したい。

 「成功できたのは話すことよりも人の話を聞くことに努めたから」という言葉は重みがある。「口は1つ、耳は2つ」という言葉に通じるものがあるが、こういう人が語ると重みがある。さらにアイコンタクトのルールが参考になった。
1. 相手が話している時、視線を合わせる
2. 自分が質問する時、視線を合わせる
3. 自分が話している時は視線を逸らしても良い

 また、パーティーでの会話の基本は、
1. 素直に話す
2. お互いの共通点を見つけて話題にする
3. 相手の話をしっかり聞く
としているが、なるほど参考になる。

 さらに場を盛り上げるコツとしては、
1. 誰もが話せる話題を選ぶ
2. 必ず相手の意見を求める
3. 内気な人をサポートする
4. 会話を独占しない
5. すべてを知ろうとしない
6. 「もし〜だったら」の質問をする
としている。こういう役回りが苦手な自分としては、ちょっと覚えておきたいところである。

 また、「面接=自分をセールスする」時の4つのルールも面白かった。
1. 自分に何ができるのかを伝える
2. 仕事への熱意を示す
3. 事前に準備をする
4. 自分から質問する
今後、そういう機会があるかどうかわからないが、頭の片隅に置いておきたいと思う。

 そのほかにも司会の心得やスピーチについてなどもあって、さすが「トークの帝王」と言える。プロの司会者になるつもりがなくても、ちょっと人前で話さなければならなくなった時には、印象に残ることが言えるかもしれない。
 人前で話をすることに興味を持っている人は、一読したい一冊である・・・


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2018年02月16日

【革命のファンファーレ −現代のお金と広告−】西野 亮廣 読書日記893



 著者は、以前『魔法のコンパス』を読んだことのある芸人さん。この方、タダ者ではなくて、とにかく発想が面白くて、その後4年半かけて作ったという絵本『えんとつ町のプペル』も買ってしまったくらいウォッチしていたい人。そのな方の最新刊ということで、迷わず手にした一冊。

 やっぱり冒頭から面白い発想を語ってくれる。若者が「やりたいことがない」というのは健全な考え方だという。それを嘆くのは、「職業が永遠に続くという発想」に慣れてしまった人だという。やりたいことを掛け持ったり迷ったりすることは、これからの時代を生き抜く術だとまで言う。確かに、その通りかもしれない。「常識のアップデートを止めてはならない」とは、大事な考え方だと思う。

 知らなかったのだが、著者は少し前にある番組の収録中に、ディレクターの態度が気に入らなくて帰ってしまったそうである。それをあるコメンテーターが批判したのを受け、「収録中に帰る」という選択肢があるからこそできると反論する。テレビから干されると困るゆえに(収録中に帰ることなどできないくせに)「私なら残ります」なんて言ってんじゃないと手厳しい。ちょっと毒舌だが、まさにその通りだろう。

 『えんとつ町のプペル』は、5,000部売れるとヒットと言われる絵本業界で、32万部売れているという。その売り方がすごい。
 1. アマゾンは先行予約受付は3ヶ月前しかできないので、自分で1万部購入して専用サイトを作って予約の受付をした
 2. インターネットで無料公開した
 3. 著作権をフリーにした
 4. 体験+お土産で販売した
 5. 絵本の中の絵をインスタ映えする正方形にした
その発想はとにかく既存のやり方に馴染んだ人には真似できないものだろう。

 さらにあっと驚く発想は続く。キズ本(読んで印をつけた本)は、普通無価値である。だが、「孫正義が読んだキズ本は本当に無価値なのか」と問うて「しるし書店」なるものを立ち上げる。確かに、孫さんが読んでマーカーした本なら倍の値段でも買う人はいるだろう。とにかくその発想とビジネスセンスには驚かされる。

「一歩踏み出すのに必要なのは、勇気ではなく情報」という言葉にも唸らされる。
「好きなようにやらせてもらえないことを立場のせいにしていないか」という言葉に、どきりとさせられるサラリーマンは多いだろう。
「売れない原因を環境や時代のせいにしていないか」
「自分の不満を誰かが解消してくれることを待っていないか」
そう問いかけた上で、「成功者は必ず決定権を持っている。決定権は覚悟」と説く。この言葉に「そうは言っても・・・」なんて言い訳していてはいけない。
「他人に決定権を委ねると出遅れる」
「常識に屈するな、屈しないだけの裏付けを持て、それは行動力、情報力」
最後に一気に畳み掛ける迫力に胸が熱くなる。

 自分は、何となく少しだけだが出来ている気がする。それをもっと力強くやっていきたい。帰りの電車の中で、スマホゲームなんてやっている場合ではない。この本を読んで明日を目指せと若者に言いたくなる。
若者だけではなく、自分もいっそうかくありたいと思わされる一冊である・・・




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2018年01月19日

【スタンフォード式最高の睡眠】西野 精治 読書日記879



プロローグ 「ぐっすり」を追求した究極のスタンフォード・メソッド
第0章 「よく寝る」だけでパフォーマンスは上がらない
第1章 なぜ人は「人生の3分の1」も眠るのか
第2章 夜に秘められた「黄金の90分」の法則
第3章 スタンフォード式最高の睡眠法
第4章 超究極!熟眠をもたらすスタンフォード式覚醒戦略
第5章 「眠気」を制する者が人生を制す
エピローグ 睡眠研究の最前線「スタンフォード」で見つけたこと

 いつ頃からだろうか、平日の睡眠時間4時間半、休日6時間という生活を続けている。それは睡眠の90分サイクル説に基づいてのものだが、5時間より4時間半の方が確かにスッキリすることもあって今の形に落ち着いている。しかし、本音を言えばもっと寝たい。そんな睡眠に対する飢餓感があって、この本に手が伸びた次第。著者はスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長である。ちなみに、同所は世界一の睡眠研究所だそうである。

 レム睡眠とノンレム睡眠の90分サイクルは間違っていないが、睡眠は量より質だと言う。そして睡眠と覚醒は実はセットであるとする。90分サイクルも大事なのは「最初の90分」。ここでしっかり眠れば最高の睡眠がとれるのだそうである。睡眠時間が足りないと、深刻なマイナス要因が積み重なっていくと言う。著者はそれを「睡眠負債」と呼ぶが、何と日本は世界一睡眠偏差値が低いのだとか。残念ながら私もそれに「貢献」してしまっている。

 この睡眠負債は様々な悪影響をもたらす。
1. 日中のマイクロスリープ(一瞬眠りに陥る)
2. 寿命を縮める
3. 女性はどんどん太る
4. 肥満・糖尿病・高血圧などの生活習慣病に直結
個人的に「2」はちょっと恐ろしい。

 だからと言って、週末の寝溜めでは睡眠負債は解消できない。大事なのは、最初のノンレム睡眠をいかに深くするか。寝る時間がないなら「最初の90分」の質を下げないことが大切だと言う。大量のアルコールも睡眠の質を下げるからダメで、むしろ度数は高くても少量であれば深く眠れて良いとする。仕事があって寝ていられないと言うなら、まず黄金の90分をしっかり寝て、最初のレム睡眠のタイミングで起きてやればいいのだそうである。(そんなにやらないのが一番だと思うが・・・)

 睡眠に課せられたミッションとは、
1. 脳と体に休息を与える
2. 記憶を整理して定着させる
3. ホルモンバランスを調整する
4. 免疫力を上げて病気を遠ざける
5. 脳の老廃物を取る
ことであるとする。

 そのほか睡眠と覚醒について良いことは覚えておきたい。
1. 就寝時間と起床時間を固定する
2. 入浴は就寝90分前が良い
3. そば殻まくらは頭を冷やすから良い
4. ブルーライトの悪影響がある寝る前のスマホはダメ
5. 朝の光はメラトニンの分泌につながって良い
6. 起きたら冷たい水で手を洗う(手からの放射熱を下げる)
7. 朝風呂はその後の体温低下につながるから良くない
8. 咀嚼力が良い影響をもたらすので朝食は取るべし

 考えてみれば当然だが、睡眠は奥が深い。世界一といってもまだ夢の問題等解明できていないものがあるそうである。今はショートスリープに甘んじているが、本当ならもっと寝たい。でも今はできない以上、少しでも睡眠の質を上げたい。そんな自分に良い教えをもたらせてくれたありがたい一冊である・・・



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2017年10月13日

【超一流の雑談力】安田正 読書日記844



第1章 「超一流の雑談」の始め方
第2章 何を話題にすれば、雑談は盛り上がるのか?
第3章 思わず心を許してしまう聞き方
第4章 出会ってすぐに距離を縮める方法
第5章 さらに距離を縮める二度目の雑談
第6章 相手によって話し方や話題を変える
第7章 雑談から本題への移り方
第8章 今日から始める雑談トレーニング

仕事でいろいろな人と会う機会があるが、その時、雑談の重要性を強く感じる。いきなり本題に入るのも味気ないし、かと言ってダラダラと雑談が続くとイライラする。日頃難しいなと感じていたからこそ、タイトルを見て飛びついた次第である。

著者が説く雑談は、誰でも同じようにトレーニングできるという。なかなか心強い。中身はコンパクトに各々がまとまっている。
・自慢話はしない
・軽い失敗談を話す
・オノマトペ(雨が「ザバーッ」と降るというような擬音)
・何のための話かゴールを見失わない

私は個人的に人見知りだと思っているが、「人見知りだからこそ」それを解消するアクションに打って出よとする。その通りなのだろう。
・最初の話題は天気やニュースなど当たり障りのないもの
・実益のあることを教えてもらえればイヤでも会話は盛り上がっていく
早速、今日の銀行担当者との会話で意識してみたところである。

あいづちの「さしすせそ」はなるほどである。
さ:さすがですね
し:知らなかったです
す:素敵ですね
せ:センスがいいですね
そ:それはすごいですね
何だかはが浮きそうであるが、相手をいい気分にさせるのは基本だろう。

・会話が終わったらすぐメモ
・家を出た時から口角を上げる(爽やかな笑顔)
・話をちょいモリして盛り上げる
・意見が食い違う時は「うかつでした」
いずれもちょっとした心遣いである。

相手のタイプにも合わせる必要がある。
・プライドが高い人は上手に褒める
・言いたいことをはっきり言うボスタイプは基本的に無駄話を嫌う傾向
・マイルドな「いい人」タイプには、強すぎず、弱すぎずギリギリの押しで
・賢い話し方をする分析タイプには、数字や根拠、事実などを示しながら
・あまり主張しない「控え目」タイプには、焦らず相手の言葉を待つ
思い返せば、当てはまる人がそれぞれ脳裏に浮かぶ。

・会話の流れを止めない
・どんな球でも拾って繋げる
・間で緩急をつける
このあたり、理屈はわかるが、言うは易しの感がある。

最後の雑談トレーニングは、なかなか参考になった。
・エレベーターの中で、「何階ですか?」と聞く
・お会計の時に店員さんとひと言話す
・社内の苦手な人、嫌いな人と軽く雑談をする
何より、「話す」と言う意識と実践だと言うことなのだろう。

何事であれ、極めれば本が一冊書けてしまう。雑談ですらそうである。このあたりはやはり心掛けだろう。苦手意識を持つことなく、とにかく実践。明日からやってみようと思わされる一冊である・・・



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2017年10月05日

【超AI時代の生存戦略<2040年代>シンギュラリティに備える34のリスト】落合陽一 読書日記841



プロローグ インターネットの身体化から、シンギュラリティ前夜へ
第1章 超AI時代の「生き方」
第2章 超AI時代の「働き方」
第3章 超AI時代の「生活習慣」
エピローグ ユビキタス社会からデジタルネイチャーへ

「AI時代の到来」ということは、至る所で語られている。そんな中、「超AI時代を生き抜いていくために時代性を読み解き、必要なスキルやマインドセットなどについて解説」してくれるのが本書の位置付け。大変興味を持って手にした次第。

スマホの普及により、人はデジタル空間にもう一度生まれたと言える状況になっているという。確かに、SNSの世界はその最たるものだと思う。「ワンクリックでお急ぎ便が届き、いつでもどこでもUberが呼べて、手のひらの上で音楽が買える」現代は便利である一方、将来AIに仕事を奪われ、人はベーシックインカムで暮らすようになるという未来像もある。しかし、そうした「コンピュータ時代の思考法」もあるとするのが著者の主張。

まず出てくるのが、ワークライフバランスならぬ「ワークアズライフ」。報酬とストレスとをキーワードに「ストレスのかかることかからないことのバランス」を考えるのだという。やってて楽しいこと、すなわちストレスのかからぬことを仕事にするという考え方だが、「好きなことを仕事にする」とは以前から言われていることでもある。これは今自分でも「仕事を楽しんで」おり、よく実感できる。「好きなこと仕事にする」か「ストレスのかからぬことを仕事にする」か「仕事を楽しむか」どれもストレスフリーという点では共通している。これができれば一番である。

ネットで人間関係は無限に広がる気もするが、「コミュニティの限界は30人」だとする。「世界を狭めれば自分らしさが定義できる」という考え方は新鮮である。グローバルとローカルに優劣はなく、多様化した社会では「1個のパイを奪い合うのではなく、パイをどうやって広げようかという超AI時代の戦略」が必要という主張は素直に同意できる。

さらに全員が全員違う方向に向かってやっていくことを当たり前に思うこと、1人1人がブルーオーシャンな考え方をしていかなければいけないという点も然り。サーベイ(調査・測量)をして、自分がやっていることと同様の事例があれば、そこから先に自分がどういう価値を足せるのかを考えるというマインドセットが大事だというが、その通りだろうと思う。

そのほか、なるほどと思えたのは以下の通り。
・インターネットに管理される生活と管理する生活に上下関係はない(領域ごとに成立する役割分担)
・人とテクノロジーの組み合わせが時代を作る
・時代の速度より遅い進歩はいくらやってもゼロ
・締め切りに追われないためには、「ツールを使うこと」「中間の工程を気にしないこと」「機械にできることを極力やらないこと」が大事
・人間をコミュニケーションのチャンネルとして捉える
・データ量ではなく、「特徴量」を記憶に埋め込む。おぼろげな記憶があれば、「ググればわかる」

これから確実にやってくるのはどういう時代なのか。それに対し自分はどうすべきなのか。人間は歳をとるとだんだん何をするにも億劫になりがちだろう。高齢化社会の中で、いつか確実に高齢者の仲間入りをするわけだし、その時になって流されて終わるのではなく、常に自分のあり方をしっかりと意識しておきたい。本の内容もさることながら、そんな意識を改めて持たせてくれた一冊である・・・




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2017年09月26日

【一流の魅せ方−会う人すべてがあなたのファンになる−】鈴鹿久美子 読書日記837



第1章 誰に、どう魅せたいのか
第2章 「体型と顔」は、こう魅せる
第3章 一流は毎日「同じ服」を着る
第4章 相手を瞬時に魅了する作法
第5章 人生は選挙である


著者は、政治家のためのブランディング戦略家出、魅せ方コンサルタント。いろいろなコンサルタントがいるものだと改めて思うが、そんな魅せ方コンサルタントが、「出会った人を一瞬であなたのファンにする方法」を記したのが本書だという。十分魅力的なうたい文句で、人気があるのもよくわかるというものである。

「人は魅せ方が100%」だとし、「一瞬の印象」が成否を左右するとする。まぁ普段、営業などに来られた人とあったりしているが、だいたい初対面の印象は最初で決まるというのは実感として理解できるところである。それでも「49歳でリストラされた普通の主婦が、6週間で政治家になってしまった」などという話を読むと、ついつい警戒心が強くなってしまう。

選挙で落ちる人の特徴は共通していて、ポスター用の写真に使う服装や笑顔、キャッチフレーズ、演説の内容、身の回りの小物等をなんとなく選んでしまうことだと言う。当選する人は政党への「風」がどちらに吹いていても確実に当選するものであるし、そういう人を目指すには「魅せ方」が重要だというのが著者の主張である。

オシャレにはとことん苦手な私であるが、「流行に敏感」は自分を客観視できていないと残念な結果になるということにはちょっと救われる気がする。「流行に敏感」≠「オシャレ」ということらしい。オシャレであるためには、自分のスペックを棚卸し、どんな自分を魅せたいかを明確にし、その第一歩として自分のコアカラーを決めるという。やっぱりついていけそうもないと感じる。

「体型」「笑顔」をこうすべしと言われても自分には難しい。「服装」「小物使い」「話し方」の3つを「同時に同じ方向に向かって足したり引いたりして100点になるようにする」のが人生の戦略と戦術だとするが、苦手意識は払拭できない。その他作法については、小泉進次郎などの実例を挙げて説明してくれるが、このあたりは話のネタ的に聞き置く。

「相手の目を見るのが怖かったら、相手の口元を見る」という話は新鮮であった。こちらは口元を見ていても、相手は「自分の目を見ている」と感じるという。こういう話は面白い。どんなに厳しい仕事でも「誰かが見ていてくれる」「しっかり評価してもらっている」と思えるだけで人は頑張れるというのは、部下を持つ人には参考になる話である。

・「やりたい」と思わせることが上に立つ者の仕事
・自分がどうしたいか、たった1人の自分がどう思うのかを大切に考える
・他人は自分が思うほど自分のことばかり見ていない
バツイチアラフォーで失職し、選挙の手伝いから議員秘書になり、半年間で十二指腸潰瘍を2回、円形脱毛症22箇所という経験をした筆者ならではの、「魅せ方」以外の部分も見逃せない。

オシャレは無理でも、だからと言ってまるで敬遠してしまうのもよくないだろう。この本を読んですぐにどうこうとはいかないが、自分なりに意識してみたいと前向きに思う。そんな気持ちにさせられた1冊である・・・




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2017年09月20日

【謙虚なコンサルティング クライアントにとって「本当の支援」とは何か】エドガー・H.シャイン 読書日記835



原題:Humble Consultibg How to Provide Real Help Faster

1. コンサルタントなのに、どうしたらいいのかわからない
2. 謙虚なコンサルティングはどのように新しいのか
3. 互いを信頼し、率直に話しのできるレベル2の関係の必要性
4. 謙虚なコンサルティングは最初の会話から始まる
5. パーソナライゼーション-レベル2の関係を深める
6. 謙虚なコンサルティングはプロセスに集中する
7. 新しいタイプのアダプティブ・ムーブ

もともとコンサルティング系の仕事には興味を持っているのだが、それは読む本を選ぶ時にも自然と現れてくる。この本もそんな傾向の中で手にした一冊。
「謙虚なコンサルティング」とは一体何なのか。それは「クライアント自身が納得感のある解を自ら探っていけるよう支援する」ものだという。コンサルタントというと、どうしても教え導く「先生」というイメージがあるから、言わんとしているところはよくわかる。

謙虚なコンサルティングで重視するのは、「プロセス・コンサルテーション」。結論だけを教えるというのではなく、結論に自ら至れるようにするということであろう。「クライアントが主語」という言葉にそれはよく現れている。そうしたコンサルティングが求められるようになった背景として、「かつてない複雑な問題」、「かつてない種類のクライアント組織」、そして「クライアントが感じているかつてない切迫感」を挙げている。

「謙虚なコンサルティング」の特徴は、「クライアントとの間のこれまでにない個人的な関係が必要」な点だとする。それには「謙虚な姿勢」、「支援したいという積極的な気持ち」、そして「好奇心」が必要となる。さらに新しいタイプの聴くスキルと対応するスキルが必要とする。聴くスキルの具体的内容は下記の通り。

1. 自己中心的に聴く:自分が最初に何に注意を引かれたか
2. 内容に共感しながら聴く:クライアントが伝えたい問題の要素は何か
3. 人に共感しながら聴く:クライアントが実際にどのように経験し、感じているか

こうした理論だけだと何となくわかったような気になってしまうが、著者が例示する具体的事案がその理解を助けてくれる。特にあるプロジェクトで、タスクフォースのメンバーとどのようにスタートを切るかが問題になった事例で、著者はパーソナライズ(打ち解けた)された関係を築くために「チェックイン」と呼ばれる手法を導入した例が印象的であった。これは要は自己紹介なのであるが、そのプロジェクトに対する思い入れを語ってもらうことで、メンバーの共感を集めたというもの。特に同じ会社でも話をしたことがないメンバーなどでは効果的に思う。

クライアントとは師弟の関係に立つのではなく、あくまでも寄り添うことを目指す。クライアントと支援者が信頼し合い、率直に話ができることが大切であり、「レベル2の関係」と呼ぶパーソナライズされた関係を重視する。これはコンサルタントのみならず、上司と部下でも親子でもできそうである。よくよく考えてみれば、これこそコンサルタントが必要とするスキルのような気がするが、こうした本が出されるということは、そうでなかったということかと改めて思わされる。

本を読んだだけでどの程度身につくかはわからないが、自分自身の対人関係のスキルとして、意識してみたいと思わされるものである・・・


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2017年09月08日

【逆説のスタートアップ思考】馬田隆明 読書日記831



前 章 スタートアップとは
第1章 アイデア
第2章 戦略
第3章 プロダクト
第4章 運 それはコントロールできる
終 章 逆説のキャリア思考

スタートアップとは、これまでなんとなく「起業したての会社」というイメージでいたが、厳密にいうとそうではないらしい。スタートアップとは、「短期間で急成長を目指す一時的な組織体」ということらしい。起業したてでも着実な成長を目指すものは、「スモールビジネス」であり、スタートアップとは異なるとしている。著者はそんなスタートアップ支援を長年手がけている方のようである。

スタートアップの世界では、普通のビジネスの考え方や起業の方法論がうまく当てはまらないことが多々あり、この本はそんなスタートアップに関するノウハウについて、特に「アイデア」「戦略」「プロダクト」について集中的に解説したものである。この本を手に取ったのは、別にこれからスタートアップを手がけようというつもりではなく、新規事業についてのヒントを求めたつもりである。

まずは「アイデア」。成功するアイデアについては4つ挙げられている。
1. 不合理な方が合理的
2. 難しい課題ほど簡単になる
3. 本当に良いアイデアは説明しにくい
4. スタートアップはべき乗則に従う

ここで参考になったのは、「一見悪いように見えて実は良いアイデア」という考え方。と言っても悪く見えるアイデアがいいというわけではなく、むしろ悪く見えるアイデアのほとんどは単に悪いアイデアとするから難しい。むしろ大事なのは「実践」なのかもしれない。「起業家の重要な資質は粘り強く臨機応変であること」は真実なのだろう。

「戦略」についての考え方は、「やはりね」と思わされることが並ぶ。
・スタートアップが目指すのは「勝つことではなく競争を避けて独占すること
・競争に勝つにはどうやって競争から抜け出すかを考えること
・素早く独占するために必要なのは何よりも素早さ
・小さな市場を選ぶ
・先行者利益より終盤を制する
・戦略の本質は「何をしないか」を選択すること
・戦略は実践から生まれる

「プロダクト」で大事なことは、
・人の欲しがるものを作る
・それをすべての人々に届ける
・シンプルなものを高くローンチ
・多数より少人数に愛される製品を作る
ことだとする。

最後に大事なのは、「運」だと語られる。そんな話を聞くと、先日読んだ『成功する人は偶然を味方にする−運と成功の経済学−』を思い出す。真実というのは、そうそう変わるものではないのだろう。言っていることは同じである。

いろいろと人によって考え方はあるだろう。スタートアップを目指す人ばかりではないだろうし、何か新しいことを考えなければならない人なら、なんらかのヒントは得られるだろう。そんな意味合いがある一冊である・・・


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2017年08月21日

【成功する人は偶然を味方にする−運と成功の経済学−】ロバート・H.フランク 読書日記825



原題:SUCCESS AND LUCK
Good Fortune and the Myth of Meritocracy

第1章 わたしが知るかぎりのことを教えよう
第2章 なぜささいな偶然がきわめて重要なのか
第3章 「ひとり勝ち市場」における偶然
第4章 一番成功する人は、一番有能な人ではない
第5章 努力と才能の誤解は、こうして広がる
第6章 「努力したから成功できた」の罪
第7章 黄金のチャンスをつかめ
第8章 まわりに感謝する


著者は、コーネル大学の経済学教授とのこと。タイトルからすれば、「成功には実力だけではなく運も必要」と言ったことになるのであるが、この本はそこから一歩進めて、そのためには「それを社会に還元することが必要」と言った主張にまでつなげる内容。具体的には累進消費税の導入(によるインフラの改善)を主張するものとなっている。

成功者は、大抵自分の成功は自らの努力と知力の賜物だと考えている。だが、そうではないと著者は主張する。
・些細な偶然が人生を変える
・才能があっても努力しても運なしでは勝てない
とする。そしてウォーレン・バフェットの言葉「今日誰かが木陰で休むことができるのは、遠い昔に誰かが木を植えてくれたから」を紹介し、この国には1人で豊かになった人はいないとする。なるほど、その趣旨はよく理解できる。

そして「誰かが木を植える」ことをたとえを出して説明しているが、これがわかりやすい。曰く、「でこぼこのないよく舗装された高速道路でポルシェターボ(15万ドル)を運転する」のが良いか、「深さ30センチの窪みがあちこちにある道でフェラーリF12ベルリネッタ(33万3千ドル)を運転する」か。金持ちは、公共投資にもっと協力すべきという主張だ。

・就職活動は運次第
・ヒットするかどうかも偶然
・僅かな差が致命的になる
こうした「偶然の力」は、情報革命でますます強まって行く。勝者は勝つべくして勝つが、それでも運が重要。そういえば野村監督も「勝ちに不思議の勝ちあり(負けに不思議の負けなし)」と語っているが、同じような趣旨だろう。しかし、たいていの人は「成功は自分の力、失敗は不運のせい」という「幸せな思い込み」に囚われている。

人は、向かい風には気づいても、追い風には気づかない。自分は有能だと思い込むと公共心は育たない。成功したのは運のおかげだと感謝すれば、人は変わる。そうした感謝を税金という形で社会に還元すれば、自らも恩恵を受けられる。税を渋るのは、自分の首を絞めること。そうした意見の流れで、著者は具体的な方法として累進消費税を主張する。

累進消費税とは、消費額に対して課税される消費税のことで、年間の収入から貯蓄を引き、大幅な基礎控除を引いた後の金額に課税する仕組みらしい。特徴としては、消費額が少なければ税率は低くなり多ければ高くなるという意味で、「累進」消費税ということと説明される。正直言って、どの程度効果的なのかはよくわからないが、かつてフリードマン教授も提唱したことがあるというから、それなりに理論的なのだろうとは思う。

後半は、この累進消費税に対する著者の思いが述べられていて、タイトルとは一見かけ離れるので、意外な展開であった。これだけ著者が力を込めて語る「累進消費税」の効果がいかなるものか、自然と興味が湧いて来る。日本では聞こえてこない議論だが、ちょっと頭の片隅にでも入れておこうと思う。

何れにしても、努力の他に「幸運」というのもやはり必要なのだろうと思う。「運頼み」は良くないが、「すべて自分の力」という慢心も良くないのだろう。日々の努力と、それがうまくいけばそれをもたらした「幸運」への感謝と、それを社会に還元すること。そうした意識をきちんと持っておきたい。

そう思わせてくれる一冊てである・・・



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2017年08月15日

【世界標準の子育て】船津徹 読書日記823



第1章 「世界標準」の子育て 3つの条件
第2章 海外の子育て、日本の子育て
第3章 日本人の子育て7つの間違い
第4章 「自信」を育てる3つのステージ
第5章 「考える力」を育てる3つのステージ
第6章 「コミュニケーション力」を育てる3つのステージ
第7章 子育ての「壁」への対処法

子育ては、今の自分にとって関心の高い分野の1つ。そそられるタイトルがあれば、自然と手が伸びるというもの。著者はハワイで「TLC for Kids」というスクールを運営している方のようである。長年、子供の教育に携わり、多くの実績を出されているとのことである。様々な国の教育方法を日本人向けにアレンジした「ハイブリッド式」の子育てを紹介するのが本書ということである。

タイトルにある「世界標準の子育て」とは、@「自信」A「考える力」B「コミュニケーション力」という3つの能力を伸ばす子育てだという。AとBはまさに自分が日頃から大事だと思っていることなので、俄然興味をそそられる。まずはその「自信」だが、子育ての90%は「自信」を育てられるかだとする。過干渉は子供から自信を奪い、人前で叱るとプライドを傷つけるのは大人と同じ。なるほどと思う。

「褒める」ことはあちこちで賞賛されているが、よくあるように「我慢できて偉いね」はダメだという。それは単に従順を促すだけで、褒める時は「良い部分を具体的に」が基本。
「人に迷惑をかけるな」というのは、当たり前のように思えるが、自尊心の低い子になるという。周りの目を気にし過ぎる子育ては自尊感情を潰すというが、このあたりはよく考えてみたいところである。

・親のイライラは子供に伝播する
・しつけをする時は結論だけではなく理由を説明する
・急き立て言葉(早くしなさい!)でプレッシャーに弱い子になる
・「兄弟平等」は上の子にとって不平等
・身内への悪口を聞いた子供は人を馬鹿にする
・子育てにおいては「結果主義」ではなく「努力主義」
・継続が大事
・男の子はおだてて育てる、女の子は手本を示して育てる
なかなか唸る言葉が並ぶ。

「自分で考える力」を育てるには、9歳までは多読、10歳からはノンフィクションを増やし、親子で興味を持ちそうな記事について議論するといいという。これは是非とも意識したい。いい親子関係を築くには5つのルールがある。
1. 子供に話をさせようとせず自分から話題を振る
2. 子供が話題に乗って来たら見逃さずに話題を広げる
3. 話を遮ったり、急かしたり、否定したりせずに最後まで聞く
4. 上から目線で話をしない(馬鹿にしない、説教しない)
5. 話をしやすい環境を作る(車の中や食事中などリラックスした雰囲気で話を振る)
これは意識してみたい。

・思春期の犯行は大人へのステップ。放っておくのが一番
・ティーンエイジャーを暇にしてはいけない
・親が子供と一緒のことをする時間を持つ
・指示、命令、小言、説教をやめて人間同士のコミュニケーションを心掛ける
・子供の強みや好きなことを見つけて親が応援する
・選択に迷っている時は、難しい道をアドバイス
さすがに専門家だけあって、一つ一つがなるほどと思わされる。

中身は子供の年齢に応じたものになっていて、我が家の小学校6年と高校生の子供を意識して読み進める。もう過ぎてしまった年齢の部分は、「もっと早く言ってよ〜」と思ったりすることもあるし、「自分はできていた」と得意に思うこともある。そしてまさに我が子の年齢該当部分は自然と身を乗り出すことになる。いろいろと親としての意見はあると思うが、こういう本を一読しておくのも無駄ではない。

まだまだ我が子に当てはまる部分は、大いに参考にしたいと思わされる一冊である・・・



posted by HH at 00:00| Comment(0) | ビジネス/自説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする