2013年12月07日

【ムカつく相手を一発で黙らせるオトナの対話術】バルバラ・ベルクハン 読書日記385



第1章 戦わずして勝つ
第2章 ユーモアで勝つ
第3章 攻撃したくなったら

「嫌味ばかり言う上司、すぐに文句をつける部下、いつもケンカ腰の同僚・・・いつも言われっぱなしのあなたへ、やり返さず、逃げ出さず、堂々と笑顔で対抗する“返し技”をお教え致します」という宣伝文句に惹かれて、手に取った一冊。
日頃そうした言葉のやり取りで、ムッとする事も多いだけに、興味をそそられたのである。

「第1章戦わずして勝つ」では、カチンとくるひと言に対する対応策のレクチャーである。
まずは「やまびこトーク」。カチンとくるひと言を言われた時には、それを繰り返し意味を尋ねる。
「あなたの報告書、ちょっと雑だったね」⇒「どういうところが雑だったのでしょう」
これはどこかで聞いた事がある意見であるが、効果的ではないかと思う。

また、「ユーモアで返す」というのは、言われなくても簡単に思いつく。ただ、とっさに当意即妙で切り返すのは難しい。そういう人には、「沈黙」というのも良い手。また、「あ、そうなんだ」という一言コメントも良いらしい。

男と女の違いに対する解説にはドキリとさせられる。男同士では何気ない会話でも、相手が女性の場合、「言葉による攻撃」と受け取られる可能性があるという。これは男と女の違いによるもの。男の子は取っ組み合い、女の子はおしゃべりという子供を例にした喩えがわかりやすい。これは気がつかないとちょっと怖い事になる。

ユーモアで勝つのは難しい事だと思うが、「威張り屋には褒め言葉」というのは効果的な気がする。お腹の中では「バカだなこいつ」と思っていても、「さすがですね」とやるわけである。「迂回トーク」はまったく関係ないに話題を振ってしまう事。その際、話題は楽しい事の方が良いようである。

しかし、中にはどうしても我慢できない事もある。その時は、攻撃する前に「諍いの原因を明らかにする」と良いという。その真意は「冷静になる」という事にあるようである。また、「あなたのした事はあなたについてまわる」というインスタント・カルマの説明も面白い。仕返しはついて回る。不当な目にあって抵抗する時は、堂々と、たとえ自分がされた場合でも受け入れられるように行動すべきだと。

議論に勝っても必ずしも意味があるとは限らない。何のための競争であり議論なのか。本当に重要な事は何なのか。腹が立って相手を攻撃したい場合は、そんな事を考えてみると良いという。「相手を認める」のも一手。相手のいう事に頷いて議論を終わらせる。ただし、その時大切なのは、相手の意見に巻き込まれず、自分の考えを否定しない事。

看板にある通り、「オトナの対話術」としてとても参考になる。大事なコツは、たぶんどの方法でも「冷静になる」という事が必要な事だと思う。ただ、やっぱり頭に血がのぼる時はのぼるし、意識していないと難しいだろう。まずは「冷静になる」事から心掛けて、ここに書いてある事を試してみようかと思うところである・・・

    
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2013年05月28日

【星野リゾートの教科書】中沢康彦 読書日記337



第1章 教科書の生かし方
第2章 教科書通りの戦略
第3章 教科書通りのマーケティング
第4章 教科書通りのリーダーシップ
第5章 教科書通りに人を鍛える

 タイトルにある通り、これはリゾート再生で名を馳せている星野リゾートの本である。「教科書」とあるのは、星野リゾートの星野佳路社長が、経営にあたって経営学の教科書を利用して、その教えの通りに実践して成功しているという事を意味している。その手の本に興味がある人なら、誰でも知っている経営の本を手本に忠実に実行していると聞いてちょっと意外であった。何だか独自の経営センスを発揮しているように思っていたからである。

 星野社長は本屋に通い、その時々の状況に応じて必要な本を探すのだという。その際、書店に1冊しかないような本、さらには学問と実践を行き来した研究者の本なんかがいいのだとか。わからない部分は何度でも読み、そして100%教科書通りにやってみる。きちんとした裏付けがあるからこそ、苦しい時でもすぐに成果がでなくても耐えられるのだとか。

 島根県にある高級旅館の再生にあたっては、ポーターの「競争の戦略」を利用。市場で埋没したリゾートの再生では、「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント」。コールセンターの設立では、「The Myth of Excellence」。エール・ビールでは「売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則」といった具合だ。

 と言っても、「なんだ、市販の本を読んでその通りやっているだけか」とは思わない。やはりその時々に何をやるべきなのか、そしてそれにはどんな本が良いのか。それを見つけ出して内容を理解し、そして現場に当てはめていくというのは、並大抵の事ではできないと思う。この本ではさらりと触れられているだけだが、そのプロセスこそが重要なのだと思う。

 紙幅の制限があったのかもしれないが、各ケースはさらりと紹介されているだけで、本当は個々のケーススタディーについて、もっと突っ込んで知りたいと強く思う。そのプロセスこそがまた一冊の教科書になるような気がするのである。何にでも学ぶことはできると思うが、本も真剣に読む必要があると改めて感じた一冊である・・・
   



    
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2012年11月08日

【口紅は男に売り込め!】高倉豊 読書日記291



第1章 ライバルは見ない−過多な情報を捨てると、本質が見えてくる
第2章 現場は見ない−「今」の延長ではない道に、未来のビジョンがある
第3章 ロジカルに考えない−「何かいいな」の先に答えがある

サブタイトルに「有名ブランド再生人の非常識な3原則」とあるが、著者はジバンシイやウブロ、タグホイヤー等のブランドの日本法人トップを歴任。現在はブランド再生アドバイザーとなっている方である。そんな著者が20年間実践してきた「解決策の見つけ方」を、3つの原則に基づいて説明したのが本書である。

タイトルは著者がジバンシイのトップだった時、当時知名度の低かった口紅をどうやって売るかに頭を悩ませ、ネームを入れギフト用にして男性に売るというアイディアを思いつき、ヒットさせた事に由来する。ないないづくしの中、「何もかも揃っていたら、お前には頼まない」という本社役員の一言に発奮してやり遂げた仕事だという。恐らく著者の再生人としての原点なのだろう。

著者の説く3原則とは、「ライバルを見ない」「現場は見ない」「ロジカルに考えない」というおよそセオリーに反する考え方。
考えてみれば普通に考えていたら、画期的なアイディアなど浮かぶものではない。
十分理にかなっている原則かもしれないと思う。

「常にゼロベースで考える」
「成功は努力してでも忘れる」
「過度な愛着は捨てる」
「定説は信じない」
すべて根底に流れるものは同じだと思うが、新しい発想を得るためには、言われてみればなるほどと言うものだ。

「現場は見ない」というのもちょっと不安になるような考え方だが、「俯瞰して本質から考えた方が、大胆かつポジティブな意見が出てくる」という意見には頷かされる。
確かに、現場にどっぷりと浸かっていると、「できない理由」というものが極めて明快に、絶対的にわかってしまう事はよくありがちである。

「ロジカルに考えない」事はひらめきを大事にする事を意味している。
「まったく別の物を組み合わせる発想がユニークな視点を生む」というのは、なるほどその通りであり、誰もが経験ありそうな事ではないかと思う。総じて理屈通りにやっていては、再生などできるものではなく、新たな視点、新たな気付き・発想が重要。こうしたトレーニングに欠かせないエッセンスが、この本には書かれている。

自らの発想を磨くトレーニングをするには、参考にできるかもしれない一冊である・・・


    
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2012年09月05日

【部下はなぜ、あなたをそんなに嫌うのか?】小山昇 読書日記272



第1章 楽しくなければ会社ではない
第2章 「教える」以上に「育てる」こと
第3章 「人」を管理する職場は暗い
第4章 信頼されるリーダーの仕事術

著者はダスキン事業などを手掛ける兜髄野の社長。
ダスキン事業と言うよりも中小企業支援事業の方が有名な気がするし、社長も本業より著作の方が有名なのではないかと言う気がする。
そんな方のビジネス書。

刺激的なタイトルの本だが、今の時代管理職が成果をあげられない最大の理由は、「部下のうまい使い方を管理職が知らないから」だそうである。
そしていきなり、「部下と親友になれ」「部下を全力で楽しませよ」と始る。
最初から戸惑う人もいるかもしれないが、「楽しくなければ人は長続きしない」という部分はその通りだし、部下に嫌われる上司はお客様にも嫌われるという部分は当たっているところも多い。

部下とのコミュニケーションの重要性は今さら説くまでもないが、著者はその昔手帳に「誰にいつ声をかけたか」をメモして公平に万遍なく声をかけていたという。
くだらない事のようだが、こういう事をマメにしていれば、コミュニケーションは嫌でも深まる気がする。そして実際、それで業績の上がった部署もあるのだと。
なるほどと思うところである。

面白いのは「部下には目に見える形で恩を売れ」というところ。その例として、著者は娘さんの大学進学に際して、授業料を現金で手渡したというエピソード。100万円を越える現金を渡され、そんなお金を見た事もなかった娘さんに、その重みは伝わったそうだが、それはそうだろうと言う気がする。いずれ我が子の時に実践してみようかと思う。

その他、内容は人材育成、職場づくり、仕事術とわかれ、それぞれ具体的なノウハウが語られている。特に職場づくりについては、個人的に参考になった。管理職とは、「人を管理するのではなく、(その人がする)仕事を管理する事」という定義はなるほど、である。部下に対する個人的な好き嫌いの感情のある人は考えた方が良い部分だろう。

語られている事はどれもなるほどと思う事ばかり。しかしながらふと、「この人の会社の社員さんはみんなこんな風に管理されていて成果が上がっているのだろうか」と意地悪な気持ちになる。著者が会社で好かれているのかどうかはわからないが、そんな事を考えてみてもしかたない。書かれている事はもっともであり、参考にもなる。素直に実践してみる価値はありそうである。

何事も前向きに学ぶ意欲のある人には一見の価値ある一冊である・・・

      
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2012年07月29日

【じゃんけんはパーを出せ!−ビジネス解決力が身につく「ゲーム理論」−】 若菜力人 読書日記263




Part1 それでも株価は上がる
Part2 合コン!会計男とイケメンはどちらが得をするのか?
Part3 なぜ、オタク男は子孫を残せるのか?
Part4 ラクして儲ける方法教えます!
Part5 普通の女性がセレブになる方法

ちょっと変わったタイトルのこの本、実はゲーム理論の本である。
ゲーム理論というと、「囚人のジレンマ」が有名だが、そんな例を身近なモノの中から見出して解説してくれている。
なかなか面白い本である。

タイトルにある「じゃんけんはパーを出せ」とは、じゃんけんはどれを出しても勝つ確率は1/3だと思っていたら、実は確率は違うというお話。
じゃんけんをした場合、最初に出すのはグーが微妙に多いそうである。
カナダにある世界じゃんけん協会も、素人はひたすらパーを出す事をすすめているらしい。
ちなみに、アイコとなった場合も考えると、パー、グー、チョキの順に出すと勝つ確率は高まるらしいが、解説は本書と致したい。

以降はゲーム理論の実践例。
ブルー・レイディスクとHD−DVDの競争で、HD−DVDを進めていた東芝が早々と撤退宣言。にも関わらず、株価は上昇。かつてのビデオで、ベータ方式とVHS方式との長い競争を彷彿とさせるこの例もゲーム理論で解説してくれる。何気ないような例であるが、東芝の決断と株式市場の反応がよくわかる。

ちょっと柔らかい例では、合コンでまめまめしく会計を引き受ける男と、参加するだけでおいしいところをさらっていくイケメンとの比較。
この両者の立場と戦略的な見地からの解説も、なかなか面白い。
ゲーム理論というと難しく感じるが、合コンでの例となると難しいものではないと改めて認識させてくれる。

個人的に興味を惹かれたのは、ゲーム理論というよりもゲームに対する欧米人の考え方だ。
冬季オリンピックラージヒルで、長野オリンピックでメダルラッシュに沸いた日本勢。ところが次の大会から無残な結果。実はルール変更で、身長の低い日本人には不利になってしまったのだという。勝つためには、ルールそのものを変えてしまうという欧米流。日本人はやっぱり生き馬の目を抜く国際社会では、おっとりしていると改めて実感させられる。

ごくごく身近な例からの解説で、実にわかりやすくて面白い。
簡単に一読できてしまうし、サブタイトルにもあるように、ビジネス解決力が身につけられそうな一冊である・・・



     
     
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2012年07月26日

【小商いのすすめ】平川克美 読書日記262




第1章 経済に蚕食された社会
第2章 街角のフォークロア
第3章 ちいさいことの意味
第4章 「経済成長」から「縮小均衡」の時代へ−東日本大震災以後
第5章 小商いのすすめ

「小商い」というと、小規模な営業のイメージがする。
スーパーなどとは対極のものだ。
しかしながらここでの「小商い」とは、単に営業形態の事ではなく、「縮小均衡時代の生き方そのもの」であると著者は説く。

本書の構成は、前半部分に現代のさまざまな状況が解説されている。
一見、「小商い」とは何の関係もなさそうである。
豊かさとは何か、そして拡大均衡経済の中で、豊かさを追求してきた我々の両親の世代。
そこには貧しいながらの豊かさというものもあった。
そして経済成長。
現代の日本はその成長しきった姿。
海外へ販路を求めても、いずれ地球上はどこかで拡大均衡の限界に達する。

とは言え、拡大均衡そのものは悪ではない。
かつてはその拡大均衡の中で貧富の差や都市と農村の格差が縮まっていった。
世界の国がどこでもそうではなく、それは日本の発展の優れたところ。
それは、諸々の理由が考えられるが、日本人の国民性にもよると言う。

そんな長い前置きのあとで、小商いのすすめが語られる。
ソニーの設立趣意書でも井深大は、「経営規模としてはむしろ小なるを望む」と謳った。
小商いとは「いま・ここ」にある自分に関して責任を持つ生き方。
拡大均衡から縮小均衡へ。
人口も減少する中、より多くを求めるのではなく、バランスを求める。
そんな生き方が、実際に求められているのかもしれない。

タイトルとは裏腹に、哲学的な香りもする一冊。
たまにはこうした本に触れて、日々の生活を見直してみるのもいいかもしれない。
そんな思いにさせてくれる一冊である・・・





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2012年07月24日

【ずるい考え方】木村尚義 読書日記261




第1章 ようこそ!ラテラルシンキングの世界へ
第2章 ラテラルシンキングに必要な3つの力
第3章 最小の力で最大の効果を出す
第4章 相手の力を利用する
第5章 異質なもの同士を組み合わせる
第6章 先の先を読む
第7章 ムダなものを捨てない
第8章 マイナスをプラスに変える
第9章 ラテラルシンキング力を試してみよう

タイトルに惹かれて手に取った一冊だが、サブタイトルに「ゼロから始めるラテラルシンキング入門」とある通り、これはラテラルシンキングについての本である。
ラテラルシンキングとは、物事を順序立てて論理的に考えるロジカルシンキングに相対する概念で、言ってみれば「飛躍的発想法」とでもいうような考え方だ。

早い馬車を求めて、足の速い馬を何頭も繋ぐのがロジカル的だとすれば、自動車を発明するのがラテラル的だと言うことらしい。
コロンブスの卵もラテラルシンキングと言えるのだと思うが、そうした物事の枠にとらわれない考え方というのは、時として重要であり新しいアイディアを生みだす時などには必要となる考え方だろう。
そうしたラテラルシンキングについて説かれている。

ラテラルシンキングには、3つの要素が必要とされる。
「疑う力」
「抽象化する力」
「セレンディピティ」
「セレンディピティ」とは、偶然の発見を見逃さない力である。
同じ物事を見ていても、ある人は連想が働き、ある人は働かない。
連想が働くには感性のレーダーを張っておくことで、何を聞いても「そんなのは知っているよ」という態度はダメらしい。

タイトルに「ずるい考え方」とある通り、ラテラルシンキングは時として、「いかに楽をするか」を考えたりすることにもつながり、それが場合によっては「ずるい」となるものだと言う事らしい。コバンザメのように強者のおこぼれにあずかる作戦に出たり、便乗したりとする事もある。

一方でカップを返却してくれなくて困ったアイス屋さんがコーンを考えついたような発想もある。最後には練習問題もついていて、文字通り入門編としてわかりやすい。自分では頭が固いと思っている人。あるいは鋭いと思っていても、実際にはそうでなかったりする人も一度読んでみると面白い本である。

本を閉じた後、自分でも実践してみようかなと思わせられる一冊である・・・


      
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2012年07月14日

【お金の科学】ジェームス・スキナー 読書日記258



原題: The Science of Money : The certain way to wealth and prosperity
第1章 始めよう〜誰でも大金持ちになれる
第2章 引き寄せの法則〜お金持ちのマインド〜
第3章 受け取りの法則〜お金持ちの行動〜
第4章 人生の法則〜お金持ちの生き方〜
第5章 応用の法則〜あなたにもできる〜

最近はやりの「○○の科学」にあやかったタイトルだろう、そんな安易なネーミングに伸ばした手も引っ込みがちになるのだが、それでもあえて好奇心が勝り手に取った一冊。
「お金の科学」とあるが、これはお金の事を哲学的に語ったものではなく、すばり金持ちになる方法。
「お金にはルールがあって、そのルールに従えば誰でもお金持ちになれる」
やはり胡散くささが来てしまうが、あえて読み進める。

お金持ちになるにはまずマインドから。
世の中には無限の可能性が満ち溢れている。
求めよ、されば与えられん。
「二人の男がいて、一人は1億円を持っていた。
もう一人が家を建て、1億円で一人に家を売った。
富の合計はいくらか。
答えは2億円。
一人は1億円の現金を、もう一人は1億円の家を持っている。」
こうした考え方は、なるほど頷ける。

「ある会社の社長は、毎日のように従業員やマネージャーが『問題がある』と言って押しかけてくるのに辟易していた。
売上が落ちた、有能な社員が辞めた、クレームが来た・・・
ある時、ある発見をし、一つだけルールを作った。
『問題』という言葉を使うなというルールだった。
社員は反発し、では何と言えばいいのかと社長に尋ねた。
社長は答えた。
『仕事』と呼べ。」
プラスの言葉の効果という事だが、こういう挿話が理解の助けとなる。
思いは力となるという。

「運とは準備が機会に出会ったときに起こる現象」
「仕事をせよ。それはさらなる自由への門戸である。富に向けた道において、仕事をする一歩一歩が天地宇宙のあなたに対する借りを増やす。収穫の法則が必ず成就する。快く仕事せよ。信仰を持って仕事せよ。自分の生得権である富を受けるための経路を開ける意思を持って仕事せよ。そうすれば、すべてがあなたに与えられるに違いない。」

書いてある事は極めてまともで、トンデモ系・怪しげな金儲け系の欠片などどこにもない。
また、起業すれば大金持ちになれるという安易な説明でもない。
「どのような環境におかれても簡単に仕事に就く事のできる7つの原則」は誰にでも当てはまる。

1. 身の装いを大切にせよ。清潔感を保ち、自分の服装を正し、言葉遣いに注意せよ。
2. サービスの姿勢を常に心得て、もらう価値以上の価値を人に与える決意を示そう。
3. ほかの人の嫌がる仕事を快く引き受けよう。
4. 大きいことを任されたいと言う前に、小さいことを優秀にこなそう。
5. 常に新しいスキルを身につけるように努力し、自分の安心領域を超えた事柄に挑戦せよ。
6. 忠誠心の原則を実行せよ。ほかの人を脅したり、あなたとの関係を持ったがために損したというイメージを絶対に与えてはならない。
7. 自分の雇用のリスクを自分で負うことにより、雇用主の不安を解消せよ。業績ベースの報酬をいつでも歓迎せよ。

さらにアイディア一つなら誰にでも出せるし、それが実は意外な結果をもたらす事もあると続く。
「あるインターネットマーケターは、オウムに話し方を教える方法を説明する教材で大金持ちになった」などという例がわんさと紹介される。
アメリカでよくあるバイトの芝刈りも、工夫次第で同じ人より何倍も稼ぐことができるとその例を紹介する。

お金を稼ぐ具体的な方法だけに限らず、考え方も参考になる。
ネーミングなどはその好例で、「オーストラリアのへんぴな田舎のビーチが名前だけで一大ビーチリゾート『ゴールドコースト』に変わった」など、これも多数紹介されている。
やり方次第、考え方次第、そしてそれは誰でも可能な事だと、読み進めるうちに思えてくる。

「お金の科学」とあるが、大事なのは志。
どんな気持ちで日々の仕事に励み、どんな創意工夫をするか。
そんな当たり前の事に気付かせられる。
自分はまだまだだと深く反省させられる。
単なる金もうけ系とはまったく違う「お金の科学」。
一読の価値ある一冊である。

      
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2012年03月24日

【スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン】カーマイン・ガロ 読書日記230



第1幕 ストーリーを作る
第2幕 体験を提供する
第3幕 仕上げと練習を行う

ここのところ好きでスティーブ・ジョブズ関連本に手を出している。
今回は、 「スティーブ・ジョブス驚異のイノベーション」と同じ著者によるもの。
タイトルの通り、今回は卓越していると評判のスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションを取り上げたものである。

普通の人はたぶん知らないと思うのだが、スティーブ・ジョブズは毎年新製品の発表を独特のプレゼンテーションで行っていたらしい。
それを細かく分析し、一般の人でもうまくプレゼンができるようになるヒントが提示されているのがこの本の特徴。

プレゼンと言えばパワーポイントによるものがイメージとして浮かぶ。
しかしまず大事なのは、ストーリーであってスライドではないという。
いきなりパソコンを立ち上げ、箇条書きで書き出すというのは最悪なパターンらしい。
ジョブズは「どのように(使う)」ではなく、「なぜ」を説明する。
製品ではなく、夢を売ろうというわけである。

内容に入ると、ヘッドラインを作る、3点ルールを意識する、プレーン・イングリッシュを使うなどの方法が紹介される。
ヘッドラインとは見出しの事であり、短い言葉で端的にそれを表すのである。
「今日、アップルが電話を再発明する」(iPnone)
「1000曲をポケットに」(iPod)
「iPhone3G、速度は2倍、価格は半分」(iPhone3G)
こうしたヘッドラインは、他社の例なども引用されていてわかりやすい。

3点ルールとは、言いたい事を3つに絞り、それを冒頭でロードマップとして使うというもの。そうすると、そのテーマの流れが聞き手にも理解できる。
「今日は革命的な製品を3つ、紹介する」(iPhone)
この3つに絞るというやり方は、いろいろなところで紹介されている。
ジョブズもそれを効果的に利用している。
有名なスタンフォード大学でのスピーチも3つだ。

「シンプル」はジョブズのキーワードでもある。それは使う言葉にも現れる。
@ It’s the world thinnest notebook.
A With Time Capsule,plug it in, click a few buttons, and voila-all the Macs in your house are backed up automatically.
B Mac OSX is the most technically advanced personal computer operating system ever.
ビル・ゲイツが講演で使った言葉と対比されているからよくわかるが、実にわかりやすい。

その他
@ 写真を使ったスライド
A 数字をドレスアップ
B シンプルであり、具体的であり、心に訴える力が強い
などの特徴が説明される。

その素晴らしさは散々言葉で説明されるわけであり、それでも雰囲気は掴めるのであるが、やはり実物を見るに限る。
幸い今はYoutubeで見る事ができる。
この本でも平行して見る事を勧められている。
なるほどだ。

普段プレゼンの機会などないが、ある人なら一度目を通しておくのも良いのではないだろうか。とても真似できそうもないが、それでもジョブズのようなスキルを身につけるには、才能ではなく練習と努力のようだ。
プレゼン以外にも学ぶべき点の多い一冊である・・・



    
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2012年03月08日

【45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本】植田統 読書日記225



序 章 45歳がキャリアのターニング・ポイント
第1章 45歳になる前に知っておきたいこと
第2章 45歳からでも成功する転職の心得
第3章 45歳からでも間に合う勉強法
第4章 45歳になったら肝に銘じておくこと

本のタイトルというのは、実に重要だと思う。
タイトルを見ただけで、思わず手に取ってしまうという事はよくある事だ。
この本はまさにそんな一冊と言える。
ちょうど年齢的にも47歳と言う事もあって、別段「会社人生に不安を感じ」ているわけではないが、なんとなく内容に興味を持ったというわけである。

著者は国際経営コンサルタント。
東大卒業し、アメリカでMBAを取得し、東京銀行を皮切りに外資系企業を渡り歩き、46歳の時に一念発起して法科学院に進学し、弁護士資格も取ってしまったというスゴイ経歴。
そのためか、外資系企業の話が多くなるのはしかたないのかもしれない。

第1章では45歳になるまでに身につけておきたいとされるスキルが紹介される。
「給料はもらい過ぎるな、早い出世は命取り」「スペシャリストを目指すな」などはどちらかと言えば外資系企業で当てはまる話。
されど「ビジネススキルより人格を磨け」など、大いに腹落ちする話もある。
実例なども豊富に取り入れているので、著者が言いたい事はよく理解できる。

ただやっぱり外資系の企業の話が中心となるせいか、予備知識的には面白いという程度にとどまるのも事実。ここらは読む人の立場によって感じ方は違うのかもしれない。ただ転職の時に、「思い込みで一つのキャリアだけを追いかけたり、自分の考える強みにこだわってはいけない。いつもフレキシブルであるべきだ」などという部分は、外資系に限らず当てはまる事だし、そういう部分をうまくすくい取るのもいいと思う。

先にも伸べた通り、この人のスゴイところは46歳から勉強して弁護士の資格を取ってしまうところだ。もともと大学院で素養があったようではあるが、それでもやはり大した事だ。英語は1に度胸、2に度胸、3に度胸などという実践から得たものも、なるほどと思わせられるものもある。

全体的に主として転職市場の話であるが、そこではみんな「商品」だと言う。
人は誰でも自分を特別視したがるが、そうした市場では年齢による「賞味期限」もあり、あまり奢り高ぶっていてもいけないようである。
そんな自分のあまり知らないフィールドの話でも、何かの参考にはなりそうである。
将来的にはどうなるかわからないが、読んでおいて損はない一冊である・・・

     
   
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