2015年07月30日

【挑戦する会社】神田昌典 読書日記568



第1章 ビジネスの新たな伝説を創る!
第2章 生まれ変わる日本への準備をしよう
第3章 新規顧客獲得と新規ビジネスへの鍵
第4章 お金のあり方、稼ぎ方も大きく変わる!
第5章 稼ぐ仕組みが大変化していく「V理論」
第6章 世界ビジネスが加速する時代へ!
第7章 あなたのビジネスを次世代型に変えるヒント

何だか久しぶりにその名前を見つけて手にとってしまった一冊。
著者の神田昌典の名前は、10年以上前に書店に溢れていたような気がする。
我が家にもまだ何冊か残っているし、今は何をしているのだろうかと思いつつ、ページをめくる。

その「今は何を」であるが、どうやら「THE実践会」という経営者コミュニティを主催しているようである。
そして「フューチャーマッピング」というノウハウを広めているらしい。
その詳細は、ここでは触れられていない。

これからの10年の潮流を現す言葉は、”GRACEFUL JAPAN”だという。
G:Graying society・・・高齢化社会
R:Reuse/Recysle/Reinvent・・・循環型社会
A:Asia・・・アジア経済圏
C:Community・・・コミュニティの時代
E:Education・・・教育の時代
F:Free Agent・・・フリーエージェントネットワーク型社会
U:Utilities・・・エネルギー革命
L:Legend・・・誰もが英雄になる時代
何となくわかる部分と疑問に思う部分があるキーワードである。

これからの5年間であなたのビジネスは完全に変わらなければならないという。
「未来をつくる」「脳をつくる」といったキーワードが登場し、来るべき東京オリンピックに向けてチャンスを作り出せという。
非営利法人なんかもその一手法だとする。

「想像するだけで、お金が稼げる。そして想像力は、無限である」
「ビジネスコミュニティ時代には【新しい貨幣】が必要」
元気の良いタイトルが続いていく。
しかしながら、なんとなくしっくりくるものがないと感じる。

従来のホテルとは一線を画したホテルグリーンコア(ベッドがないビジネスホテル)の例はちょっと興味深かったが、それ以外のところでは、途中からだんだんと内容が頭に入ってこなくなってしまった。
それはなぜかと問われれば、何だか「金、金、金」のモードについていけなくなってしまったというのが、正直なところ。
確かに凄いとは思うものの、もういいかなと思えてしまったのである。

読む人の立場によって、読後感はそれぞれ異なるだろう。
これを読んでわくわくする人、何らかのヒントを得る人もいるだろう。
若い人とか、収益機会を求めてギラギラしている人なら、感じるところも多いのかもしれない。
されど、私自身はそうではない。
年を取ったとも思わないが、違うものを求めたいと思うのである。

「読む価値がない」というつもりはないが、個人的にはもっと自分の感性にフィットするものを求めたいと思った一冊である・・・

     
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2015年04月08日

【ファースト・ペンギン 楽天三木谷浩史の挑戦】大西 康之 読書日記532



第1章 天国と地獄
第2章 ファースト・ペンギン
第3章 電撃的連続買収
第4章 冒険者たち
第5章 受け継がれるDNA
終 章 ファースト・ペンギンの育て方

タイトルにあるファースト・ペンギンとは、シャチがいるかもしれない氷の下の海に、餌を求めて最初に飛び込むペンギンのこと。
この本は、日本の代表的ネット企業である楽天の三木谷浩史社長を、「ファースト・ペンギン」にたとえて描いた一冊である。

第1章では、球団創設から9年目というリーグ最短で優勝した東北楽天イーグルスの話。
喜びの中で、同時に「二重価格問題」が噴き出し、三木谷社長は窮地に立たされる。
父親の葬儀が重なるという中で、この危機を乗り越える。
時折、メディアなどに取り上げられるものの、普段の三木谷社長の様子など知る術もない。
アメリカの大物社長が集まる「サンバレー・カンファレンス」に日本からソニー社長とともに2人だけ呼ばれていることが紹介される。
既にその行動は国境を越えている。

もともとハーバードに留学していたこともあり、英語は堪能。
楽天の社内公用語が英語であることは有名だ。
しゃべるだけでなく、シリコンバレーのコミュニティにも入り、著名な大物をアメリカの自宅パーティ招待する。
そんな中から、ViberやEbatesなどの買収案件が生まれる。

国内でも役員たちを引き連れて谷川岳に登る役員合宿を開催する。
第4章では、そんな三木谷社長の周囲に集まる役員たちが紹介される。
私の元同僚の名前もあったりして、言い得ぬ差を感じてしまう。
この本は、三木谷社長本人が書いた本ではないが、だからこそ、周囲の役職員や家族の話、そして外から見た三木谷社長の姿が客観的に描かれていて、興味を惹かれるところ大である。

この本では、子供の頃からのエピソードや学生時代テニス部主将だったこと、興銀時代のエピソードなどが、折々挿入されており、華やかなエピソードとともに興味深いところであった。
彼我の差は随分と開いてしまっているが、それを嘆いても仕方あるまい。
自分は自分なりに、胸を張って歯を食いしばって最後まで走り切ろうと思わずにはいられない。

三木谷社長の人生の指針は、“Get Things Done”(やり切れ)だと言う。
自分も心掛けたいと思う。
そんな決意を新たにさせられる一冊である・・・

   
   
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2015年04月04日

【「自分メディア」はこう作る!】ちきりん 読書日記531



裏を知る篇
第1章 出発点
第2章 ブレーク!
第3章 自分のメディア
第4章 今、そしてこれから
表を知る篇
GROWTH
CAREER
RELATION
EDUCATION
POLITICS
BUSINESS

著者は、私が個人的にかねてから注目しているブロガー。
既に何冊か著書を出版し、私も読んでいるが、今回は自身のブログ『Chikirinの日記』について書かれているとあって、興味津々で手に取った次第。
ブログをやっている者としては、どうやって人気ブログと言われるブログになったのかは、大いに知りたいところである。

もともと著者は日記をつけていたという。
2004年に友人のブログを見て、ブログなるものを知ったという。
そしてこれはいいと思い、「ブログを書く」というより、「ブログサービスを使って日記を書く」というつもりで始めたのだという。
その記念すべき最初のブログ記事は2005年3月5日にアップされている。
私が最初に始めたブログより1年半早い。

ブログは、「はてな」を使っているが、その理由は日付のわかりやすさ。
独自ドメインにはこだわらないと言い、ニックネームの「ちきりん」の由来が語られる。
記事を書く順番は、
1 伝えたいメッセージが決まる
2 そのメッセージを伝えるための理論構成を決める
3 文章に必要な材料を集める
4 文章を書く
というものらしいが、個人的には自分と同じだと感じる。

ブログを始めて3年ほどした頃、「はてなブックマーク」が大量につけられるようになったという。
最初のエントリがその時のトピックスであり、検索にかかったようである。
ここで当時の有名ブロガーに発見されて注目され、ヤフーにもリンクを張られるようになったらしい。
もっとも、当時は批判コメントも大量にあったというから、支持ばかりではなかったようである。

注目を集めると、それまでなかった反応が様々返ってくる。
そんな中、著者は「自分のメディアを作るための5カ条」を作り運営を続けていく。
その5カ条とは、
1 コンテンツを散逸させない
2 ネットの中の人にはならない
3 つながる世界でつながらない
4 オープンな場所に居続ける
5 信用力を売らない
である。

1は、「すべての価値あるコンテンツは自分のブログ『Chikirinの日記』に集める」というもの。
それによって常に自分のブログがアクセスを集めることになる。
2は、ネットを見る人だけがわかるようにしないということ。
日常生活では使わない「ネット用語」を使うと、興味を持って見にきた“ネットに頻繁に接触しない人”に敬遠されると考えてのようである。
3は、ネットで流行となるトピックは扱わないということ。
4は、メルマガやネットサロンというところとは距離を置き、「無料で誰でも読める」場所にいること。
5は、お金のために広告宣伝のようなことはしないということ。
このあたりは、個人の信念・考え方だろう。

人気ブログとなって、本も出版したり、なんだかんだで収入も年間5百万円くらいあるらしい。
それはそれで凄いと思うが、それでも「自分の考えたことを文章化すること、自分の思考を言語化し、構造化すること、その作業自体が楽しい」と語り、たぶんその信念でこれからもブログを続けるのだろうから、その考え方自体がすばらしいと思う。

後半部分は、ブログのエントリからいくつかが選ばれて載せられている。
やはりその考え方は大いに刺激になるものばかりである。
「自分の思考の言語化」は、自分でも続けていきたいと強く思う。
改めて、多いなる刺激を受ける一冊である。
    
     
   
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2014年09月18日

【申し訳ない、御社を潰したのは私です。】カレン・フェラン 読書日記468



原題:I’m sorry, I broke your company

イントロダクション  大手ファームは無意味なことばかりさせている
第1章 「戦略計画」は何の役にも立たない
第2章 「最適化プロセス」は机上の空論
第3章 「数値目標」が組織を振り回す
第4章 「業績管理システム」で士気はガタ落ち
第5章 「マネジメントモデル」なんていらない
第6章 「人材開発プログラム」には絶対に参加するな
第7章 「リーダーシップ開発」で食べている人たち
第8章 「ベストプラクティス」は“奇跡”のダイエット食品

著者は、この道30年のベテラン経営コンサルタント。
経営コンサルタントと言えば、企業を発展に導くプロで、大金を稼いでいるというイメージであるが、そんな経営コンサルタントによる何とも刺激的なタイトルの本である。
タイトルだけ見て読んでみようと思わされた。

企業に雇われたコンサルタントは、しばしば戦略計画を立案する。
しかし、それは「何の役にも立たない」といきなり断言。
理論は正しくとも、それで成功するとは限らず、チャンスを逃がす事もある。
分析をグラフにするだけで感心されたりするし、数字で管理できるのは数字だけだったりする。
事実、かつてポーターが手本として挙げた企業の半数は凋落している。

そして戦略計画は、そもそも解決策ではなく、実は計画を立てる過程で様々な分析をして把握する事が重要なのだと言う。
コンサルタントにやらせて、出来上がったものをもらうだけではダメだと言う事らしい。
コンサルタントは、しばしば様々なツールを生み出し使用する。
ボトルネック分析やJIT、MRPUなどである。
そうしたツールよりも著者はしばしば泥臭いブレーン・ストーミングで効果を上げる。
現場の人間は問題の所在をわかっており、地道に聞き出す事によって解決策が見えたという。

数値目標は、数値に捕らわれる事により、それが障害となる事もある。
売上目標とそれに連動したインセンティブ報酬制度を導入した自動車修理チェーンで、売上を追及するあまり顧客の同意を得ない修理を行う事例が発生する。
こうした例は今でもあちこちで見られる。
それを著者は、「指標スコアカードは自動車のダッシュボードと同じ。ダッシュボードだけ見て道路を見なければ衝突してしまう」と表現する。

そうした事例を、「業績管理システム」「マネジメント・モデル」「人材開発プログラム」等々と解説していく。
いずれもコンサルタントが問題解決手法として提示するものである。
著者はそれぞれの欠点を次々に列挙。
時にわかっていても、組織の中で従わざるを得なかったこともあったらしい。

ではコンサルタントはダメな存在かと言うと、そうではなく、大事なのは“対話”であり、すべて任せっぱなしにするのではなく、「考えるのは自分たちで、コンサルタントはそれを助ける存在」というスタンスで接することが重要であるようである。

サブタイトルに「コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする」とあるが、「コンサルタントに丸投げして盲信するとそうなる」というのが、正しい理解のようである。
コンサルタントのやる事を正しく理解し、そして正しく利用すればぐちゃぐちゃになる事はないのだろう。

当たり前のようであるが、そうした事実を改めて理解するのに役立つ一冊である。


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2014年09月11日

【イーロン・マスクの野望】竹内一正 読書日記466



第1章 降臨−南アフリカから来た男
第2章 難航−人生最悪の時
第3章 前進−未来を見る
第4章 信念−宇宙への道
第5章 独創−PCの電池で車を走らせる
第6章 異端−ロケット作りの革命
第7章 野望−人類を火星に送り込む
第8章 運命−地球を救え

初めてタイトルを見た時、何か子供向けのヒーロー物語なのかと思ってしまったが、これは大人向けのヒーロー物語である。
イーロン・マスクとは、この本を読むまで知らなかったが、南アフリカ出身のアメリカ在住の起業家である。名前は知らなかったが、電気自動車のテスラ・モーターズは知っているが、なんとそのテスラ・モーターズのオーナーである。
と言ってもそれに留まらず、人類を火星に送り込むためのロケットの開発もやっているらしい。

イーロン・マスクは1971年に南アフリカで生まれる。
10歳の時にはこずかいを貯めてパソコンを買う。
17歳でカナダに渡り、やがてペンシルベニア大学に編入、24歳の時にソフト製作会社を設立する。
その会社はコンパックに3億ドルで売却し、次に「Xドットコム」を設立してインターネット決済業務に進出。これがペイパルとなり、後にイーベイに買収されて、イーロンは1億7千万ドルを手にする。

ここまでで十分驚きである。
そしてマーティン・エバーハードという人物が設立していたテスラ・モーターズから出資を要請され、出資するとともに会長に就任。
全米の投資家相手に資金調達を図る役割を引き受ける。
合わせてスペースX社を設立してロケット開発に乗り出す。

電気自動車のアイディアは昔からあったそうだが、実現には至っていなかった。
その理由をイーロンは、「アイディアを実行することは、アイディアを思いつくより難しいから」と答えているが、イーロンはまさに実行の人のようである。
既にテスラ・モーターズではイーロンが実権を握り、ロードスターという高級車を開発、会社も上場している。今後大衆車に進出すると言う。

ロケットはNASA方式だと莫大な資金がかかり、よってアメリカの宇宙開発も元気がなくなっている。
しかし、イーロンのスペースX社は民間ならではの方法で、何とNASAの1/10の価格でロケットを作ってしまう。
実験成功までは胃の痛い思いをしたようであるが、それも報われている。

起業家と言えども、自らの儲けのために事業をしているのではなく、電気自動車は地球環境の為、そしていずれ人口増加で地球に人が溢れた時、火星へ移住できるようにとのロケット開発だというから、スケールがデカイ。
まさに「野望」である。
こんな人物の事を今まで知らなかったなんて、ちょっと視野が狭いと反省させられる。

これからどんな活躍をされるのであろうか。
ちょっとその動向を気にしていたいと思わせられる人物である。
    
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2014年08月20日

【ちきりん未来の働き方を考えよう】ちきりん 読書日記456



序章 “働き方”本ブームが示すモノ
第1章 現状維持の先にある未来
第2章 世界を変える3つの革命的変化
第3章 新しい働き方を模索する若者たち
第4章 「ふたつの人生を生きる」
第5章 求められる発想の転換
第6章 オリジナル人生を設計するために

著者は人気ブロガーのちきりん。
ブログを時折読んでおり、また過去に読んだ『自分のアタマで考えよう』も良かったこともあって、手に取った一冊。
ちょうど自分の職業人生を見直そうと考えていたタイミングでもあって、個人的にはタイムリーであった。

「働き方」本のトレンドを見ると、それは確実にその時代を反映している。
2012年には、「ワークシフト」がブームとなり、今やすべての人が世界の潮流の中で働く事を人生の中でどう位置付ければ良いのか、考えるべきタイミングを迎えているという。

かつては60歳だった定年も、今や65歳になりつつあり、「70歳まで働く」事が視野に入りつつある。
少子化を受けて家族の形が変わり、家庭と仕事との両立は、これから男女共通の課題となる。

その中で世界を変える3つの革命的変化が起こっているという。
@IT革命による大組織から個人への変化
Aグローバリゼーションによる先進国から新興国への変化
B人生の長期化によるストックからフローへの変化

新興国に生まれても、今や教育はネットを利用すれば無料で受けられるし、国内から海外へ雇用がシフトし、これからは今までとは異なる形(海外基準の安い賃金で)働く人も出てくるだろうとの事。
特に「一生ひとつの仕事は非現実的」という一言は、まさに「我が意を得たり」の感がある。

「みんな80歳くらいまで働かないといけなくなる」という現実は厳しいが、20代以降の労働人生を「前半」と「後半」に分け、50代以降の後半は身軽になって新しい働き方に移るという考え方は、なかなか良いと思う。
生活もストック型からフロー型に変わるという考え方も参考になる。
「高齢者のシェアハウス」という考え方は、良い悪いは別として、高齢化社会の解決方法の一つである。

これからは「手に職」(=資格)の時代ではなく、「市場のニーズ」の有無だと言う。
難関資格を取る教育よりも、「社会で求められる価値を提供する力をつけるための教育」が重要だとするが、それも納得。
自分たちの子供達にも是非意識させたいと思う。

この本を読んで一番の収穫は、先にも触れた「職業人生は二回選ぶものと考える」という考え方。
「人は初めてパリに行くとなると、ルーブル美術館等の一般的なルートを選ぶが、二回目となれば好きなルートを勝手に選ぶ」という喩は実にわかりやすい。
第二の就活は、自分のやりたいことや適性、生活、必要なお金等よくわかっており、最初の就活よりも有利だと言うが、確かにそうだろう。

最後には、「市場で稼ぐ」という概念を基に、オリジナル人生の設計が説かれる。
自分だけでなく、自分の子供達をどう導くかの問題もある。
「良い大学を出て、良い会社で定年まで働け」というアドバイスは、少なくとも子供達には危険かもしれない。

ちょうど第二の就活を考えていたこともあり、まさに「未来の働き方を考える」のに実にタイムリーであった。
そういう人ではなくても、「自ら考える」人生を送るためには、必読の一冊であると思う・・・
   
   
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2014年07月29日

【外資系金融のExcel作成術】慎泰俊 読書日記450



第1章 見やすいExcelの表を作る
第2章 Excelの作業スピードを3倍にする
第3章 初心者のためのモデル作成入門
第4章 本格的に財務モデルを組む
第5章 財務モデルを使った分析
第6章 モデル上級者になるためのヒント

タイトルに惹かれて手に取る本は多いが、日頃仕事でExcelを使う事も多く、興味をそそられたのがこの本。「外資系金融」というタイトルも絶妙で、これだけでも野球で言えば、メジャーリーガー的な印象で、さらに一段レベルが高いように思えてしまう。

仕事でExcelを使う目的は色々あるのかもしれないが、やはりメインは資料作成だろうか。第1章では、「見やすい」表の作成について説明される。表の作り方はその人のセンスに負うところもあるのかもしれない。
ただし、
 ・情報の並べ方が人間の認知の仕組みに従っている
 ・情報が必要最低限である
という原則に従っていると、見やすいと言う。

また、フォントやサイズ、行と列の幅、桁を統一するなどの細かい部分に気を配る事で、見た目の印象もかなり変わる。その他配色、罫線、項目、タイトルといった部分も書かれているルールに従うと、確かに見栄えは良くなる。内容が一番である事は間違いないが、それが美しく伝わる事も大切である。

次に作業スピードを早くする方法であるが、これは次の3つの方法がある。
 ・ショートカットを覚える
 ・様々な機能を覚える
 ・関数を使う
ショートカットは日頃から使っているが、確かに便利で早い。ただ、Excelのバージョンアップで変わってしまったのにはショックを受けた。機能や関数の詳しい説明は、他の参考書に譲っている。

第3章以下は、具体的な財務モデルの作成例。この手の説明は、読むだけだとなかなか理解が難しい部分がある。しかし、ありがたいことに指定されたURLから事例と同じ表をダウンロードできる。これによって実際にPCを操作しながら覚えられる。

実は個人的に仕事でこの手の財務モデルはよく作っている。金融機関の人間から見ると、特に目新しいものはない。個人的に参考になったのは、第1章の見やすい表の作り方だけであったが、そうでない人には参考になる部分も多いだろうと思われる。

単に表を作ってお終いというだけだと、目的にもよるがちょっと寂しい。大事なのは作った表をどう使うか。最後は財務モデルを作った分析が取り上げられているが、ここの部分はうまく使えるようになりたいものである。

仕事でExcelを使っている人であるならば、この本に書かれている事はマスターしておいて損はないと言える一冊である・・・



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2014年07月25日

【超合金の男】小野塚謙太 読書日記449



1. 超合金の誕生
2. 変形と合体(超電磁ロボ コンバトラーV)
3. デザインへの衝動(闘将ダイモス他)
4. 奇策(東映スパイダーマン)
5. 獅子の系譜(未来ロボ ダルタニアス)
6. スーパー戦隊の誕生T(バトルフィーバーJ)
7. スーパー戦隊の誕生U(電子戦隊デンジマン)
8. 機構と精度(闘志ゴーディアン)
9. 第2次ロボットブーム渦中(宇宙大帝ゴッドシグマ他)
10. ポケットの守護神(黄金戦士ゴールドライタン)
11. ポピー企画室始動(マシンロボ)
12. メタルヒーローの誕生(宇宙刑事ギャバン)
13. 臨界点(ビデオ戦士レザリオン)
14. 回帰点(星銃士ビスマルク)
15. 夢を見る

「超合金」と言えば、我々の世代では「マジンガーZ」であろう。TVアニメをずっと見ていたし、おもちゃでも遊んだ。そんな超合金の玩具を影で世に送り出してきていたのが、この本の主人公村上克司氏であるとの事である。

もともとはバンダイに勤めていた村上氏。独立のため退社するが、思うようにはいかず、誘われてポピーに入社する。ポピーはバンダイの子会社である。そしてある日、新作アニメの初号試写に出かける。そこで「マジンガーZ」を観てショックを受け、「精密なミニカーを造るダイキャスト製法でこのロボットをポケットサイズの玩具にしてみたい」と申し出る。

開発は難航するも、やがてズシリと重い「超合金」のマジンガーZが完成する。個人的にも買ってもらった記憶がある。そして次が「勇者ライディーン」。マジンガーZの成功で、次を狙うバンダイグループ。村上氏は、今度は企画段階から開発に参加、そして“変身”というキーワードを提案する。

こうして鳥型に変形する巨大ロボット「ライディーン」が誕生するが、これも我が家にあった(自分用か弟用かは忘れてしまった)から、遊んだ記憶がある。あのライディーンはどうしたんだろうと、懐かしくなる。

こうして存在感を出した村上氏は、次々と開発を続ける。「コンバトラーV」では、「変形合体玩具」の端緒を開く。合体後の強度やプロポーションの問題は、「ボルテスV」で解消。スーパーカーブームを背景に、工業的なカーデザインの概念とマンガ的スタイルを融合し、「ライジンゴー」を完成させる。

「闘将ダイモス」は、トレーラーがロボットに変身。屈伸による変身を成し遂げた「DXワンセブン」。母艦が巨大ロボ・レオパルドンに変形。「ダルタニアス」は、ライオンとの融合と、ロボット玩具を続々と発表していく。

またロボット以外に、スーパー戦隊シリーズ「電子戦隊デンジマン」、「太陽戦隊サンバルカン」と戦隊モノを手掛け、やがて「宇宙刑事ギャバン」をデザインする。正直言って、リアルタイムで遊んでいたのは、「ライディーン」までで、その後のロボットは、知っていても名前のみという程度。「宇宙刑事ギャバン」は、名前しか知らないが、専門的には画期的なものだったらしい。

本人が書いていないせいか、評論的な内容はやむを得ないだろう。デザインの才能というより、子供心をかなり残している人だと感じる。たぶん、自分があれこれ空想して楽しみながら開発したのではないだろうか。ご本人が心情を含めて書いていたらもっと面白かったのではないか。そんな事を感じた一冊である・・・



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2014年02月11日

【「経営」が見える魔法のメガネ】坂根正弘 読書日記403



1時間目 「ダントツ経営」への道 「ないと困る」会社を目指せ
2時間目 「見える化」が強くする 本質を見極める力を養え
3時間目 為替に負けない生産 日本の強みをフル活用
4時間目 世代を重ねて進化する 有言実行が強さを生む

コマツと言えば、ブルドーザーというイメージがあるが、建機メーカーとして今や世界的にも代表的な存在である。著者は、そのコマツの元社長・会長、現相談役である。

著者が社長に就任した2001年、コマツは存亡の危機にあった。著者は「見える化」と称する『客観的に数字を見て、問題がどこにあるかを突き止め、解決するための手立てを考える事』を行う。「本質が見えれば、問題の半分は解決したようなもの」だからだが、意外とこれは簡単そうだができていないところは多そうな気がする。

生き残っていくため、世界1のキャタピラーに対抗していくため、著者が目指したのは「ダントツ経営」。コマツは製造業ゆえに、基本は技術と商品。すなわち、ライバルの追随を許さない圧倒的に強い商品を作る事を目指す事がその内容。対象をブルドーザー3種に絞り、2年でキャタピラーに負けない商品を作り上げてしまう。

いくら商品が優れていても、やがてそれは追いつかれてしまう。次に求めたのは、「なくては困る」会社。「見える化」でもあるが、コマツのブルドーザーには、「コムトラックス」というGPSがついていて、世界中のブルードーザーの管理が出来るようになっている。これは単に位置情報だけでなく、盗難を防ぎ、燃料など個々の車輛の状況もすべて把握できるというシロモノ。これによって限りない利便性を提供している。

製品以外にも、著者の考え方は大いなるヒントを与えてくれれる。非正規雇用社員の存在が、日本企業に大いなる力を与える事。雇用調整が容易なアメリカの雇用制度だが、その流動性の高さがいかに結果として雇用を高める事に役だっているか。共産党あたりが大好きな“守る”雇用形態が、逆に全体の雇用にマイナスに働くという説明には、なるほどと思わせられる。

TPPも守るだけでは、農業で日本は勝てないと喝破する。「もしコマツが農業を任されたら、ICT(情報通信技術)を駆使し、仕事の負荷を下げつつ生産性を向上させ、高い品質を武器にアジア市場に攻め込む」と言う。おそらく、可能に違いない。こうした発想は、農協を中心とした“守る”思想からは出てこない。そうした“守る”思想こそが、我が国が直面している問題ではないかと思わせられる。

薄い本であるものの、中味の濃い、いろいろなヒントに溢れた一冊である・・・
   
   
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2014年01月21日

【サムスンの研究】日本に根付くグローバル企業研究会 読書日記396



第1章 サムスンを変えた「新経営」
第2章 技術進化経営
第3章 人材第一経営
第4章 ブランド戦略
第5章 社会貢献活動
第6章 サムスンと日本

今や青息吐息の日本の家電メーカーを尻目に、巨大な存在感を示している韓国サムスン・グループ。サブタイトルに「卓越した競争力の根源を探る」とあるように、そんなサムスンの成長の原動力を探った本である。

内容は、「はじめに」で説明されている通り、サムスンのリーダーたちの証言と専門家の分析から構成されている。サムスンのリーダーたちとは、関連各部署における責任者たちである。

サムスンの創業は1938年と古い。しかし、本格的な躍進は、1993年に打ち出した「質重視」の経営を目指す「新経営」宣言以降のようである。中心となった李健熙(イゴンヒ)会長が強烈な危機感から、「安かろう、悪かろう」の量重視の経営からの脱却を図ったものである。

韓国は1997年にIMF危機に見舞われるが、そこでも「新経営」の看板を維持。「他者に先駆け、世界で初めての製品を市場に投入し、世界標準を確立し、その市場分野を支配する」事を目指す。半導体メモリー分野で世界一位、世界で初めてCDMA方式を採用した携帯電話機を事業化し、2003年には売上世界3位となり、翌年には液晶ディスプレイで世界トップレベルとなる。

「新経営」は1993年にスタート。全役員をフランクフルトに集め、「家族以外はすべて変えろ」と要求したという。そして大事な事として、「経営の根本は人間にある」という考え方から、人間性を強調したサムスン憲法が制定される。

特徴的な制度として、「地域専門家制度」というものがある。入社3年目以上の課長代理クラスの社員から毎年200〜300人の優秀な人材を選び、世界各国に派遣。何か仕事をしたりする事もなく、給料をもらいながら自主的なプログラムに沿って言語・習慣・文化等を学ぶという。これによって、その国に精通した社員として働く事が出来るのだと言う。なかなか太っ腹な制度である。

人材育成についてはかなりのページが割かれ、その他にマーケティングなどから社会貢献活動に至るまで、幅広くサムスンの事例が紹介される。惜しむらくは、2005年出版と古い本だと言う事。まあその後の発展も凄いから、この時点で既に芽吹いていたとも言える。

某講座の課題図書として手に取ったが、「サムスンはこんな事をやってトップに立った」と知るには良い本であろう。今は、束になってもサムスンに追いつけなくなってしまった日本の家電メーカーであるが、是非こうした「敵の研究」も行って、巻き返してもらいたいと思わずにはいられない一冊である・・・
   


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